お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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もの作りノーワンが倒され、ソッキン・グダムもグーデバーンとの戦いに負けた。苦しい状況だ。
「しくしく…もの作りノーワン、バタンキューなの?」
「いや…待て」
「うん?」
倒され、分離した筈のもの作りノーワンの手がピクピクと動いた。そしてそこからまた体が生成され、もの作りノーワンを形作る。そう──自分自身を、作った。
唸り、絶叫するもの作りノーワン。力が暴走を始め、ありとあらゆる物を生成し始めた。
「なんだ!?何が起こっている!?」
「作っているのだ、世界を」
「女王!」
「女王様!」
女王様自らが人間界にやって来た。そして自分の目に狂いは無かったと喜び、もの作りノーワンを見て…微笑んだかのように、視えた。
「奴こそ、もの作りナンバーワン」
「”Winnerもの作りノーワン”!」
「負けた…だと?」
「愛する子を失った絶望…愚かだな。だが、愚かだからこそ我に相応しい」
もの作りノーワンが女王様に吸い込まれた。恐らく今頃はコックピットの中だろう。力が制御されたのか、暴発して生成された物は全て消えて元に戻った。生成の際に起きた事故の結果だけが、炎として残っている。
「もの作りノーワン、お前が我が運命の乗り手だ!」
女王様が本当の力を取り戻した。そのエネルギーにあたし達は圧倒されつつも、興奮に震える。
「乗り手よ、お前の願い我が叶えよう。私の子、破滅の王子の力によって新たな世界を創る!テガナグール、遊びは終わりだ。私のもとへ帰って来い」
「嫌だ!僕は熊手さんと…うああっ!」
テガナグールがノーワンワールドへの入り口に吸い込まれた。
恐らく、これでクオンのあの不遜な態度も少しはマシになるだろう。あの男はもう女王様の乗り手には選ばれない。良い気味だ。
リボンはいない、クオンも乗り手に一番近い存在という立場を失った。あたしにとっての目の上のたん瘤共は悉く報いを受けていて、それなのに。心は、何も満たされていない。それなら…こんなものは、幸福と呼べない。
あたしが求めているものは、どこにある?
*
城に戻って来てすぐ仕事が始まった。テガナグールを再教育する為の部屋や装飾、知育玩具の生成と調達。勿論サイズはあたし達とは比べ物にならない程大きい。一つ一つが建物の大きさだ。
アーイー達に指示を出していると、お姉様はやはり椅子に腰掛けてぼうっとしていた。
可憐な花。雑草ばかりのこの世界で、最も輝きを放つ美しい一輪。魂が抜けた顔をしていようともその美しさは損なわれず、般若の表情すらも画になる。
戦闘中との感情の落差が相当激しいようで、激情を見せていた瞳に光は無い。やはり未だに混乱していて、受け入れがたいが、それを理解しようとしているといったところだろうか。
リボンの死に同情できるか、ともう一度心中自分に尋ねた。無理だった。リボンはクオンのような下劣なことはしなかったし、お姉様に暴力を振るうようなこともしていなかった。彼女を認められない、という訳ではない。死んだという事実に対して俯瞰して見ていただけだ。きっとあたしは、ファイヤキャンドルが死んでも、シャイニングナイフが死んでも、スイートケークが死んでも、「ああ死んだのか」としか思わないのだろう。
そりゃあ、スイートケークを自らの手で消してしまったと嘆くシャイニングナイフは可哀想だと思った。でもそこには、彼から彼女への愛があった。あたしはスイートケークが消えた事実ではなく、二人の愛に胸を打たれたのだ。
「……ブーケ様」
「…」
「…心中お察しいたします。何か、温かい飲み物でも淹れましょうか」
「…結構です。構わないでください」
「…申し訳ございません」
触れたら、棘が刺さる檻に彼女は入れられているようだった。あたしは愚かにも手を伸ばしたから、怪我をした。
拒絶。嫌悪とか、そういうのは無い。ただ、ただ、「私に触れないで」という気持ち。薔薇の花じゃなくて、薊の花。
お姉様への疑念は未だに拭えない。でも…元気になってほしいと願う自分の気持ちは、本物だ。またいつもの微笑を浮かべてほしい。みんなで笑って食事をしたい。それが叶えば、少しは幸福というものが何なのか理解できる気がする。
「しくしく…もの作りノーワン、バタンキューなの?」
「いや…待て」
「うん?」
倒され、分離した筈のもの作りノーワンの手がピクピクと動いた。そしてそこからまた体が生成され、もの作りノーワンを形作る。そう──自分自身を、作った。
唸り、絶叫するもの作りノーワン。力が暴走を始め、ありとあらゆる物を生成し始めた。
「なんだ!?何が起こっている!?」
「作っているのだ、世界を」
「女王!」
「女王様!」
女王様自らが人間界にやって来た。そして自分の目に狂いは無かったと喜び、もの作りノーワンを見て…微笑んだかのように、視えた。
「奴こそ、もの作りナンバーワン」
「”Winnerもの作りノーワン”!」
「負けた…だと?」
「愛する子を失った絶望…愚かだな。だが、愚かだからこそ我に相応しい」
もの作りノーワンが女王様に吸い込まれた。恐らく今頃はコックピットの中だろう。力が制御されたのか、暴発して生成された物は全て消えて元に戻った。生成の際に起きた事故の結果だけが、炎として残っている。
「もの作りノーワン、お前が我が運命の乗り手だ!」
女王様が本当の力を取り戻した。そのエネルギーにあたし達は圧倒されつつも、興奮に震える。
「乗り手よ、お前の願い我が叶えよう。私の子、破滅の王子の力によって新たな世界を創る!テガナグール、遊びは終わりだ。私のもとへ帰って来い」
「嫌だ!僕は熊手さんと…うああっ!」
テガナグールがノーワンワールドへの入り口に吸い込まれた。
恐らく、これでクオンのあの不遜な態度も少しはマシになるだろう。あの男はもう女王様の乗り手には選ばれない。良い気味だ。
リボンはいない、クオンも乗り手に一番近い存在という立場を失った。あたしにとっての目の上のたん瘤共は悉く報いを受けていて、それなのに。心は、何も満たされていない。それなら…こんなものは、幸福と呼べない。
あたしが求めているものは、どこにある?
*
城に戻って来てすぐ仕事が始まった。テガナグールを再教育する為の部屋や装飾、知育玩具の生成と調達。勿論サイズはあたし達とは比べ物にならない程大きい。一つ一つが建物の大きさだ。
アーイー達に指示を出していると、お姉様はやはり椅子に腰掛けてぼうっとしていた。
可憐な花。雑草ばかりのこの世界で、最も輝きを放つ美しい一輪。魂が抜けた顔をしていようともその美しさは損なわれず、般若の表情すらも画になる。
戦闘中との感情の落差が相当激しいようで、激情を見せていた瞳に光は無い。やはり未だに混乱していて、受け入れがたいが、それを理解しようとしているといったところだろうか。
リボンの死に同情できるか、ともう一度心中自分に尋ねた。無理だった。リボンはクオンのような下劣なことはしなかったし、お姉様に暴力を振るうようなこともしていなかった。彼女を認められない、という訳ではない。死んだという事実に対して俯瞰して見ていただけだ。きっとあたしは、ファイヤキャンドルが死んでも、シャイニングナイフが死んでも、スイートケークが死んでも、「ああ死んだのか」としか思わないのだろう。
そりゃあ、スイートケークを自らの手で消してしまったと嘆くシャイニングナイフは可哀想だと思った。でもそこには、彼から彼女への愛があった。あたしはスイートケークが消えた事実ではなく、二人の愛に胸を打たれたのだ。
「……ブーケ様」
「…」
「…心中お察しいたします。何か、温かい飲み物でも淹れましょうか」
「…結構です。構わないでください」
「…申し訳ございません」
触れたら、棘が刺さる檻に彼女は入れられているようだった。あたしは愚かにも手を伸ばしたから、怪我をした。
拒絶。嫌悪とか、そういうのは無い。ただ、ただ、「私に触れないで」という気持ち。薔薇の花じゃなくて、薊の花。
お姉様への疑念は未だに拭えない。でも…元気になってほしいと願う自分の気持ちは、本物だ。またいつもの微笑を浮かべてほしい。みんなで笑って食事をしたい。それが叶えば、少しは幸福というものが何なのか理解できる気がする。