ヨシ!【爆上・玄蕃】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
柚葉が同じコーディネートをしているところを見たことがないことに気付いた玄蕃は、とある疑問を抱き始めていた。
「未来、少し聞きたいのだけれど良いかい?」
「?うん、どうしたの?」
「その…女の子は、どれくらい服を持っているものなんだい?」
質問を聞いて未来は怪訝な顔をした。そして「え…何…?」と若干引いたような声を出し、距離を取る。それを見ていた錠が「玄蕃さん、警察官としてある前に人としてセクハラ発言は見過ごせません」と未来と玄蕃の間に入る。
「す、すまない。そういうつもりではなかったんだが…」
「…まあ、最低でも一週間着まわすくらいは持ってると思うよ?」
「へえ…」
「え、何。本当に何…?玄蕃、ちょっと気持ち悪いんだけど…」
「いや、その…柚葉がね」
「柚葉?」
彼女の名前を出し、そういえば大也以外の面子は知り合いではなかったということを想い出した。情報屋のシャーシロなら知っているかもしれないが、今は大也、ブンドリオと何やら話し込んでいる。
大也が所有するキッチンカーでアイスクリームを売っていること、服装がいつも違っていること等を話すと、ようやく未来は納得したような顔で頷いた。
「成る程~。だからあんなこと聞いてきたんだ」
「良かったです。玄蕃さんが変な人じゃなくて…」
「いや、私も十分変な人の自覚はあるんだけどねぇ…」
「可愛いんだ、その子」
「え?」
パキ、と飴を噛み砕く音が基地に響いた。パチパチと瞬きをする玄蕃に「だって」と未来はニヤニヤした顔で見つめる。
「普通、興味がない女の子の服がいつも違うことになんて気づかないよ」
「い、いや…だからといって、私が彼女を可愛いと思っていることに繋がりはしないだろう?」
「ふぅん。じゃあ、可愛くないんだ?」
「……未来。その言い方は、ちょっと狡いんじゃないのかい」
玄蕃は飴を口内で細かく砕き、飲み込む。脳裏には茶髪をレイヤーカットにし、ウルフカット風に仕立てた女がアイスを持って微笑みかける姿が浮かんだ。
「………そりゃあ、可愛いよ」
分かりやすく未来が「わあ」と目を輝かせて反応した。錠はその意味がピンとこないのか、目をぱちくりさせている。
「オシャレをする女の子が可愛いのは、当然だろう?」
「あ…そういう方向?」
「錠。君もそう思うだろう?」
「?はい!オシャレを頑張る方は、男女問わず素敵だと思います!」
「…つまんないの~」
がっくしと肩を落としたが、「そうだ!」と言って未来は顔を上げた。
「ねえ、今から会いに行こうよ!」
「え」
「ね、良いでしょ?なんかアイス食べたくなってきたし!」
「自分も、是非一度お会いしてみたいです!」
未来と錠が明るい声を出せば、なんだなんだと大也達も振り向いた。「騒がしいぞ、どうしたんだ」とシャーシロが聞けば、「アイス食べに行こ!」と未来が彼の腕を引っ張る。
「あ、アイス?」
「大也が持ってるキッチンカーなんだって!みんなで行こうよ~!」
「俺はいい。今日は水族館でイベントがあるから、そっちを優先する」
「そっかぁ…。大也とブンちゃんは?」
「俺もやめとくよ。俺が行ったら、ビックリさせちゃうだろうし」
「なら俺も遠慮しておこうかな。お土産買ってきてくれよ、代金は後で払うからさ」
「オーライ!まっかせて!」
玄蕃抜きで話がとんとん拍子に進んでしまった。こうなったら止められないことを彼は知っている為、「困ったものだねぇ」と両手を上げて苦笑した。
*
「ほら、あそこさ」
「わ~!カラフルで可愛い車!」
今日も客はあまりいないのか、今まさにアイスを受け取った親子連れがその場を去って行った。カウンターから顔を出したまま辺りを見渡した柚葉は未来達と目が合い、「あ」と嬉しそうな顔をする。今日の彼女は髪を未来のようなポニーテールにしていた。
「玄蕃さん」
「こんにちは、柚葉」
柚葉は玄蕃の後ろにいる未来と錠に気付くと、途端に表情が硬くなってしまった。「こ、こんにちは」とぎこちなく挨拶をし、少しカウンターの奥へと入ってしまう。
「こんにちはー!」
しかしそんな態度がこの二人に通じる筈がない。未来と錠は仲良く大きな声で挨拶をし、ニコニコと無垢な笑顔を向けた。そんな二人を無下にもできず、おずおずと柚葉はカウンターから顔を出してくる。
「初めまして!あたし、志布戸未来!」
「自分は阿久瀬錠と申します!」
よろしく~と親指を立てる未来と、敬礼のポーズをとる錠。柚葉はそんな二人に困惑しながらも「初めまして…」とモジモジとした態度を取る。
「巴柚葉、です。ええと…玄蕃さんには、いつもお世話になっています」
「いやいや、世話になっているのはむしろ私の方だよ。柚葉、この二人は大也が惚れた仲間だ」
「オーナー…いえ、大也さんのお知り合いでしたか。大也さんにも、いつもお世話になっています」
ぺこりと頭を下げ、大也の仲間ということを聞いて安心したのか柚葉は少し表情を緩めた。未来はそれを察したのかさらに距離をつめ、「ねえねえ」と話しかける。
「アイス注文してもいい?」
「あ、はい。勿論です!」
「じゃああたしイチゴ!二人は何にする?」
「自分はバニラでお願いします」
「私はオレンジを頼むよ」
「承りました。出来上がるまで少々お待ちください」
彼女が作業を始めると、三人は用意されている椅子に腰掛けた。未来はちらちらと柚葉の方を見ながら「凄く良い子だね」と微笑む。
「あと、凄く可愛い」
「だろう?」
「うん。玄蕃ってああいう子が趣味なの?」
「あ、それは自分も思いました。玄蕃さんはもっと、大人っぽい女性が好みなのかと…」
「そういうのは関係ないよ。私はただ、彼女の無垢な振る舞いに好感を持っただけだ」
「な~んだ。折角恋バナとかできるのかなって思ったんだけどなあ」
「私達が仲間であるように、男女の間に必ず恋愛が発生する訳ではないからねぇ」
「それもそっか…。しつこく聞いてごめんね」
「構わないさ。秘密主義である私が君達以外と密な関係になっていると、そう思われるのも仕方ないだろうしねぇ」
柚葉がアイスを運ぼうと出てくると、それに気付いた錠が取りに行った。一人で三人分のアイスを運ぶのは難しい。
プラスチックのスプーンで一口分掬い、口に運ぶ。頬に手を当てて「んん~!」と未来は目を細めた。
「美味しい!」
パクパクと食べ進めていき、あっという間にカップは空になった。「うっ!」と声を上げ、錠が頭を押さえる。
「頭が…キーンとします…!」
「慌てて食べるからだよ~」
「錠、これを」
どこからともなく玄蕃は魔法瓶を取り出した。蓋を開けると湯気が立っており、錠はふうふうと冷ましてから飲んでいく。ホットの緑茶だった。
「助かりました、玄蕃さん…!ありがとうございます!」
「玄蕃さん、今日は鞄を持っていないのにどこに魔法瓶を入れていたんですか…」
柚葉が呆れると、玄蕃は自分のコートを少し開いて中を見せた。
「調べてみるかい?」
「えっ」
「警察官の錠が身体チェックをするのは普通だろう?」
「……私、玄蕃さんと話すとちょっと…困ります」
ふいとそっぽを向き、柚葉は未来の後ろに隠れるように移動した。「おや」と呟くだけで特に何もせず、玄蕃はアイスを満足そうに食べる。未来はスプーンを咥えてその様子を見ていたが、「やっぱり可愛いんでしょ…」と若干呆れたように笑った。
「未来、少し聞きたいのだけれど良いかい?」
「?うん、どうしたの?」
「その…女の子は、どれくらい服を持っているものなんだい?」
質問を聞いて未来は怪訝な顔をした。そして「え…何…?」と若干引いたような声を出し、距離を取る。それを見ていた錠が「玄蕃さん、警察官としてある前に人としてセクハラ発言は見過ごせません」と未来と玄蕃の間に入る。
「す、すまない。そういうつもりではなかったんだが…」
「…まあ、最低でも一週間着まわすくらいは持ってると思うよ?」
「へえ…」
「え、何。本当に何…?玄蕃、ちょっと気持ち悪いんだけど…」
「いや、その…柚葉がね」
「柚葉?」
彼女の名前を出し、そういえば大也以外の面子は知り合いではなかったということを想い出した。情報屋のシャーシロなら知っているかもしれないが、今は大也、ブンドリオと何やら話し込んでいる。
大也が所有するキッチンカーでアイスクリームを売っていること、服装がいつも違っていること等を話すと、ようやく未来は納得したような顔で頷いた。
「成る程~。だからあんなこと聞いてきたんだ」
「良かったです。玄蕃さんが変な人じゃなくて…」
「いや、私も十分変な人の自覚はあるんだけどねぇ…」
「可愛いんだ、その子」
「え?」
パキ、と飴を噛み砕く音が基地に響いた。パチパチと瞬きをする玄蕃に「だって」と未来はニヤニヤした顔で見つめる。
「普通、興味がない女の子の服がいつも違うことになんて気づかないよ」
「い、いや…だからといって、私が彼女を可愛いと思っていることに繋がりはしないだろう?」
「ふぅん。じゃあ、可愛くないんだ?」
「……未来。その言い方は、ちょっと狡いんじゃないのかい」
玄蕃は飴を口内で細かく砕き、飲み込む。脳裏には茶髪をレイヤーカットにし、ウルフカット風に仕立てた女がアイスを持って微笑みかける姿が浮かんだ。
「………そりゃあ、可愛いよ」
分かりやすく未来が「わあ」と目を輝かせて反応した。錠はその意味がピンとこないのか、目をぱちくりさせている。
「オシャレをする女の子が可愛いのは、当然だろう?」
「あ…そういう方向?」
「錠。君もそう思うだろう?」
「?はい!オシャレを頑張る方は、男女問わず素敵だと思います!」
「…つまんないの~」
がっくしと肩を落としたが、「そうだ!」と言って未来は顔を上げた。
「ねえ、今から会いに行こうよ!」
「え」
「ね、良いでしょ?なんかアイス食べたくなってきたし!」
「自分も、是非一度お会いしてみたいです!」
未来と錠が明るい声を出せば、なんだなんだと大也達も振り向いた。「騒がしいぞ、どうしたんだ」とシャーシロが聞けば、「アイス食べに行こ!」と未来が彼の腕を引っ張る。
「あ、アイス?」
「大也が持ってるキッチンカーなんだって!みんなで行こうよ~!」
「俺はいい。今日は水族館でイベントがあるから、そっちを優先する」
「そっかぁ…。大也とブンちゃんは?」
「俺もやめとくよ。俺が行ったら、ビックリさせちゃうだろうし」
「なら俺も遠慮しておこうかな。お土産買ってきてくれよ、代金は後で払うからさ」
「オーライ!まっかせて!」
玄蕃抜きで話がとんとん拍子に進んでしまった。こうなったら止められないことを彼は知っている為、「困ったものだねぇ」と両手を上げて苦笑した。
*
「ほら、あそこさ」
「わ~!カラフルで可愛い車!」
今日も客はあまりいないのか、今まさにアイスを受け取った親子連れがその場を去って行った。カウンターから顔を出したまま辺りを見渡した柚葉は未来達と目が合い、「あ」と嬉しそうな顔をする。今日の彼女は髪を未来のようなポニーテールにしていた。
「玄蕃さん」
「こんにちは、柚葉」
柚葉は玄蕃の後ろにいる未来と錠に気付くと、途端に表情が硬くなってしまった。「こ、こんにちは」とぎこちなく挨拶をし、少しカウンターの奥へと入ってしまう。
「こんにちはー!」
しかしそんな態度がこの二人に通じる筈がない。未来と錠は仲良く大きな声で挨拶をし、ニコニコと無垢な笑顔を向けた。そんな二人を無下にもできず、おずおずと柚葉はカウンターから顔を出してくる。
「初めまして!あたし、志布戸未来!」
「自分は阿久瀬錠と申します!」
よろしく~と親指を立てる未来と、敬礼のポーズをとる錠。柚葉はそんな二人に困惑しながらも「初めまして…」とモジモジとした態度を取る。
「巴柚葉、です。ええと…玄蕃さんには、いつもお世話になっています」
「いやいや、世話になっているのはむしろ私の方だよ。柚葉、この二人は大也が惚れた仲間だ」
「オーナー…いえ、大也さんのお知り合いでしたか。大也さんにも、いつもお世話になっています」
ぺこりと頭を下げ、大也の仲間ということを聞いて安心したのか柚葉は少し表情を緩めた。未来はそれを察したのかさらに距離をつめ、「ねえねえ」と話しかける。
「アイス注文してもいい?」
「あ、はい。勿論です!」
「じゃああたしイチゴ!二人は何にする?」
「自分はバニラでお願いします」
「私はオレンジを頼むよ」
「承りました。出来上がるまで少々お待ちください」
彼女が作業を始めると、三人は用意されている椅子に腰掛けた。未来はちらちらと柚葉の方を見ながら「凄く良い子だね」と微笑む。
「あと、凄く可愛い」
「だろう?」
「うん。玄蕃ってああいう子が趣味なの?」
「あ、それは自分も思いました。玄蕃さんはもっと、大人っぽい女性が好みなのかと…」
「そういうのは関係ないよ。私はただ、彼女の無垢な振る舞いに好感を持っただけだ」
「な~んだ。折角恋バナとかできるのかなって思ったんだけどなあ」
「私達が仲間であるように、男女の間に必ず恋愛が発生する訳ではないからねぇ」
「それもそっか…。しつこく聞いてごめんね」
「構わないさ。秘密主義である私が君達以外と密な関係になっていると、そう思われるのも仕方ないだろうしねぇ」
柚葉がアイスを運ぼうと出てくると、それに気付いた錠が取りに行った。一人で三人分のアイスを運ぶのは難しい。
プラスチックのスプーンで一口分掬い、口に運ぶ。頬に手を当てて「んん~!」と未来は目を細めた。
「美味しい!」
パクパクと食べ進めていき、あっという間にカップは空になった。「うっ!」と声を上げ、錠が頭を押さえる。
「頭が…キーンとします…!」
「慌てて食べるからだよ~」
「錠、これを」
どこからともなく玄蕃は魔法瓶を取り出した。蓋を開けると湯気が立っており、錠はふうふうと冷ましてから飲んでいく。ホットの緑茶だった。
「助かりました、玄蕃さん…!ありがとうございます!」
「玄蕃さん、今日は鞄を持っていないのにどこに魔法瓶を入れていたんですか…」
柚葉が呆れると、玄蕃は自分のコートを少し開いて中を見せた。
「調べてみるかい?」
「えっ」
「警察官の錠が身体チェックをするのは普通だろう?」
「……私、玄蕃さんと話すとちょっと…困ります」
ふいとそっぽを向き、柚葉は未来の後ろに隠れるように移動した。「おや」と呟くだけで特に何もせず、玄蕃はアイスを満足そうに食べる。未来はスプーンを咥えてその様子を見ていたが、「やっぱり可愛いんでしょ…」と若干呆れたように笑った。