お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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テガソードブルーが出てきた。地上でのやり取りを見るに、コックピットにはお姉様も乗っている。正直、敵対したとはいえ陶器のような肌に直接傷を付けることはしたくなかった為──ロボ同士で殴り合う方が、戦いやすい。
「ゴジュウレオン!今までの恨み、ここで晴らさせてもらう!!」
カレンダナイフの残骸を原型に作った鎌を振りかざした。テガソードブルーはそれを避け、銃撃を浴びせてくる。機体に直撃し、振動で操縦席に体が叩きつけられた。
「柚葉ちゃん!君は、ブーケちゃんを愛しているんじゃないの!?」
「ッ…だから、何!?」
「ブーケちゃんだって君を愛している!愛し合う二人が戦う必要なんて無い!」
「違う!あたしの愛は、ブーケ様のような慈愛じゃない…!お前なんかに、分かってたまるか!!」
テガソードブルーに接近し、蹴りを叩きこむ。体勢が崩れたところに鎌による一撃を入れた。火花が散り、テガソードブルーに乗っている二人の呻き声が聞こえてきた。…あたしの攻撃が、お姉様を傷付けている。苦しめている。それがどれだけ辛いことか痛い程理解している筈なのに、体が止まらない。
「許さない!ブーケ様を苦しめたこと!あたしから奪ったこと!」
「ブーケちゃん達を苦しめたことは、謝っても謝り切れないとは思ってる!でも、彼女は誰の所有物でもない!」
銃撃を避けて距離を取る。しかし射撃は正確で、少し離れたくらいでは完全に避けることは出来なかった。機体を掠めた射撃に対抗して、こちらもアイアイザーに共通で詰んでいる砲門から砲撃を行う。
「うるさい!あたしの方が好きなのに!ずっと一緒にいたのに!」
砲撃を盾にして接近し、縦に鎌を振り下ろした。
「一文字狩り!」
鎌が直撃し、テガソードブルーの動きが崩れる。そのままテガソードブルーの背後に刃を引っ掛けるようにして動きを封じた。そのまま片腕で何度も殴りつけ、サンドバッグ状態にする。このまま殴り壊してやると思った瞬間、殴っていた腕を掴まれた。
「今の君は愛を勘違いしてる!本当の愛は見返りを求めない!」
「ッ、あたしの愛は、紛い物だって言いたいの!?」
「違う!柚葉ちゃんは愛を知らないだけなんだ!知らないなら、ここから知っていけばいい!」
「そうです柚葉、この世界で学んでいきましょう!愛することも、あなたにとっての幸福も!」
腕を引き寄せられて頭突きをされた。衝撃で離れ、機体の体勢を整えようとしているところにテガソードブルーが銃口を向けた。
「出会った時から、君はずっと暗い顔をしている…。それなら、僕は君を照らしてみせる!」
「は…!?何を……!」
「僕は皆のゴジュウレオン!輝きで君を照らす太陽で在り続ける!”キラリ☆ライオン流星群”!」
テガソードブルーの腕から銃撃が放たれた。それを一身に受けてしまい、爆音と共にアイアイザーから火の手が上がり始める。コックピット内で火花が舞い、いよいよ後が無くなってしまった。後ろを振り返り、脱出装置の無事を確認する。
「柚葉ちゃん、僕達の手を取って!」
「柚葉、手を握って下さい!」
テガソードソードが機体に刺し込まれた為、テガソードブルーに乗っている陸王とお姉様の姿が見えた。二人とも、あたしに手を差し伸べている。
「早く!爆発に巻き込まれてしまう!」
損傷が脱出装置まで回ってしまった。もう手を取ることでしか、逃げることはできない。
差し伸べられた手。あたしはそれに手を伸ばそうとして……やめた。陸王は顔を引き攣らせて少しだけ目を伏せたが、お姉様は爆破するその時まで手を伸ばそうとしてくれていた。
*
アイアイザーの爆破と共に地面に投げ出された。着物は焼けて所々焦げ落ち、鼻緒が切れ、帯もぐちゃぐちゃになっていた。こんな姿見せたくないな、とぼうっと思っていると、テガソードブルーから降りてきたお姉様が一目散に駆け寄って来た。
「柚葉!!どうして…どうして手を取ってくれなかったんですか…!」
「…見つけたんです。あたしの幸せ……。あたし、ブライダンのみんなといることが幸せだった……」
「イヤ…私はもう、目の前で誰も失いたくない…!!」
あたしを助ける為に手を施そうとする。あんなに、酷いことをしたのに。傷付けたのに。
「……あたしは…あなたに理想を押し付けていました。でも…愛って、そうじゃないんですね…。理想が愛する人なんじゃない…愛する人が理想なんだって、ようやくわかった…」
あたしの理想は、あなた。あなたが笑顔でいられるのなら、どんな選択だろうとあたしの理想。例えお姉様があたしを選ばなくても…百夜陸王と歩むことを決めても、その選択を尊重することが愛。あたしは、愛のことを最初から何にも分かっていなかった。
もう助けられないことを悟り、お姉様はマゼンタカラーの瞳から大粒の涙を流した。鼻を啜り、「イヤ」「いかないで」と思い切りあたしの体を抱きしめる。──ああ、泣かせたくなかった。でも、あたしの為に泣いてくれるなんて…あたし、幸せ者だなあ。
「…最後のご無礼を、許していただいてもよろしいですか……?」
「え……?」
「手を…」
お姉様は片腕であたしの上半身を抱きながら、もう片方の手を差し出す。彼女の腕の中でその手を両手で取り、手袋を嵌めている手の甲に軽いキスを落とした。
「あたしの愛、全て捧げます…お姉様」
あなたに出会えて良かった、慈愛のブーケ様。そしてさようなら、お姉様。
お姉様こそが、あたしのナンバーワン!
「ゴジュウレオン!今までの恨み、ここで晴らさせてもらう!!」
カレンダナイフの残骸を原型に作った鎌を振りかざした。テガソードブルーはそれを避け、銃撃を浴びせてくる。機体に直撃し、振動で操縦席に体が叩きつけられた。
「柚葉ちゃん!君は、ブーケちゃんを愛しているんじゃないの!?」
「ッ…だから、何!?」
「ブーケちゃんだって君を愛している!愛し合う二人が戦う必要なんて無い!」
「違う!あたしの愛は、ブーケ様のような慈愛じゃない…!お前なんかに、分かってたまるか!!」
テガソードブルーに接近し、蹴りを叩きこむ。体勢が崩れたところに鎌による一撃を入れた。火花が散り、テガソードブルーに乗っている二人の呻き声が聞こえてきた。…あたしの攻撃が、お姉様を傷付けている。苦しめている。それがどれだけ辛いことか痛い程理解している筈なのに、体が止まらない。
「許さない!ブーケ様を苦しめたこと!あたしから奪ったこと!」
「ブーケちゃん達を苦しめたことは、謝っても謝り切れないとは思ってる!でも、彼女は誰の所有物でもない!」
銃撃を避けて距離を取る。しかし射撃は正確で、少し離れたくらいでは完全に避けることは出来なかった。機体を掠めた射撃に対抗して、こちらもアイアイザーに共通で詰んでいる砲門から砲撃を行う。
「うるさい!あたしの方が好きなのに!ずっと一緒にいたのに!」
砲撃を盾にして接近し、縦に鎌を振り下ろした。
「一文字狩り!」
鎌が直撃し、テガソードブルーの動きが崩れる。そのままテガソードブルーの背後に刃を引っ掛けるようにして動きを封じた。そのまま片腕で何度も殴りつけ、サンドバッグ状態にする。このまま殴り壊してやると思った瞬間、殴っていた腕を掴まれた。
「今の君は愛を勘違いしてる!本当の愛は見返りを求めない!」
「ッ、あたしの愛は、紛い物だって言いたいの!?」
「違う!柚葉ちゃんは愛を知らないだけなんだ!知らないなら、ここから知っていけばいい!」
「そうです柚葉、この世界で学んでいきましょう!愛することも、あなたにとっての幸福も!」
腕を引き寄せられて頭突きをされた。衝撃で離れ、機体の体勢を整えようとしているところにテガソードブルーが銃口を向けた。
「出会った時から、君はずっと暗い顔をしている…。それなら、僕は君を照らしてみせる!」
「は…!?何を……!」
「僕は皆のゴジュウレオン!輝きで君を照らす太陽で在り続ける!”キラリ☆ライオン流星群”!」
テガソードブルーの腕から銃撃が放たれた。それを一身に受けてしまい、爆音と共にアイアイザーから火の手が上がり始める。コックピット内で火花が舞い、いよいよ後が無くなってしまった。後ろを振り返り、脱出装置の無事を確認する。
「柚葉ちゃん、僕達の手を取って!」
「柚葉、手を握って下さい!」
テガソードソードが機体に刺し込まれた為、テガソードブルーに乗っている陸王とお姉様の姿が見えた。二人とも、あたしに手を差し伸べている。
「早く!爆発に巻き込まれてしまう!」
損傷が脱出装置まで回ってしまった。もう手を取ることでしか、逃げることはできない。
差し伸べられた手。あたしはそれに手を伸ばそうとして……やめた。陸王は顔を引き攣らせて少しだけ目を伏せたが、お姉様は爆破するその時まで手を伸ばそうとしてくれていた。
*
アイアイザーの爆破と共に地面に投げ出された。着物は焼けて所々焦げ落ち、鼻緒が切れ、帯もぐちゃぐちゃになっていた。こんな姿見せたくないな、とぼうっと思っていると、テガソードブルーから降りてきたお姉様が一目散に駆け寄って来た。
「柚葉!!どうして…どうして手を取ってくれなかったんですか…!」
「…見つけたんです。あたしの幸せ……。あたし、ブライダンのみんなといることが幸せだった……」
「イヤ…私はもう、目の前で誰も失いたくない…!!」
あたしを助ける為に手を施そうとする。あんなに、酷いことをしたのに。傷付けたのに。
「……あたしは…あなたに理想を押し付けていました。でも…愛って、そうじゃないんですね…。理想が愛する人なんじゃない…愛する人が理想なんだって、ようやくわかった…」
あたしの理想は、あなた。あなたが笑顔でいられるのなら、どんな選択だろうとあたしの理想。例えお姉様があたしを選ばなくても…百夜陸王と歩むことを決めても、その選択を尊重することが愛。あたしは、愛のことを最初から何にも分かっていなかった。
もう助けられないことを悟り、お姉様はマゼンタカラーの瞳から大粒の涙を流した。鼻を啜り、「イヤ」「いかないで」と思い切りあたしの体を抱きしめる。──ああ、泣かせたくなかった。でも、あたしの為に泣いてくれるなんて…あたし、幸せ者だなあ。
「…最後のご無礼を、許していただいてもよろしいですか……?」
「え……?」
「手を…」
お姉様は片腕であたしの上半身を抱きながら、もう片方の手を差し出す。彼女の腕の中でその手を両手で取り、手袋を嵌めている手の甲に軽いキスを落とした。
「あたしの愛、全て捧げます…お姉様」
あなたに出会えて良かった、慈愛のブーケ様。そしてさようなら、お姉様。
お姉様こそが、あたしのナンバーワン!