お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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あれから、数日城には戻っていない。勿論お姉様とも顔を合わせてはいない。
ショックだった。自分がお姉様にとって、迷惑な存在になりつつあるということが。その原因が、お姉様との出会いにあるということも。
あたしはあの人に出会って変わった。あたしの人生ってヤツは、間違いなくお姉様と出会うことで始まったのに。なのに、なのに。…お姉様と出会って生まれた”あたし”は、お姉様にとって迷惑なもの。
どうしたら、いい?…女王様に言って、作り直してもらう?もう一度、ゼロから。”幸福の柚葉”という存在を、最初から作り直してもらう。まあ、それも悪くはない…のかもしれない。
ふらふら路地裏を歩いていると、転がっていた空き缶に躓いてしまった。派手に転び、振袖が汚れる。
「…お姉様……」
ポロポロと、涙が目から出て来た。溢れて、止まらない。袂を探ったが、ハンカチがない。…そういえば、お姉様に渡したままだった。
「柚葉嬢!」
「!ファイヤキャンドル……」
慌てて裾で涙を拭う。…シミが出来てしまった。
「なあ、ブーケ嬢見てねえか!?」
「え、お姉様!?な、何かあったの…?」
「女王と喧嘩しちまったらしい。それで城を出て行っちまって…」
「えっ…!?」
お姉様が、女王様と喧嘩!?有り得ない。どうして、そんなこと…。
「とにかく一緒に探してくれ!ブーケ嬢探すのは俺より柚葉嬢の方が得意だろ!?」
「…わかった。任せて!」
あたしは胸を叩き、ファイヤキャンドルを置いて走り出した。
どこにいるの、お姉様。あたしの大事な人。
*
「ピンク髪で角が生えた女の子?…ああそういえば、確か熊手さんと歩いてたな」
「!その人はどこに行ったの!?」
「あっちの中華屋に向かって行ったよ」
「ありがとう!」
通行人に礼を言い、ファイヤキャンドルと共に指し示された方向へと走る。この辺の地理データはダウンロード済みだ。町中華の店なら、確か路地を曲がったところにある筈。
──いた。ゴジュウポーラー…熊手と、お姉様。人間達もいる。
「お姉様!」
「ブーケ嬢!やっと見つけたぜ。女王と喧嘩したんだって?大した奴だよ」
「すみません…どちら様ですか?」
お姉様は困ったような顔でそう言った。ファイヤキャンドルはニカッと笑い、お姉様を刺激しないように少ししゃがんで話し続ける。
「心配すんなって!俺達も一緒に謝ってやるから。な?」
「お姉様。あたしはいつでも、ずっとあなたの味方です。戻りましょう」
「ブーケ嬢、ほら」
ファイヤキャンドルがお姉様の手を掴み、強引に引っ張った。その触れ方は何だと問い詰めようとしたとき──「嫌だ!離して!」とお姉様が彼の腕を振り払って熊手の方に走って逃げる。
「マジでどうした!?」
「…お姉様?」
「本当に俺達のことがわかんねえのか…?」
すると、熊手が前に出てファイヤキャンドルを威圧してきた。
「どけ。てめえには関係ねえだろ」
「乗りかかった船だ。こいつの世直しは俺が引き受ける」
「君、お姉様とどういう関係──」
「ふざけんな。ブーケ嬢は腕ずくでも連れて帰る」
熊手を手で押し返したファイヤキャンドルが「来い!キングキャンデラ―!」と叫んだ。整備が終わったキングキャンデラーが人間界に出現し、ファイヤキャンドルは即座に乗り込む。
「勝負だ熊野郎!」
「グーデバーン!」
「”アウェイキング”!」
人間達が慌てて逃げる。グーデバーンに乗り込んだ熊手だったが、何だか上で揉め始めた。どうやらグーデバーンが拗ねているらしい。ファイヤキャンドルがそれを嘲笑するが、お姉様は心配そうに見上げている。
「私の為に争ってるの?…私って、罪深い女なの?」
「!!お姉様の美しさは罪かもしれませんがそれはあくまでも比喩でしかなく」
言い切る前に、後ろから現れた指輪の戦士にお姉様が羽交い絞めにされた。
「ならその罪を償わせてあげよう」
「ッ、お前!!誰に手出してると思ってッ、」
「私の邪魔をするな」
指輪の戦士は手からミサイルのようなものを出した。それをバックステップで回避した隙に、お姉様が連れて行かれる。
「嫌ーーーーッ!!」
「お姉様ッ!!!」
手を伸ばしたが、遅かった。
お姉様は悲鳴を上げて、そのまま連れ去られてしまった。あたしの手は、届かなかった。
何もできなかった。指輪の戦士に気付くこともできず、お姉様を奪われた。
ショックだった。自分がお姉様にとって、迷惑な存在になりつつあるということが。その原因が、お姉様との出会いにあるということも。
あたしはあの人に出会って変わった。あたしの人生ってヤツは、間違いなくお姉様と出会うことで始まったのに。なのに、なのに。…お姉様と出会って生まれた”あたし”は、お姉様にとって迷惑なもの。
どうしたら、いい?…女王様に言って、作り直してもらう?もう一度、ゼロから。”幸福の柚葉”という存在を、最初から作り直してもらう。まあ、それも悪くはない…のかもしれない。
ふらふら路地裏を歩いていると、転がっていた空き缶に躓いてしまった。派手に転び、振袖が汚れる。
「…お姉様……」
ポロポロと、涙が目から出て来た。溢れて、止まらない。袂を探ったが、ハンカチがない。…そういえば、お姉様に渡したままだった。
「柚葉嬢!」
「!ファイヤキャンドル……」
慌てて裾で涙を拭う。…シミが出来てしまった。
「なあ、ブーケ嬢見てねえか!?」
「え、お姉様!?な、何かあったの…?」
「女王と喧嘩しちまったらしい。それで城を出て行っちまって…」
「えっ…!?」
お姉様が、女王様と喧嘩!?有り得ない。どうして、そんなこと…。
「とにかく一緒に探してくれ!ブーケ嬢探すのは俺より柚葉嬢の方が得意だろ!?」
「…わかった。任せて!」
あたしは胸を叩き、ファイヤキャンドルを置いて走り出した。
どこにいるの、お姉様。あたしの大事な人。
*
「ピンク髪で角が生えた女の子?…ああそういえば、確か熊手さんと歩いてたな」
「!その人はどこに行ったの!?」
「あっちの中華屋に向かって行ったよ」
「ありがとう!」
通行人に礼を言い、ファイヤキャンドルと共に指し示された方向へと走る。この辺の地理データはダウンロード済みだ。町中華の店なら、確か路地を曲がったところにある筈。
──いた。ゴジュウポーラー…熊手と、お姉様。人間達もいる。
「お姉様!」
「ブーケ嬢!やっと見つけたぜ。女王と喧嘩したんだって?大した奴だよ」
「すみません…どちら様ですか?」
お姉様は困ったような顔でそう言った。ファイヤキャンドルはニカッと笑い、お姉様を刺激しないように少ししゃがんで話し続ける。
「心配すんなって!俺達も一緒に謝ってやるから。な?」
「お姉様。あたしはいつでも、ずっとあなたの味方です。戻りましょう」
「ブーケ嬢、ほら」
ファイヤキャンドルがお姉様の手を掴み、強引に引っ張った。その触れ方は何だと問い詰めようとしたとき──「嫌だ!離して!」とお姉様が彼の腕を振り払って熊手の方に走って逃げる。
「マジでどうした!?」
「…お姉様?」
「本当に俺達のことがわかんねえのか…?」
すると、熊手が前に出てファイヤキャンドルを威圧してきた。
「どけ。てめえには関係ねえだろ」
「乗りかかった船だ。こいつの世直しは俺が引き受ける」
「君、お姉様とどういう関係──」
「ふざけんな。ブーケ嬢は腕ずくでも連れて帰る」
熊手を手で押し返したファイヤキャンドルが「来い!キングキャンデラ―!」と叫んだ。整備が終わったキングキャンデラーが人間界に出現し、ファイヤキャンドルは即座に乗り込む。
「勝負だ熊野郎!」
「グーデバーン!」
「”アウェイキング”!」
人間達が慌てて逃げる。グーデバーンに乗り込んだ熊手だったが、何だか上で揉め始めた。どうやらグーデバーンが拗ねているらしい。ファイヤキャンドルがそれを嘲笑するが、お姉様は心配そうに見上げている。
「私の為に争ってるの?…私って、罪深い女なの?」
「!!お姉様の美しさは罪かもしれませんがそれはあくまでも比喩でしかなく」
言い切る前に、後ろから現れた指輪の戦士にお姉様が羽交い絞めにされた。
「ならその罪を償わせてあげよう」
「ッ、お前!!誰に手出してると思ってッ、」
「私の邪魔をするな」
指輪の戦士は手からミサイルのようなものを出した。それをバックステップで回避した隙に、お姉様が連れて行かれる。
「嫌ーーーーッ!!」
「お姉様ッ!!!」
手を伸ばしたが、遅かった。
お姉様は悲鳴を上げて、そのまま連れ去られてしまった。あたしの手は、届かなかった。
何もできなかった。指輪の戦士に気付くこともできず、お姉様を奪われた。