ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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今日は天気が良い為、この間買ったワンピースを着て散歩をしよう!と外へ出た矢先。公園を歩いていると、何だか賑やかな声が耳に入った。それと、懐かしい匂いも。
声のする方を木の影から窺うと、見覚えのある姿がある。驚きの声が出る前に足が駆け出し、力加減も考えずにお久しぶりの背中へ飛びついた。
「玄蕃さんっ」
「うおっ、と…!?」
全力ダッシュには流石に反応しきれなかったようで、そのままよろけて転びそうになった彼を誰かが支えてくれた。
しかしそんなことには構わず、服に顔をぐりぐりと押し付けた。体の感触、におい、心臓の音。お互いの年齢を考えれば、会えなかった期間は一瞬なのだが、それでも懐かしくて堪らなかった。
「これはこれは。か弱そうな見た目の割に、中々腕っぷしの立ちそうな方ですなあ」
「カグラギ。そういうことを女性に言うのは失礼じゃあないか?…それで、こちらのお嬢さんは?」
ぷは、と顔を上げると何だか…コスプレ?のような服を着た男の人が二人いた。あと、奥では錠が市民から色んなものを渡されている。
「彼女は柚葉。私の婚約者なんだが、今は地球で帰りを待ってもらっているところさ」
「あ…人目も憚らずにごめんなさい!つい…嬉しくて…」
「いやいや、仲良きことは美しきこと。大切な人との再会というものは、例え今日出会った方々といえども見ていて気持ちが良いものです」
「ああ、俺も同意だ」
流石に見知らぬ人の目を気にして離れようとすると、一瞬だけ強く抱き寄せられた。そうしてもらえると、寂しかったのは自分だけではなかったのだ…と、実感することができた。凄く、嬉しい。
しかし私も彼も恐らく最年長組。いつまでもベタベタくっ付くことはできず、適切な距離をとった。
「玄蕃さん。それで…いつ戻って来たんですか?戻ってくるなんて聞いていませんけど…」
「いや…ちょっと訳ありでね。事が解決したら、また戻らなければならないんだ」
「そうなんですか…。…あっ、こちらのお二人は…?」
私が視線を送ると、二人は一歩前に出てきた。派手な和服を着た大きな人と、白くて細い人。前者は歌舞伎役者で、後者は貴公子といった様相だ。
「豊穣の国の大殿、カグラギ・ディボウスキ」
「狭間の国の王、ジェラミー・ブラシエリさ」
「…お二人とも、凄い服ですね」
「ふうむ…。やはり、こちらでは我々のような格好は異様なのでしょうか?」
「あ、悪い意味じゃなくて!柄とか、縫製とか凄く凝ってて…流石王様のお召し物ですね…!」
確かに地球だと相当目立つ服と容姿をしているとは思うが、様になっているのがまた凄い。服もチープな作りではなく、まさに「豪華」という言葉に相応しい。作った人や着る人のこだわりを感じさせる逸品だ。
「…柚葉」
「あっ…はい」
「人前だというのはわかるが…もう少し私に構ってくれてもいいのでは?」
少し、何というか、強請るような目をして言われた。猫が、人に撫でてもらいたい時のような顔。心臓がチクチクと刺激され、きゅ~んと音を立てる。にまにましてしまいそうなのは必死に抑えたが、素で「ああ~…」という情けない声が出てしまった。
「可愛い……!」
「随分楽しそうなお嬢さんだねえ」
「そういうところも良いんだ」
「何だか玄蕃さん…宇宙に行って更に可愛くなりましたね…」
「ううん…これは喜んでいいのかどうか…」
「…あんまり困らせないでください。構ってほしい、なんて言われると…色々したくなっちゃいます」
玄蕃一人だったらどうなっていたことか。ハグはおろか、勢い余って頬にキスまでしていただろう。
「非常に残念だが、先程油物を食べたばかりでね。キスはお預けだ」
「し、しません!公衆の面前で…。というか、心を読まないでください…」
「顔に書いていたんだよ」
つんつん、と頬を指でつつかれた。
「微笑ましいですな」
「愛は時間すらも越えるからねえ。俺達の出る幕は無いようだ」
玄蕃とじゃれ合っていると、差し入れを受け取る錠の腕がそろそろ限界を迎えそうになっていた。
「…柚葉、そろそろ」
「はい。…わかっています」
「必ず君の元に戻って来る。だから、もう少しだけ…待っていてくれ」
「…何年、何十年かかってもお待ちしています。だから…ちゃんと迎えに来て、私のこと…お嫁さんにしてくださいね?」
「勿論だとも。私の心が、君から離れることはないよ」
そう言って彼は私に飴を差し出した。多分、地球では売っていない味だ。棒には小さなメッセージが巻かれており、宇宙で使われている一般的な文字で「特別なあなたへ」と書かれていた。
どうか、どこに行っても、どれだけ経っても、あなたの「特別」が私でありますように。そう願って皆に頭を下げ、イレギュラーな再会の時間に別れを告げた。
声のする方を木の影から窺うと、見覚えのある姿がある。驚きの声が出る前に足が駆け出し、力加減も考えずにお久しぶりの背中へ飛びついた。
「玄蕃さんっ」
「うおっ、と…!?」
全力ダッシュには流石に反応しきれなかったようで、そのままよろけて転びそうになった彼を誰かが支えてくれた。
しかしそんなことには構わず、服に顔をぐりぐりと押し付けた。体の感触、におい、心臓の音。お互いの年齢を考えれば、会えなかった期間は一瞬なのだが、それでも懐かしくて堪らなかった。
「これはこれは。か弱そうな見た目の割に、中々腕っぷしの立ちそうな方ですなあ」
「カグラギ。そういうことを女性に言うのは失礼じゃあないか?…それで、こちらのお嬢さんは?」
ぷは、と顔を上げると何だか…コスプレ?のような服を着た男の人が二人いた。あと、奥では錠が市民から色んなものを渡されている。
「彼女は柚葉。私の婚約者なんだが、今は地球で帰りを待ってもらっているところさ」
「あ…人目も憚らずにごめんなさい!つい…嬉しくて…」
「いやいや、仲良きことは美しきこと。大切な人との再会というものは、例え今日出会った方々といえども見ていて気持ちが良いものです」
「ああ、俺も同意だ」
流石に見知らぬ人の目を気にして離れようとすると、一瞬だけ強く抱き寄せられた。そうしてもらえると、寂しかったのは自分だけではなかったのだ…と、実感することができた。凄く、嬉しい。
しかし私も彼も恐らく最年長組。いつまでもベタベタくっ付くことはできず、適切な距離をとった。
「玄蕃さん。それで…いつ戻って来たんですか?戻ってくるなんて聞いていませんけど…」
「いや…ちょっと訳ありでね。事が解決したら、また戻らなければならないんだ」
「そうなんですか…。…あっ、こちらのお二人は…?」
私が視線を送ると、二人は一歩前に出てきた。派手な和服を着た大きな人と、白くて細い人。前者は歌舞伎役者で、後者は貴公子といった様相だ。
「豊穣の国の大殿、カグラギ・ディボウスキ」
「狭間の国の王、ジェラミー・ブラシエリさ」
「…お二人とも、凄い服ですね」
「ふうむ…。やはり、こちらでは我々のような格好は異様なのでしょうか?」
「あ、悪い意味じゃなくて!柄とか、縫製とか凄く凝ってて…流石王様のお召し物ですね…!」
確かに地球だと相当目立つ服と容姿をしているとは思うが、様になっているのがまた凄い。服もチープな作りではなく、まさに「豪華」という言葉に相応しい。作った人や着る人のこだわりを感じさせる逸品だ。
「…柚葉」
「あっ…はい」
「人前だというのはわかるが…もう少し私に構ってくれてもいいのでは?」
少し、何というか、強請るような目をして言われた。猫が、人に撫でてもらいたい時のような顔。心臓がチクチクと刺激され、きゅ~んと音を立てる。にまにましてしまいそうなのは必死に抑えたが、素で「ああ~…」という情けない声が出てしまった。
「可愛い……!」
「随分楽しそうなお嬢さんだねえ」
「そういうところも良いんだ」
「何だか玄蕃さん…宇宙に行って更に可愛くなりましたね…」
「ううん…これは喜んでいいのかどうか…」
「…あんまり困らせないでください。構ってほしい、なんて言われると…色々したくなっちゃいます」
玄蕃一人だったらどうなっていたことか。ハグはおろか、勢い余って頬にキスまでしていただろう。
「非常に残念だが、先程油物を食べたばかりでね。キスはお預けだ」
「し、しません!公衆の面前で…。というか、心を読まないでください…」
「顔に書いていたんだよ」
つんつん、と頬を指でつつかれた。
「微笑ましいですな」
「愛は時間すらも越えるからねえ。俺達の出る幕は無いようだ」
玄蕃とじゃれ合っていると、差し入れを受け取る錠の腕がそろそろ限界を迎えそうになっていた。
「…柚葉、そろそろ」
「はい。…わかっています」
「必ず君の元に戻って来る。だから、もう少しだけ…待っていてくれ」
「…何年、何十年かかってもお待ちしています。だから…ちゃんと迎えに来て、私のこと…お嫁さんにしてくださいね?」
「勿論だとも。私の心が、君から離れることはないよ」
そう言って彼は私に飴を差し出した。多分、地球では売っていない味だ。棒には小さなメッセージが巻かれており、宇宙で使われている一般的な文字で「特別なあなたへ」と書かれていた。
どうか、どこに行っても、どれだけ経っても、あなたの「特別」が私でありますように。そう願って皆に頭を下げ、イレギュラーな再会の時間に別れを告げた。