お姉様ナンバーワン!【50・ブーケ】
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指輪を探しに、今日は一人で人間界に来ていた。相変わらず騒がしい世界だ。
神社の境内を回りながら、指輪を持っている戦士はいないか探し回る。ついでに、どこかの植木にでも引っ掛かっている可能性も考慮する。
「…ん?」
「吠とこうして歩くの久しぶりだね」
「ああ」
ゴジュウウルフがいた。しかも女を連れている。──あれは所謂、「デート」というものなんじゃないか!?
「ねえねえ!私これやりたい!」
女はバドミントンのセットを持ってにっこり微笑む。ウルフよりも年上の人間だった。白い服を着ており、正直ウルフには勿体ない程の整った容姿をしている。
女とウルフは境内でバドミントンに興じ始める。はい、ほい、とラリーを続けている二人に近付く影が一人。
「ヘイ!若人達!ここからはパーリー式バトミントンの時間だ」
先日会ったばかりのイーグルだ。格好は何故か昭和コメディアンのように派手だが。
「僕と対決してシャトルを落としたらこの超激辛サイダーを飲んでもらうって感じっこ!」
「禽次郎何で…」
「ほい!」
「うおっ」
「ウエーイ!僕の勝ち!」
不意打ちでシャトルを打った、というかぶつけたイーグルは勝利を宣言する。当然ウルフが納得するはずもなく、食ってかかるが先程の超激辛サイダーを押し付けられていた。
「はい吠っち!グイッといっちゃって!」
スン、とまずにおいを嗅いでみる。するとあまりのにおいにウルフは悶絶し、噎せた。しかしそんなことを気にせず、女は「頑張って」と彼を鼓舞する。
「あ、ああ…」
グイグイと一気にサイダーを飲み干していくウルフ。みるみるうちに首から顔にかけて真っ赤になっていき、文字通り火を噴いた。顔が真っ赤である。
「…結構いけるぜ!」
…あれは所謂、「かっこつけ」なのだろう。そうか、ウルフにはそういう相手がいたのか。
その後も続くウルフのデート模様をこっそりのぞき見し続けた。いや、これは敵情視察だ。決して、デートできる相手がいて羨ましいとか、微笑ましいとか、そんなことは一切思っていない。
デートにはちょくちょくゴジュウジャーからの邪魔が入った。流石に鬱陶しくなったのかウルフは女を連れて─しかも手を握って─逃げ出してしまった。勿論追跡させてもらうが。
*
二人が行き着いたのは海辺だった。海辺で弁当を食べる様子はまさにカップルと言って良い程仲睦まじく、幸せそうである。
女は立ち上がった。何かを言っているが、波の音で聞こえ辛い。最初の一言は聞き取れなかったが、両手を耳の後ろに立てるとようやく聞こえてきた。
「私ね…吠のことが…」
銃声。
銃弾が、女の体を、貫いた。
「ッ!?」
ど真ん中だ。「嶺さん!!」と叫んで駆け寄るウルフ。誰だ。誰が、彼女を撃った!?
「死人とのデートはどうだった?吠」
ガリュードが、海辺まで来ていた。銃口を女に向けていたが、下げた。それはつまり、「目標」を「撃った」から下ろしたのか。
「クオン…てめえが…!」
「クオン……アイツ…!!」
何故か白い乗り手までやって来た。いや、今はそんなことどうでもいい。
あたしは、人間なんてどうでもいい。精々慎ましく暮らしておけばいいんじゃないか、くらいの認識しかない。
でも、あたしは生物の「愛」にはひどく弱い。ウルフの感情も、女の微笑も、真の愛だった。あたしには分かる。だってあたしは、お姉様に愛を教えてもらったから。
「そいつはとっくにノーワンにのみ込まれ出て来られないまま息絶えた。お前に会わせたくて仮初の命を与えてみたけど…また守れなかったみたいだね」
気が付けば、ゴジュウジャーの面子が揃っていた。ガリュードに向かっていき、一斉に奴を仕留めにかかる。
ウルフは、撃ち抜かれた女を抱いていた。
「嶺さん!しっかりしろ!」
呼びかけるが、女は何かを話した後光の粒子になって消えてしまった。死人が、この世に居続けられることはできない。
「人の恋路を利用するとはとんだ野暮天だ。どうする?二代目。このゴッドネス熊手にのれば、俺様があの野郎をぶっ飛ばしてやっても…」
最期まで繋いでいた指を腑抜けになったかのように見ていたウルフは、見るのをやめた。目を見開き、弁当まで駆け寄る。そして、残されたおにぎりやおかず達を全て無心で食べていった。彼女の、手作りの弁当を、一人で平らげた。
「アオオオオオーン!!」
咆哮。そして白い乗り手、いや、熊手に振り返る。
「俺は神には祈らねえ!誰の指図も受けねえ!何度負けたって、何度失ったって、この手で欲しいモン掴み取る」
熊手が持っていた瓶をむしり取り、それも一気飲みした。流石にそれは想定外だったのか、熊手も焦っていた。よく見ると瓶ではなくチューブだ。…蜂蜜?
「それが俺!遠野吠だ!二代目でも何でもねえ!気に入らねえ奴は自分でぶん殴る!拳が砕けりゃ頭突き食らわす!それでも駄目なら噛み付くぜ!」
ごちそうさーん!と叫び、彼は戦場へと走り出した。
あたしは久々に、お姉様以外の存在の言葉で、心が震えていた。
今日は特別だ。クオンへの今までの恨み晴らしと今回の件に関する個人的制裁をしてやりたいところだが、その役目はウルフに譲ってやる。
だが、まあ──戦ってやらなくもない。たまには運動も、必要だ。
神社の境内を回りながら、指輪を持っている戦士はいないか探し回る。ついでに、どこかの植木にでも引っ掛かっている可能性も考慮する。
「…ん?」
「吠とこうして歩くの久しぶりだね」
「ああ」
ゴジュウウルフがいた。しかも女を連れている。──あれは所謂、「デート」というものなんじゃないか!?
「ねえねえ!私これやりたい!」
女はバドミントンのセットを持ってにっこり微笑む。ウルフよりも年上の人間だった。白い服を着ており、正直ウルフには勿体ない程の整った容姿をしている。
女とウルフは境内でバドミントンに興じ始める。はい、ほい、とラリーを続けている二人に近付く影が一人。
「ヘイ!若人達!ここからはパーリー式バトミントンの時間だ」
先日会ったばかりのイーグルだ。格好は何故か昭和コメディアンのように派手だが。
「僕と対決してシャトルを落としたらこの超激辛サイダーを飲んでもらうって感じっこ!」
「禽次郎何で…」
「ほい!」
「うおっ」
「ウエーイ!僕の勝ち!」
不意打ちでシャトルを打った、というかぶつけたイーグルは勝利を宣言する。当然ウルフが納得するはずもなく、食ってかかるが先程の超激辛サイダーを押し付けられていた。
「はい吠っち!グイッといっちゃって!」
スン、とまずにおいを嗅いでみる。するとあまりのにおいにウルフは悶絶し、噎せた。しかしそんなことを気にせず、女は「頑張って」と彼を鼓舞する。
「あ、ああ…」
グイグイと一気にサイダーを飲み干していくウルフ。みるみるうちに首から顔にかけて真っ赤になっていき、文字通り火を噴いた。顔が真っ赤である。
「…結構いけるぜ!」
…あれは所謂、「かっこつけ」なのだろう。そうか、ウルフにはそういう相手がいたのか。
その後も続くウルフのデート模様をこっそりのぞき見し続けた。いや、これは敵情視察だ。決して、デートできる相手がいて羨ましいとか、微笑ましいとか、そんなことは一切思っていない。
デートにはちょくちょくゴジュウジャーからの邪魔が入った。流石に鬱陶しくなったのかウルフは女を連れて─しかも手を握って─逃げ出してしまった。勿論追跡させてもらうが。
*
二人が行き着いたのは海辺だった。海辺で弁当を食べる様子はまさにカップルと言って良い程仲睦まじく、幸せそうである。
女は立ち上がった。何かを言っているが、波の音で聞こえ辛い。最初の一言は聞き取れなかったが、両手を耳の後ろに立てるとようやく聞こえてきた。
「私ね…吠のことが…」
銃声。
銃弾が、女の体を、貫いた。
「ッ!?」
ど真ん中だ。「嶺さん!!」と叫んで駆け寄るウルフ。誰だ。誰が、彼女を撃った!?
「死人とのデートはどうだった?吠」
ガリュードが、海辺まで来ていた。銃口を女に向けていたが、下げた。それはつまり、「目標」を「撃った」から下ろしたのか。
「クオン…てめえが…!」
「クオン……アイツ…!!」
何故か白い乗り手までやって来た。いや、今はそんなことどうでもいい。
あたしは、人間なんてどうでもいい。精々慎ましく暮らしておけばいいんじゃないか、くらいの認識しかない。
でも、あたしは生物の「愛」にはひどく弱い。ウルフの感情も、女の微笑も、真の愛だった。あたしには分かる。だってあたしは、お姉様に愛を教えてもらったから。
「そいつはとっくにノーワンにのみ込まれ出て来られないまま息絶えた。お前に会わせたくて仮初の命を与えてみたけど…また守れなかったみたいだね」
気が付けば、ゴジュウジャーの面子が揃っていた。ガリュードに向かっていき、一斉に奴を仕留めにかかる。
ウルフは、撃ち抜かれた女を抱いていた。
「嶺さん!しっかりしろ!」
呼びかけるが、女は何かを話した後光の粒子になって消えてしまった。死人が、この世に居続けられることはできない。
「人の恋路を利用するとはとんだ野暮天だ。どうする?二代目。このゴッドネス熊手にのれば、俺様があの野郎をぶっ飛ばしてやっても…」
最期まで繋いでいた指を腑抜けになったかのように見ていたウルフは、見るのをやめた。目を見開き、弁当まで駆け寄る。そして、残されたおにぎりやおかず達を全て無心で食べていった。彼女の、手作りの弁当を、一人で平らげた。
「アオオオオオーン!!」
咆哮。そして白い乗り手、いや、熊手に振り返る。
「俺は神には祈らねえ!誰の指図も受けねえ!何度負けたって、何度失ったって、この手で欲しいモン掴み取る」
熊手が持っていた瓶をむしり取り、それも一気飲みした。流石にそれは想定外だったのか、熊手も焦っていた。よく見ると瓶ではなくチューブだ。…蜂蜜?
「それが俺!遠野吠だ!二代目でも何でもねえ!気に入らねえ奴は自分でぶん殴る!拳が砕けりゃ頭突き食らわす!それでも駄目なら噛み付くぜ!」
ごちそうさーん!と叫び、彼は戦場へと走り出した。
あたしは久々に、お姉様以外の存在の言葉で、心が震えていた。
今日は特別だ。クオンへの今までの恨み晴らしと今回の件に関する個人的制裁をしてやりたいところだが、その役目はウルフに譲ってやる。
だが、まあ──戦ってやらなくもない。たまには運動も、必要だ。