ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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いつものキッチンカーでアイスを売っていた。車の前にある飲食スペースでは玄蕃がアイスを食べている。他に客がいない為私も隣に座っており、彼の横顔を眺めていた。
「飴は特別な物だが、やっぱり柚葉のアイスも良いね」
「ふふ、ありがとうございます。玄蕃さんは何味が好きですか?」
「もちろん、オレンジ味だよ。柚葉は何が好きかな?」
「う~ん…私は…チョコミントよりも……」
玄蕃を見つめる。ああ、可愛いなあ。かっこいいなあ。綺麗だなあ。ずっと見ていたい。ずっと、一緒にいたい。一秒たりとも、離れたくない。
「あなた、です」
「おや」
ふふ、と笑われる。こんなやり取りを…いつまでも、していたい。何万年経っても、あなたの傍にいたい。でも…。
「……玄蕃さん、私に…お話ありますよね」
「…」
「…ごめんなさい、急かすような言い方で。でも、待てなくて…」
「…そうだね。ちゃんと…話をしなくちゃいけない」
アイスを食べ終わった彼はスプーンを置いた。私の顔をちらりと見たあと、「BBG」と呟く。ああ、やっぱり、と私は内心思った。そうだと思っていた。だって、大也は仄めかしていたから。
「…来期から、私達…ブンブンジャーは参加することになった」
「…はい」
「…しかし、それと同時に…ハシリヤンの残党退治、二コーラ姫にペンダントを返す、惑星ブレキの奪還…様々な問題の解決をやらなければならない」
「…」
「柚葉」
気が付けば、涙が机に落ちていた。あれ、と思って顔を上げる。玄蕃がハンカチで私の涙を拭ってくれた。どうして、どうして。分かっていたのに。分かっている、のに。何で、涙が止まらないの。
「ごめ…ごめんなさい……」
「…良いんだよ」
「私…っう、ぅっ……」
「…」
「……い…行って来て、ください…!」
「柚葉…」
大粒の涙を流しながら私はそう言った。ここで、彼を引き留めてはいけない。困らせては駄目だ。彼が握ったハンドルなら、私は何も言わない。
「玄蕃さんがいつでもここに帰って来られるように…ISAの外部協力者として、地球を守るお手伝いをしておきます…!」
「…先斗が、地球で大也の夢を繋いでくれることになっている。君なら…一緒に努めることが出来るだろう」
「っはい……」
涙が渇いて、頬に張り付く。風を受けて、そこだけが擦れる。今私、酷い顔しているんだろうな。
私は、可愛いものやオシャレが好き。だから、可愛いものが沢山ある地球が好き。この惑星と、人々を悪から守りたい。ブンブンジャーのような活躍は出来なくとも、自分に出来ることをしたい。大也の語った…彼がいなくなった後も、悲鳴のない世界へとする為に。
それが私のハンドルなのだ。そして、同じように玄蕃も…彼自身のハンドルを握っている。
「…宇宙へ旅立つ前に、今一度言っておきたい」
「な、なんですか…?」
「惑星ブレキを取り戻し、全てを終えてここに戻って来たら…私、ゲンバード・デ・リバリー二世と、結婚してほしい」
玄蕃は、懐から小さな箱を取り出した。その中には、宝石ではないが…指輪が、入っている。あまり見たことのないデザインだった。
「私の宇宙船を解体した時に、一番素材として価値のある部分を抜き取っておいた。それを素材にして作ってもらった婚約指輪さ」
「……」
「故郷を取り戻せていたらもっと価値のある物が作れるんだが…生憎今はこういう物でしか、私の精一杯の愛を表せない。…私と結婚してくれ、巴柚葉」
「…はい、ゲンバードさん。私で良ければ、喜んでお受けいたします」
左手の薬指に指輪を嵌めてもらった。夢のような気がして、瞬きをした。それでも、指輪はここにある。
気が付けば、玄蕃は目に涙を浮かべて鼻を啜っていた。
「えっ…え!?ど、どうしたんですか!?」
「す、すまない…。本当に、嬉しくて…」
「…私も、嬉しいです。玄蕃さんや皆さんに出会えて、本当に良かった」
「ああ。いずれ、私の家族や友人達に会う機会を設けよう」
「ありがとうございます!」
私…生まれてきて、良かったんだ。こんなに美しく色付いた世界を知ることができた。私を愛してくれる人と、出会えた。
*
ブンブンジャーが宇宙へと旅立った。調、先斗と共に彼らの航路を地上からそれを見守る。
「もうあんなに高いところに…」
「行っちゃいましたね」
「…姐さん、嬢ちゃん。帰ってカレー食うか」
「ビュン!」
えっ!?と全員が振り返る。そこには、カレーを三つ抱えたビュンディーがいた。
「ブンブンカレー三丁お待ち!」
「ビュンディー…お前宇宙はどうした!?」
「…先斗にまだ見せてない小説があるのだ」
「……なんだよ可愛い奴だな!!」
感極まった先斗がビュンディーに抱きつきにいった。ビュンディーが持っているカレーに危機が迫り、慌てて調と共に駆け寄る。
「カレーが危ない!」
「落ちちゃいますよ!」
「やっぱりビュンディーは俺がいないと駄目だな!」
うりうりとビュンディーにちょっかいをかける先斗。調と二人でそれを温かく見守っていると、「あなたは良かったのですか」と彼女に言われた。
「え?」
「振騎玄蕃と、宇宙へ行く選択だってあったでしょう」
「……ふふ、良いんです。だってこれが、私達のハンドルですから」
そう言って指輪を太陽にかざしてみせた。それを見た三人が「えええ!?」と声を上げ、凝視する。
「結婚指輪!?」
「正確には、婚約指輪です。宇宙でたった一つの、特別にバクアゲな指輪、いただきました!」
「星間結婚か…。若旦那も、大胆なハンドルを握ったものだな」
「玄蕃さんがどこへ行っても、私達はこうして繋がっています」
何年、何十年…いや、何万年かかったとしても。彼とまた出会う日を待っている。私にとっての特等席…そして生きる場所は、あの人の隣だから。この場所は、誰にも譲らない。
「飴は特別な物だが、やっぱり柚葉のアイスも良いね」
「ふふ、ありがとうございます。玄蕃さんは何味が好きですか?」
「もちろん、オレンジ味だよ。柚葉は何が好きかな?」
「う~ん…私は…チョコミントよりも……」
玄蕃を見つめる。ああ、可愛いなあ。かっこいいなあ。綺麗だなあ。ずっと見ていたい。ずっと、一緒にいたい。一秒たりとも、離れたくない。
「あなた、です」
「おや」
ふふ、と笑われる。こんなやり取りを…いつまでも、していたい。何万年経っても、あなたの傍にいたい。でも…。
「……玄蕃さん、私に…お話ありますよね」
「…」
「…ごめんなさい、急かすような言い方で。でも、待てなくて…」
「…そうだね。ちゃんと…話をしなくちゃいけない」
アイスを食べ終わった彼はスプーンを置いた。私の顔をちらりと見たあと、「BBG」と呟く。ああ、やっぱり、と私は内心思った。そうだと思っていた。だって、大也は仄めかしていたから。
「…来期から、私達…ブンブンジャーは参加することになった」
「…はい」
「…しかし、それと同時に…ハシリヤンの残党退治、二コーラ姫にペンダントを返す、惑星ブレキの奪還…様々な問題の解決をやらなければならない」
「…」
「柚葉」
気が付けば、涙が机に落ちていた。あれ、と思って顔を上げる。玄蕃がハンカチで私の涙を拭ってくれた。どうして、どうして。分かっていたのに。分かっている、のに。何で、涙が止まらないの。
「ごめ…ごめんなさい……」
「…良いんだよ」
「私…っう、ぅっ……」
「…」
「……い…行って来て、ください…!」
「柚葉…」
大粒の涙を流しながら私はそう言った。ここで、彼を引き留めてはいけない。困らせては駄目だ。彼が握ったハンドルなら、私は何も言わない。
「玄蕃さんがいつでもここに帰って来られるように…ISAの外部協力者として、地球を守るお手伝いをしておきます…!」
「…先斗が、地球で大也の夢を繋いでくれることになっている。君なら…一緒に努めることが出来るだろう」
「っはい……」
涙が渇いて、頬に張り付く。風を受けて、そこだけが擦れる。今私、酷い顔しているんだろうな。
私は、可愛いものやオシャレが好き。だから、可愛いものが沢山ある地球が好き。この惑星と、人々を悪から守りたい。ブンブンジャーのような活躍は出来なくとも、自分に出来ることをしたい。大也の語った…彼がいなくなった後も、悲鳴のない世界へとする為に。
それが私のハンドルなのだ。そして、同じように玄蕃も…彼自身のハンドルを握っている。
「…宇宙へ旅立つ前に、今一度言っておきたい」
「な、なんですか…?」
「惑星ブレキを取り戻し、全てを終えてここに戻って来たら…私、ゲンバード・デ・リバリー二世と、結婚してほしい」
玄蕃は、懐から小さな箱を取り出した。その中には、宝石ではないが…指輪が、入っている。あまり見たことのないデザインだった。
「私の宇宙船を解体した時に、一番素材として価値のある部分を抜き取っておいた。それを素材にして作ってもらった婚約指輪さ」
「……」
「故郷を取り戻せていたらもっと価値のある物が作れるんだが…生憎今はこういう物でしか、私の精一杯の愛を表せない。…私と結婚してくれ、巴柚葉」
「…はい、ゲンバードさん。私で良ければ、喜んでお受けいたします」
左手の薬指に指輪を嵌めてもらった。夢のような気がして、瞬きをした。それでも、指輪はここにある。
気が付けば、玄蕃は目に涙を浮かべて鼻を啜っていた。
「えっ…え!?ど、どうしたんですか!?」
「す、すまない…。本当に、嬉しくて…」
「…私も、嬉しいです。玄蕃さんや皆さんに出会えて、本当に良かった」
「ああ。いずれ、私の家族や友人達に会う機会を設けよう」
「ありがとうございます!」
私…生まれてきて、良かったんだ。こんなに美しく色付いた世界を知ることができた。私を愛してくれる人と、出会えた。
*
ブンブンジャーが宇宙へと旅立った。調、先斗と共に彼らの航路を地上からそれを見守る。
「もうあんなに高いところに…」
「行っちゃいましたね」
「…姐さん、嬢ちゃん。帰ってカレー食うか」
「ビュン!」
えっ!?と全員が振り返る。そこには、カレーを三つ抱えたビュンディーがいた。
「ブンブンカレー三丁お待ち!」
「ビュンディー…お前宇宙はどうした!?」
「…先斗にまだ見せてない小説があるのだ」
「……なんだよ可愛い奴だな!!」
感極まった先斗がビュンディーに抱きつきにいった。ビュンディーが持っているカレーに危機が迫り、慌てて調と共に駆け寄る。
「カレーが危ない!」
「落ちちゃいますよ!」
「やっぱりビュンディーは俺がいないと駄目だな!」
うりうりとビュンディーにちょっかいをかける先斗。調と二人でそれを温かく見守っていると、「あなたは良かったのですか」と彼女に言われた。
「え?」
「振騎玄蕃と、宇宙へ行く選択だってあったでしょう」
「……ふふ、良いんです。だってこれが、私達のハンドルですから」
そう言って指輪を太陽にかざしてみせた。それを見た三人が「えええ!?」と声を上げ、凝視する。
「結婚指輪!?」
「正確には、婚約指輪です。宇宙でたった一つの、特別にバクアゲな指輪、いただきました!」
「星間結婚か…。若旦那も、大胆なハンドルを握ったものだな」
「玄蕃さんがどこへ行っても、私達はこうして繋がっています」
何年、何十年…いや、何万年かかったとしても。彼とまた出会う日を待っている。私にとっての特等席…そして生きる場所は、あの人の隣だから。この場所は、誰にも譲らない。