お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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「おい!ブーケ嬢!おい!やめろ!」
「お姉様!おやめください!」
二人で押さえにかかるが、ナイフを振るうお姉様の動きは流麗だった。見惚れる程美しかった。そのナイフであたしの振袖を切り刻み、太ももを切りつける。タイツが破れ、肌が露出して血が流れた。
ファイヤキャンドルがとうとう押さえ込まれ、地面に倒されて腹を踏みにじられた。真顔でヒールで彼の腹を踏みしめる。苦痛に顔を歪ませ、絶叫しながらも彼は言葉を紡いだ。
「ブーケ嬢…聞いたぜ。女王と喧嘩した理由!俺も人間は嫌いだ。女王が正しい!でも…ブーケ嬢は自分の心にいつも正直で、それがすげえんだ!」
ファイヤキャンドルがそう言ってお姉様の足を掴むと、お姉様は踏みしめるのをやめた。
「何をしている?そいつにとどめを刺せ!」
カレンデショットを取り出す。その瞬間、はらりと何かが地面に落ちた。それを拾い上げ、ファイヤキャンドルはお姉様に見せつける。──百夜陸王の、写真だった。
「俺達のことは忘れても、こいつは覚えてんだろ!?」
カレンデショットの銃口を向けたまま、動きを止める。無言で、写真を見つめ続ける。…あのお姉様が、陸王の写真を見て平静でいるなんて有り得ない。
「ブーケ嬢は変わったよ。こいつに夢中になってから周りも見ずに突っ走って…。でも、それが愛ってやつなんだろ!?」
「お姉様は変わられた…。でも、変わったお姉様も美しかった!陸王を追いかけるあなたは、いつも楽しそうだった!」
「思い出せよ!お前の愛を!」
「「慈愛の、ブーケ!」」
「……愛……」
お姉様がそう呟く。だが、思い出すのを阻むように男が陸王の写真を取り上げた。
「そう。その名前だ。データを調べていて一つだけ気に入らないところがあった。お前の名前だ!慈愛の、ブーケ?何が慈愛だ。被造物に過ぎないAI生命の分際で。しかも、アイドルが好き?」
「ッ、黙れええええ!お前風情がお姉様を否定するな!お姉様がアイドルを好きで何が悪い!誰かを愛して、何が悪い!?」
「黙れ。…笑わせるな」
陸王の写真が、真っ二つに破られた。破られた写真は床に落ち、それでも写真の中の陸王はファンに見せる表情を保ち続けている。
それが、踏みにじられる。革靴が、写真を踏みしめる。
頭がぐちゃぐちゃになりそうだった。陸王は嫌い。大嫌い。でも、でも!陸王を追いかけて、前に進むお姉様は眩しい。そんなお姉様の宝物を、この男は簡単に壊した。
「…よくも…」
「え…?」
「よくも…私の愛する陸王様を──ッ!!」
絶叫したお姉様が、男の胸倉を掴んだ。
「フルフルボッコ、確定──!!」
そのまま右手を振りかぶり、強烈なパンチを食らわせる。渾身のパンチを食らった男は、床に倒れた。
「へへッ…いつものブーケ嬢だ!」
「お姉様…良かった…!」
「バカな…!こんなこと有り得ない!」
「フッ!!」
カレンデショットがデスクごとパソコンを破壊する。するとモニターの接続が切れたのか画面が真っ暗になり、人間が見えなくなった。
お姉様は立ち上がった男に即座に銃口を向けた。
「人形のくせに…理解できないな」
「待ちやがれ!うっ…!」
「ファイヤキャンドルさん!」
「ファイヤキャンドル!」
逃がすまいと男を捕まえようとしたが、今にも千切れそうな袖が邪魔だった。それに、ファイヤキャンドルが既に満身創痍だった。
「俺達のこと…思い出してくれたのか?」
「声…聞こえました。ありがとう…」
あたしはそこでようやく、自分がお姉様と喧嘩別れするような形で城を出て来たことを思い出した。今すぐにでもお姉様に駆け寄りたかったが、合わせる顔がなかった。少し距離をとって、床に視線を落とす。
「柚葉」
「はっ…はい…」
お姉様がこちらにやって来る。近付いて来る。
お姉様はあたしの手をとると、そっと手のひらにハンカチを乗せた。
「…ハンカチ。返し忘れてましたね」
「…お姉様…」
「…私が、誰かを愛すること…肯定してくれて、嬉しかった」
「あ…あたし、いつも自分勝手で…お姉様に迷惑かけて…!」
「私達、似てますね」
「え…?」
「誰かを愛すると、盲目的になるみたいです」
ふふ、と微笑んでお姉様はあたしを抱き寄せた。頭を撫でる手は、優しい。
「あなたは、私の大切な仲間です。これも、愛です」
「…あたしは、お姉様を…一人の存在として、愛しています。だからあたしは…幸福を、あなたに届けます」
こつん、と額が合わさる。晴れ晴れとした表情のお姉様と目が合い、二人で笑い合った。
「おい…良い雰囲気のとこ悪いけどよ、何か外変だぞ…!」
慌てて窓の方に駆け寄る。出現したアイアイザーが勝手にコントロールされていた。
「あの野郎、勝手にアイアイザーを…!」
「こうなったのは私のせいです。私がケリをつけます!」
「お姉様!おやめください!」
二人で押さえにかかるが、ナイフを振るうお姉様の動きは流麗だった。見惚れる程美しかった。そのナイフであたしの振袖を切り刻み、太ももを切りつける。タイツが破れ、肌が露出して血が流れた。
ファイヤキャンドルがとうとう押さえ込まれ、地面に倒されて腹を踏みにじられた。真顔でヒールで彼の腹を踏みしめる。苦痛に顔を歪ませ、絶叫しながらも彼は言葉を紡いだ。
「ブーケ嬢…聞いたぜ。女王と喧嘩した理由!俺も人間は嫌いだ。女王が正しい!でも…ブーケ嬢は自分の心にいつも正直で、それがすげえんだ!」
ファイヤキャンドルがそう言ってお姉様の足を掴むと、お姉様は踏みしめるのをやめた。
「何をしている?そいつにとどめを刺せ!」
カレンデショットを取り出す。その瞬間、はらりと何かが地面に落ちた。それを拾い上げ、ファイヤキャンドルはお姉様に見せつける。──百夜陸王の、写真だった。
「俺達のことは忘れても、こいつは覚えてんだろ!?」
カレンデショットの銃口を向けたまま、動きを止める。無言で、写真を見つめ続ける。…あのお姉様が、陸王の写真を見て平静でいるなんて有り得ない。
「ブーケ嬢は変わったよ。こいつに夢中になってから周りも見ずに突っ走って…。でも、それが愛ってやつなんだろ!?」
「お姉様は変わられた…。でも、変わったお姉様も美しかった!陸王を追いかけるあなたは、いつも楽しそうだった!」
「思い出せよ!お前の愛を!」
「「慈愛の、ブーケ!」」
「……愛……」
お姉様がそう呟く。だが、思い出すのを阻むように男が陸王の写真を取り上げた。
「そう。その名前だ。データを調べていて一つだけ気に入らないところがあった。お前の名前だ!慈愛の、ブーケ?何が慈愛だ。被造物に過ぎないAI生命の分際で。しかも、アイドルが好き?」
「ッ、黙れええええ!お前風情がお姉様を否定するな!お姉様がアイドルを好きで何が悪い!誰かを愛して、何が悪い!?」
「黙れ。…笑わせるな」
陸王の写真が、真っ二つに破られた。破られた写真は床に落ち、それでも写真の中の陸王はファンに見せる表情を保ち続けている。
それが、踏みにじられる。革靴が、写真を踏みしめる。
頭がぐちゃぐちゃになりそうだった。陸王は嫌い。大嫌い。でも、でも!陸王を追いかけて、前に進むお姉様は眩しい。そんなお姉様の宝物を、この男は簡単に壊した。
「…よくも…」
「え…?」
「よくも…私の愛する陸王様を──ッ!!」
絶叫したお姉様が、男の胸倉を掴んだ。
「フルフルボッコ、確定──!!」
そのまま右手を振りかぶり、強烈なパンチを食らわせる。渾身のパンチを食らった男は、床に倒れた。
「へへッ…いつものブーケ嬢だ!」
「お姉様…良かった…!」
「バカな…!こんなこと有り得ない!」
「フッ!!」
カレンデショットがデスクごとパソコンを破壊する。するとモニターの接続が切れたのか画面が真っ暗になり、人間が見えなくなった。
お姉様は立ち上がった男に即座に銃口を向けた。
「人形のくせに…理解できないな」
「待ちやがれ!うっ…!」
「ファイヤキャンドルさん!」
「ファイヤキャンドル!」
逃がすまいと男を捕まえようとしたが、今にも千切れそうな袖が邪魔だった。それに、ファイヤキャンドルが既に満身創痍だった。
「俺達のこと…思い出してくれたのか?」
「声…聞こえました。ありがとう…」
あたしはそこでようやく、自分がお姉様と喧嘩別れするような形で城を出て来たことを思い出した。今すぐにでもお姉様に駆け寄りたかったが、合わせる顔がなかった。少し距離をとって、床に視線を落とす。
「柚葉」
「はっ…はい…」
お姉様がこちらにやって来る。近付いて来る。
お姉様はあたしの手をとると、そっと手のひらにハンカチを乗せた。
「…ハンカチ。返し忘れてましたね」
「…お姉様…」
「…私が、誰かを愛すること…肯定してくれて、嬉しかった」
「あ…あたし、いつも自分勝手で…お姉様に迷惑かけて…!」
「私達、似てますね」
「え…?」
「誰かを愛すると、盲目的になるみたいです」
ふふ、と微笑んでお姉様はあたしを抱き寄せた。頭を撫でる手は、優しい。
「あなたは、私の大切な仲間です。これも、愛です」
「…あたしは、お姉様を…一人の存在として、愛しています。だからあたしは…幸福を、あなたに届けます」
こつん、と額が合わさる。晴れ晴れとした表情のお姉様と目が合い、二人で笑い合った。
「おい…良い雰囲気のとこ悪いけどよ、何か外変だぞ…!」
慌てて窓の方に駆け寄る。出現したアイアイザーが勝手にコントロールされていた。
「あの野郎、勝手にアイアイザーを…!」
「こうなったのは私のせいです。私がケリをつけます!」