お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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かつての御前で唸るファイヤキャンドルに近付いた。彼はこちらを恨めしげに見つめてくる。
「…柚葉嬢も、行っちまうのか……」
「行かないよ。あたしは…あっち側には行かない」
「…」
「ゴジュウジャーと和解なんて…馬鹿馬鹿しい。敵は敵。今までの所業を、お互い無かったことになんて出来ない」
「ああ…そうだ……こんな簡単に終わっちまったら、今まで頑張ってくれた奴らに会わせる顔がねえよ…!あいつらの無念は…絶対に俺が晴らす…!!」
「…あたしは、ずっとブーケ様に付いて行くんだと思っていた。でも、もう違う。あたしは、ブーケ様を……」
胸を押さえた。あたしは、決断をしなければならない。大きな決断。強い覚悟。戦う者に必要なことだ。
「…ブーケ嬢がもし戻って来たらよ」
「…うん」
「その時は、またお姉様って呼んでやってくれよ」
「そう、だね。そうして、またみんなでブライダンをやろう。ずっと、ずっと……」
少し怖いけれど慈悲深い女王様。鬱陶しくなるくらい熱いけど、背中を預けられるファイヤキャンドル。紳士で冷静な判断ができるシャイニングナイフと、自由にやっているようで実は凄く気遣いをしているスイートケーク。そして、気高く美しく優しいお姉様。
この場所で、みんなと過ごす時間が好き。だから……裏切り者も、邪魔者も、全員許さない。──粛清の時だ。
*
ゴジュウジャーを誘い出すのは簡単だ。人間界では、刃物を持って歩いているだけで騒いでくれる。大鎌を担いで闊歩していると、ゴジュウジャー達がバタバタとやって来た。
「柚葉……」
イーグルは憐れみを含んだ目線を寄越した。どうしてそんな目で見られるのか分からなかった。あたしは、可哀想だなんて思われる子じゃないのに。
「全員出て来てくれるなんて、話が早くて助かる。一人ずつ殺すなんて面倒だからね」
「…やめようよ、柚葉。私達にあなた一人で勝てる訳がない…」
「あたしは殺されることも覚悟して来てる。別に、ここで死んだって構わない」
「そんなの駄目だ!君が死んだら、ブーケちゃん達が悲しむよ…!」
百夜陸王がそう言った。どの口が、どの口が。あたしからお姉様を奪って、リボンの命も奪って。お前さえいなければ…お前さえいなければこんなことにならなかったのに!お前がアイドルなんてしていなければ、あたしは今もお姉様と一緒にいられたのに!
「…別に、今日だけはみんな見逃してあげてもいい。でも、百夜陸王…お前は駄目。ブーケ様がとれなかったリボンの仇と、あたしの恨み…全てを晴らす為に、お前を殺す…!」
「…どうやら、話し合うつもりはねえみてえだな。なら──」
「待ってください!!」
彼らが指輪を抜こうとした瞬間、それを制する声が響いた。鈴が鳴るような心地よい声。ハッとして振り向くと、マゼンタカラーの髪を靡かせた美しい人が走って来た。あたしと目が合ったその人は、今にも泣きそうな目をしている。
「……柚葉」
「……ブーケ様」
「…皆さん、ここは私にやらせて下さい。彼女は…私が手を差し伸べなければならない存在なんです」
「…ブーケちゃん、それは…凄く苦しいことだよ。それに、君が背負わないといけないことでもない」
「構いません。柚葉を助ける為なら、どんな苦しみも受け入れます」
どうして、今更そんなことを言えるの。あたしの苦しみも知らないで、どうして……。
怒りと、悲しみが込み上げる。膝をついて、泣き崩れたい程感情を揺さぶられた。それでも、衝動がそれを許さない。裏切り者を倒せと、あたしを突き動かす。
「”いざ掴め!ナンバーワーン!”」
「”ゴー!ゴー!ゴジュウジャー!”」
「誰かの幸せは誰かにとっての不幸せ。ブライダン補給隊長、幸福の柚葉。ブーケ様、お覚悟!」
「慈愛も破壊も全てが私。ブライダンテクニカル隊長、慈愛のブーケ。今度は、私があなたの手を掴んでみせます!」
「”レディーゴー!”」
「…柚葉嬢も、行っちまうのか……」
「行かないよ。あたしは…あっち側には行かない」
「…」
「ゴジュウジャーと和解なんて…馬鹿馬鹿しい。敵は敵。今までの所業を、お互い無かったことになんて出来ない」
「ああ…そうだ……こんな簡単に終わっちまったら、今まで頑張ってくれた奴らに会わせる顔がねえよ…!あいつらの無念は…絶対に俺が晴らす…!!」
「…あたしは、ずっとブーケ様に付いて行くんだと思っていた。でも、もう違う。あたしは、ブーケ様を……」
胸を押さえた。あたしは、決断をしなければならない。大きな決断。強い覚悟。戦う者に必要なことだ。
「…ブーケ嬢がもし戻って来たらよ」
「…うん」
「その時は、またお姉様って呼んでやってくれよ」
「そう、だね。そうして、またみんなでブライダンをやろう。ずっと、ずっと……」
少し怖いけれど慈悲深い女王様。鬱陶しくなるくらい熱いけど、背中を預けられるファイヤキャンドル。紳士で冷静な判断ができるシャイニングナイフと、自由にやっているようで実は凄く気遣いをしているスイートケーク。そして、気高く美しく優しいお姉様。
この場所で、みんなと過ごす時間が好き。だから……裏切り者も、邪魔者も、全員許さない。──粛清の時だ。
*
ゴジュウジャーを誘い出すのは簡単だ。人間界では、刃物を持って歩いているだけで騒いでくれる。大鎌を担いで闊歩していると、ゴジュウジャー達がバタバタとやって来た。
「柚葉……」
イーグルは憐れみを含んだ目線を寄越した。どうしてそんな目で見られるのか分からなかった。あたしは、可哀想だなんて思われる子じゃないのに。
「全員出て来てくれるなんて、話が早くて助かる。一人ずつ殺すなんて面倒だからね」
「…やめようよ、柚葉。私達にあなた一人で勝てる訳がない…」
「あたしは殺されることも覚悟して来てる。別に、ここで死んだって構わない」
「そんなの駄目だ!君が死んだら、ブーケちゃん達が悲しむよ…!」
百夜陸王がそう言った。どの口が、どの口が。あたしからお姉様を奪って、リボンの命も奪って。お前さえいなければ…お前さえいなければこんなことにならなかったのに!お前がアイドルなんてしていなければ、あたしは今もお姉様と一緒にいられたのに!
「…別に、今日だけはみんな見逃してあげてもいい。でも、百夜陸王…お前は駄目。ブーケ様がとれなかったリボンの仇と、あたしの恨み…全てを晴らす為に、お前を殺す…!」
「…どうやら、話し合うつもりはねえみてえだな。なら──」
「待ってください!!」
彼らが指輪を抜こうとした瞬間、それを制する声が響いた。鈴が鳴るような心地よい声。ハッとして振り向くと、マゼンタカラーの髪を靡かせた美しい人が走って来た。あたしと目が合ったその人は、今にも泣きそうな目をしている。
「……柚葉」
「……ブーケ様」
「…皆さん、ここは私にやらせて下さい。彼女は…私が手を差し伸べなければならない存在なんです」
「…ブーケちゃん、それは…凄く苦しいことだよ。それに、君が背負わないといけないことでもない」
「構いません。柚葉を助ける為なら、どんな苦しみも受け入れます」
どうして、今更そんなことを言えるの。あたしの苦しみも知らないで、どうして……。
怒りと、悲しみが込み上げる。膝をついて、泣き崩れたい程感情を揺さぶられた。それでも、衝動がそれを許さない。裏切り者を倒せと、あたしを突き動かす。
「”いざ掴め!ナンバーワーン!”」
「”ゴー!ゴー!ゴジュウジャー!”」
「誰かの幸せは誰かにとっての不幸せ。ブライダン補給隊長、幸福の柚葉。ブーケ様、お覚悟!」
「慈愛も破壊も全てが私。ブライダンテクニカル隊長、慈愛のブーケ。今度は、私があなたの手を掴んでみせます!」
「”レディーゴー!”」