お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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後日、ブライダンの城にて。
「じゃーん!プレゼントです!可愛いリボンちゃんを想って作りました!」
「わあ~っ!ラブい!ふふふっ!」
小さな花束を受け取ったリボンは、嬉しそうに声を上げて笑った。それを心底恨めしそうな顔で見ていると、「あとこちら、女王様から」とお姉様が言って二体の獣──ガーディンが出てきた。
「なあに?このワンちゃんたち。それに、これは…?」
「リトルプリズン。使いこなせば、そなたの意のままに人間共を箱庭に閉じ込めることができる」
「こいつらはブライダンの番犬、ガーディンだ。手噛まれねえように気を付けろよ」
お姉様とファイヤキャンドルが手を差し出すと、ガーディンはお姉様にお手をし、ファイヤキャンドルの手には噛み付いた。リボンがリトルプリズンという黒く小さい箱を開けると、ガーディンがそこに収容されていく。
「わあ…ラブーい!女王様、お姉ちゃん、ありがとう!これで早速、指輪をゲットしてきまーす!」
リボンが駆け出すと、お姉様が慌てて後を追おうとした。しかしスイートケークが陸王の祭壇に埃があることを指摘すると、すぐに立ち止まる。
「最近リボンちゃんのことばかりだったから…。ごめんなさい陸王様!」
「今日もブライダンは平和だな」
微笑ましそうに見守るシャイニングナイフを横目に、あたしは深く深く溜め息を吐いた。
広義においては、信頼できる仲間達と一緒に過ごせる状態を幸福と言うこともあるらしい。だが、今のブライダンがあたしにとってそうであるのかと問われれば、それは違う。
あたしは、明確にクオンを嫌っている。それに、リボンのことは嫌いとまではいかずとも好きになれない。そんな二人がいる中で、今のブライダンの面子をみんな好きだと言うことは出来ないのだ。
あたしが面倒くさい奴であることは、あたし自身がよく知っている。ファイヤキャンドル、シャイニングナイフ、スイートケークはあたしと違って精神的に落ち着いていたり、仲間のことについて割り切ることができている。
「…柚葉ちゃん?顔色が悪いわよ?」
「…別に…」
スイートケークに適当な返事をすると、祭壇の埃を払い終えたお姉様が「柚葉」とこちらに近付いてきた。一歩足を踏み出してこちらに近付いて来る度に、動悸がする。苦しい。吐きそう。フラフラする。
「どうして…リボンちゃんと仲良くできないのですか?」
「…いえ、そんなつもりは…」
「あなたをよく見ている私にはわかります」
お姉様が、あたしを見ている?そんなの…嘘だ。誤解だ。お姉様は、あたしのことなんてもう見ていない。陸王とリボン。どれだけあたしに優しい言葉をかけてくださろうとも、それは「慈愛のブーケ」の「慈愛」でしかないのだ。
「クオンさんを嫌うのは、その…分からなくもありませんが…リボンちゃんは純粋です。あなたのことも、慕っているじゃないですか」
「…はい…」
「仲良くしてほしいんです。柚葉に、私以外に心を開くことができる仲間がいると私は安心します」
「はい…」
「わかってください。あなたの幸福を願っているんです」
そう言われた瞬間。胸の中にある大事な宝石に、ヒビが入ったような気がした。
あたし自身もわからない、あたしの幸福。あたしを見ていないお姉様が願っているなんて…信じられない。そんなの、嘘だ。
今まで、絶対的な忠誠を誓い、慕ってきた。いや、今だってそうだ。でも、お姉様に対し疑念を抱いている自分がいる。お姉様は、何を見ている?何を考えている?
この人に見てもらえないと、世界中のどこを探しても自分はいないような気がする。…でも、それじゃあ駄目だ。あたしは、あたしのままで、歩いて行かないといけない。
「…申し訳ありません」
「いえ…すみません、私の方こそ言い方が強くなってしまいました。私は、柚葉も大事だから…幸せになってほしいと思っていることを、伝えたいんです」
「ありがとうございます…ブーケ様」
そう言うと、お姉様は目を丸くした。あたしは彼女の視線を振り払って、自室に歩いていく。
もうあたしが押し付けていた「お姉様」じゃない。リボンの「お姉ちゃん」だから、「お姉様」はもうおしまい。
「じゃーん!プレゼントです!可愛いリボンちゃんを想って作りました!」
「わあ~っ!ラブい!ふふふっ!」
小さな花束を受け取ったリボンは、嬉しそうに声を上げて笑った。それを心底恨めしそうな顔で見ていると、「あとこちら、女王様から」とお姉様が言って二体の獣──ガーディンが出てきた。
「なあに?このワンちゃんたち。それに、これは…?」
「リトルプリズン。使いこなせば、そなたの意のままに人間共を箱庭に閉じ込めることができる」
「こいつらはブライダンの番犬、ガーディンだ。手噛まれねえように気を付けろよ」
お姉様とファイヤキャンドルが手を差し出すと、ガーディンはお姉様にお手をし、ファイヤキャンドルの手には噛み付いた。リボンがリトルプリズンという黒く小さい箱を開けると、ガーディンがそこに収容されていく。
「わあ…ラブーい!女王様、お姉ちゃん、ありがとう!これで早速、指輪をゲットしてきまーす!」
リボンが駆け出すと、お姉様が慌てて後を追おうとした。しかしスイートケークが陸王の祭壇に埃があることを指摘すると、すぐに立ち止まる。
「最近リボンちゃんのことばかりだったから…。ごめんなさい陸王様!」
「今日もブライダンは平和だな」
微笑ましそうに見守るシャイニングナイフを横目に、あたしは深く深く溜め息を吐いた。
広義においては、信頼できる仲間達と一緒に過ごせる状態を幸福と言うこともあるらしい。だが、今のブライダンがあたしにとってそうであるのかと問われれば、それは違う。
あたしは、明確にクオンを嫌っている。それに、リボンのことは嫌いとまではいかずとも好きになれない。そんな二人がいる中で、今のブライダンの面子をみんな好きだと言うことは出来ないのだ。
あたしが面倒くさい奴であることは、あたし自身がよく知っている。ファイヤキャンドル、シャイニングナイフ、スイートケークはあたしと違って精神的に落ち着いていたり、仲間のことについて割り切ることができている。
「…柚葉ちゃん?顔色が悪いわよ?」
「…別に…」
スイートケークに適当な返事をすると、祭壇の埃を払い終えたお姉様が「柚葉」とこちらに近付いてきた。一歩足を踏み出してこちらに近付いて来る度に、動悸がする。苦しい。吐きそう。フラフラする。
「どうして…リボンちゃんと仲良くできないのですか?」
「…いえ、そんなつもりは…」
「あなたをよく見ている私にはわかります」
お姉様が、あたしを見ている?そんなの…嘘だ。誤解だ。お姉様は、あたしのことなんてもう見ていない。陸王とリボン。どれだけあたしに優しい言葉をかけてくださろうとも、それは「慈愛のブーケ」の「慈愛」でしかないのだ。
「クオンさんを嫌うのは、その…分からなくもありませんが…リボンちゃんは純粋です。あなたのことも、慕っているじゃないですか」
「…はい…」
「仲良くしてほしいんです。柚葉に、私以外に心を開くことができる仲間がいると私は安心します」
「はい…」
「わかってください。あなたの幸福を願っているんです」
そう言われた瞬間。胸の中にある大事な宝石に、ヒビが入ったような気がした。
あたし自身もわからない、あたしの幸福。あたしを見ていないお姉様が願っているなんて…信じられない。そんなの、嘘だ。
今まで、絶対的な忠誠を誓い、慕ってきた。いや、今だってそうだ。でも、お姉様に対し疑念を抱いている自分がいる。お姉様は、何を見ている?何を考えている?
この人に見てもらえないと、世界中のどこを探しても自分はいないような気がする。…でも、それじゃあ駄目だ。あたしは、あたしのままで、歩いて行かないといけない。
「…申し訳ありません」
「いえ…すみません、私の方こそ言い方が強くなってしまいました。私は、柚葉も大事だから…幸せになってほしいと思っていることを、伝えたいんです」
「ありがとうございます…ブーケ様」
そう言うと、お姉様は目を丸くした。あたしは彼女の視線を振り払って、自室に歩いていく。
もうあたしが押し付けていた「お姉様」じゃない。リボンの「お姉ちゃん」だから、「お姉様」はもうおしまい。