お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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アイアイザーの隣に、カレンデウスが出現した。乗り手は勿論、お姉様。
「あなたのような人は陸王様が住む世界には相応しくない!力を貸して、カレンデウス!」
「”いざ掴め!ナンバーワーン!”」
「”ゴー!ゴー!ゴジュウジャー!”」
「違います!思い出した、これが私の真の愛。ブライダンテクニカル隊長、慈愛のブーケ。推しのためなら何でもできる!」
「”レディーゴー!”」
どこからか応援団の声とゴングが鳴り響く音が聞こえたのは気のせい…ではないらしい。まあ、お姉様も楽しそうで何よりだ。やっぱりあの人には、笑顔が一番似合う。
「推しだ?そんなものの何が愛だ!くだらない!」
「くだらなくても、自分の気持ちに嘘はつきたくない!」
銃撃を飛び上がって避け、お返しとばかりに銃弾の雨を降らせる。カレンデウスの射撃は正確で、全弾命中した。
「私は慈愛のブーケ!愛のためなら鬼にもなります!」
「よく言ったぜ!迷子の子猫ちゃん」
どこからかグーデバーンがやって来た。どうやら、あちらの内輪揉めは終わったらしい。…いや、まだ拗ねている。
カレンデウスと並んだグーデバーンにアイアイザーが立ち塞がる。だが、攻撃を仕掛ける前にグーデバーンが動いた。
「俺様鉄拳!ブリザードクラッシャー!」
「ポーラー!グーデフィニッシュ!」
拳が直撃し、アイアイザーから爆炎が上がる。だが、まだ倒れない。
「消えなさい。慈愛必殺、アフェクションダンス!」
カレンデウスに切り刻まれ、今度こそ爆散した。操られていただけのアイアイザーだって被害者の一人だ。最期があんな乗り手と一緒だなんて、あまりにも可哀想過ぎる。
「…ケリはつけましたよ」
それにしても──ああ、お姉様カッコいい!美しい動き!情熱的な口上!最後の決め台詞まですべてが完璧!こんなに完璧で究極な人、他に知らない!
「……ねえファイヤキャンドル」
「おう、なんだ?」
「あたし、やっぱりお姉様のこと大好きみたい」
「…じゃあ、あんまブーケ嬢困らせんなよ?柚葉嬢いなくなったとき、ブーケ嬢めっちゃ探してたんだからな」
「…うん」
*
アイアイザーが爆散したあたりを見渡す。大通りにはいない。なら、裏路地か。
人がいなさそうな裏路地を脳内であぶり出し、向かってみる。ビンゴだった。
「見つけた」
ボロボロのスーツを着た人間の男。アイアイザーに乗り込めたということはお姉様を攫った、指輪の戦士張本人。いや、既に指輪は奪われているからただの人間か。
「…!?お前は…!」
「口を開くな」
空間から鎌を取り出し、一振りする。ネクタイが真っ二つになった。
腰を抜かして地面を這う這うの体で逃げ惑う。虫みたいだ。醜悪で矮小な、取るに足らないちっぽけな小虫。
「逃げるな」
鎌を振るう。地面に刺さる。どれだけ傷付けようとも刃先はこぼれない。だから、多少雑に扱っても問題ない。
「ッ…もう戦いの決着はついた!それに私は指輪を持ってない!私を倒すメリットは存在しない筈だ!」
「あるよ、メリット」
「は…」
「あたしがスッキリする」
刃を振りかざした。ちょこまかと逃げるから中々切れない。掠った髪がはらはらと散る。
「あたしは別に、他の同僚と違って人間が嫌いとかはない。でも、」
逃げ道はもう無い。行き止まりまで追い込んだ。これ以上進めないことを悟って青い顔をした男が、無様な顔を晒す。
「お前は別。お姉様を穢せば、確定フルボッコ」
鎌を振り下ろした。頬を刃が掠め、あたし達と何ら変わらない血が流れる。刃先が血液で汚れた。
「……これが、今のあたしのフルボッコ。まだ指輪を持ってたら、確実に殺そうと思ってたけど…お前みたいな人間の血、吸いたくないってこの子が言うから」
鎌を直し、マヌケ面の額にデコピンを叩き込んでやった。恐怖の絶頂に達したのか男は気絶し、後ろに倒れる。
「…はあ、スッキリした」
*
女王様に謝りつつも自分の愛を貫いたお姉様は、無事に許された。
「その真っ直ぐな愛…やはりお前は慈愛のブーケだ」
「はい…!女王様…!」
「なんと寛大な…!流石女王様!」
「あ~んブーケちゃんも柚葉ちゃんも、戻って来てよかった!」
どうやら、私も立派な家出として認識されていたらしい。それについてはお咎めなしだったので、女王様の寛大なご処置に感謝しておこう。
「ところでブーケ嬢、なんでゴジュウポーラーと一緒にいたんだ?」
「…誰かと誰かを繋ぐ。あの人なら知っているような気がしたんです、私が忘れた愛を」
「本当かぁ?…なんだ?これ」
「あ…お姉様、お洋服にゴミが…」
「”請求書 3億円”!?」
「!?前言撤回!ゴッドネス熊手、やっぱりあいつはただの金の亡者です!次会った時は覚悟しておけー!!」
壁に向かって絶叫するお姉様。成る程、熊手も悪い奴ではないのかと思ったがどうやら違ったらしい。法外な料金を請求しておいて、何が神だ。ただのぼったくりじゃないか。
あたしは元通りになった振袖の袂からハンカチを取り出した。白いマーガレットの隣には、可愛らしい白い薔薇の刺繍が新たに施されていた。
「あなたのような人は陸王様が住む世界には相応しくない!力を貸して、カレンデウス!」
「”いざ掴め!ナンバーワーン!”」
「”ゴー!ゴー!ゴジュウジャー!”」
「違います!思い出した、これが私の真の愛。ブライダンテクニカル隊長、慈愛のブーケ。推しのためなら何でもできる!」
「”レディーゴー!”」
どこからか応援団の声とゴングが鳴り響く音が聞こえたのは気のせい…ではないらしい。まあ、お姉様も楽しそうで何よりだ。やっぱりあの人には、笑顔が一番似合う。
「推しだ?そんなものの何が愛だ!くだらない!」
「くだらなくても、自分の気持ちに嘘はつきたくない!」
銃撃を飛び上がって避け、お返しとばかりに銃弾の雨を降らせる。カレンデウスの射撃は正確で、全弾命中した。
「私は慈愛のブーケ!愛のためなら鬼にもなります!」
「よく言ったぜ!迷子の子猫ちゃん」
どこからかグーデバーンがやって来た。どうやら、あちらの内輪揉めは終わったらしい。…いや、まだ拗ねている。
カレンデウスと並んだグーデバーンにアイアイザーが立ち塞がる。だが、攻撃を仕掛ける前にグーデバーンが動いた。
「俺様鉄拳!ブリザードクラッシャー!」
「ポーラー!グーデフィニッシュ!」
拳が直撃し、アイアイザーから爆炎が上がる。だが、まだ倒れない。
「消えなさい。慈愛必殺、アフェクションダンス!」
カレンデウスに切り刻まれ、今度こそ爆散した。操られていただけのアイアイザーだって被害者の一人だ。最期があんな乗り手と一緒だなんて、あまりにも可哀想過ぎる。
「…ケリはつけましたよ」
それにしても──ああ、お姉様カッコいい!美しい動き!情熱的な口上!最後の決め台詞まですべてが完璧!こんなに完璧で究極な人、他に知らない!
「……ねえファイヤキャンドル」
「おう、なんだ?」
「あたし、やっぱりお姉様のこと大好きみたい」
「…じゃあ、あんまブーケ嬢困らせんなよ?柚葉嬢いなくなったとき、ブーケ嬢めっちゃ探してたんだからな」
「…うん」
*
アイアイザーが爆散したあたりを見渡す。大通りにはいない。なら、裏路地か。
人がいなさそうな裏路地を脳内であぶり出し、向かってみる。ビンゴだった。
「見つけた」
ボロボロのスーツを着た人間の男。アイアイザーに乗り込めたということはお姉様を攫った、指輪の戦士張本人。いや、既に指輪は奪われているからただの人間か。
「…!?お前は…!」
「口を開くな」
空間から鎌を取り出し、一振りする。ネクタイが真っ二つになった。
腰を抜かして地面を這う這うの体で逃げ惑う。虫みたいだ。醜悪で矮小な、取るに足らないちっぽけな小虫。
「逃げるな」
鎌を振るう。地面に刺さる。どれだけ傷付けようとも刃先はこぼれない。だから、多少雑に扱っても問題ない。
「ッ…もう戦いの決着はついた!それに私は指輪を持ってない!私を倒すメリットは存在しない筈だ!」
「あるよ、メリット」
「は…」
「あたしがスッキリする」
刃を振りかざした。ちょこまかと逃げるから中々切れない。掠った髪がはらはらと散る。
「あたしは別に、他の同僚と違って人間が嫌いとかはない。でも、」
逃げ道はもう無い。行き止まりまで追い込んだ。これ以上進めないことを悟って青い顔をした男が、無様な顔を晒す。
「お前は別。お姉様を穢せば、確定フルボッコ」
鎌を振り下ろした。頬を刃が掠め、あたし達と何ら変わらない血が流れる。刃先が血液で汚れた。
「……これが、今のあたしのフルボッコ。まだ指輪を持ってたら、確実に殺そうと思ってたけど…お前みたいな人間の血、吸いたくないってこの子が言うから」
鎌を直し、マヌケ面の額にデコピンを叩き込んでやった。恐怖の絶頂に達したのか男は気絶し、後ろに倒れる。
「…はあ、スッキリした」
*
女王様に謝りつつも自分の愛を貫いたお姉様は、無事に許された。
「その真っ直ぐな愛…やはりお前は慈愛のブーケだ」
「はい…!女王様…!」
「なんと寛大な…!流石女王様!」
「あ~んブーケちゃんも柚葉ちゃんも、戻って来てよかった!」
どうやら、私も立派な家出として認識されていたらしい。それについてはお咎めなしだったので、女王様の寛大なご処置に感謝しておこう。
「ところでブーケ嬢、なんでゴジュウポーラーと一緒にいたんだ?」
「…誰かと誰かを繋ぐ。あの人なら知っているような気がしたんです、私が忘れた愛を」
「本当かぁ?…なんだ?これ」
「あ…お姉様、お洋服にゴミが…」
「”請求書 3億円”!?」
「!?前言撤回!ゴッドネス熊手、やっぱりあいつはただの金の亡者です!次会った時は覚悟しておけー!!」
壁に向かって絶叫するお姉様。成る程、熊手も悪い奴ではないのかと思ったがどうやら違ったらしい。法外な料金を請求しておいて、何が神だ。ただのぼったくりじゃないか。
あたしは元通りになった振袖の袂からハンカチを取り出した。白いマーガレットの隣には、可愛らしい白い薔薇の刺繍が新たに施されていた。