ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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キャップを目深に被り、私は街頭ビジョンで全てを見届けていた。ISAの悪事、ブンブンジャーの戦闘。そして、彼らを応援する人々の声。
ああ、ブンブンジャーは大丈夫だと。どれだけ地球に悪い奴がいようとも、彼らを望む声があれば、ブンブンジャーは何度でも蘇るのだと。そう、強く思った。
「悲鳴だらけの掃きだめで…アタシゃ思ったね。宇宙全部、アタシが悲鳴を上げさせてやるってねえ。永遠を生きて…」
スピンドーがレッドを殴る。それに続いて、オレンジとバイオレットのチェンジを解除させた。
「ずーっと悲鳴を聞いていたいのさ。アタシが支配する世界で!」
「ぐあああああッ!!」
レッドもチェンジを強制的に解除され、ほぼ全員が元に戻ってしまった。
「だったら…世界を変える!!」
ひどく傷付けられた状態で、それでも大也は立ち上がった。呻き声を上げながらも、スピンドーと対峙する。
「悲鳴のない世界に!!」
「フッフッフッフ……そりゃあ、負け犬の言葉さね」
嘲笑うスピンドーに、口から血を流した射士郎が立ち上がる。普段クールな彼が、心に秘めた情熱を見せていた。
「負け犬じゃない…俺達は信じているからな…」
ドレスが汚れ、髪が崩れるようとも、未来が立ち上がる。普段表情がコロコロ変わる彼女が、強い眼差しを向けている。
「悲鳴が上がる場所には…必ず誰かが駆け付ける!」
地面に伏しながらも、力を振り絞って錠が立ち上がる。いつも笑顔を絶やさない彼から、強い覚悟が窺えた。
「そうやって助けられたら…誰かに同じことをしたくなる!」
顔を伏せていた玄蕃が、不敵に笑って立ち上がる。飄々としている彼は、こんな時でも笑みを絶やさない。
「宇宙ではそれを…愛と呼ぶんだよねえ」
彼らの言葉を聞き、先斗が笑った。地面に膝と手をつきながらも立ち上がる。熱い言葉に、興奮していた。
「それなら変わるかもな…悲鳴のない世界に!」
ボロボロの状態でありながらも、仲間の言葉を聞いた大也は笑ってスピンドーを見つめた。
「一緒に走らないか?俺達の世界へ!」
「…走るのは、アタシ一人さね。お前達は…こうだ」
スピンドーがエネルギーを収縮させ、ブンブンジャーに放つ。
誰もが息を呑んだ。──もう、駄目なのかと。
一瞬画面が白くなったが…映像は途切れなかった。凄まじい攻撃から、ブンブンジャーを誰かが守っている。
「うおおおおおーッ!バクアゲ!復活!」
ブンドリオである。彼がブンブンジャー達を、身を挺して守ってくれたのだ。これには流石のスピンドーも戸惑い、自分のこの手で仕留めた筈だと取り乱す。そこへ、ビュンディーが駆け付けた。
「ブンブンジャーを信じる声がブンドリオに届いたのだ!」
どうやら、人々がブンブンジャーを応援する声がエネルギーとなり、ブンドリオに届いたらしい。
「ありがとう、世界中のみんな!ここに届いたよ、みんなの声!」
「あのエネルギー体に必要な最後の鍵が、みんなの想いだったんだ」
「うん、わかったよ大也。みんなが力を合わせれば、悲鳴は笑顔に変わる。笑顔でいっぱいの世界を作ることができるって!」
「それって…」
「ああ…」
「「最高のバクアゲだ!!」」
大也がチェンジャーを再び腕から抜いた。
「みんなで走るぞ!」
「「オーライ!!」」
ブンドリオとビュンディーの音声が鳴り響き、全員が一斉に構える。
「ブンブンチェンジ!」
「ビュンビュンチェンジ!」
「”バクアゲタイヤ!GO!GO!GO!”」
「”バクアゲタイヤ!ビュンビュンビューン!”」
各々がスーツを身に纏っていく。何だか、今日はヘルメットの向こう側の顔が見えたような気がした。ヘルメットの下で、彼らは不敵に笑っていた。
「ブーン!レッド!」
「ブーン!ブルー!」
「ブーン!ピンク!」
「ブーン!ブラック!」
「ブーン!オレンジ!」
「ブーン!バイオレット!」
「ブーン!ドリオ・ブンデラス!」
「ビューン!ディーゼル!」
「気分ブンブンブン回せ!」
「「爆上戦隊ブンブンジャー!!」」
世界中の人々が「バクアゲだー!!」と叫んだ。子供も、大人も、私も。そしてその声は煌めく光の粒となり、ブンブンジャーのもとへと降り注ぐ。
「バクアゲパワー!フルスロットル!」
「ッ、悲鳴が足りねえ…!」
未来への希望に満ち溢れた声にスピンドーがふらついた。その間にバイオレットがレッドに声をかける。
「奴より速く行ってやれ!スピードの向こう側ってやつによ!」
「この決着、お前達が決めてこそ美しい!」
バイオレットはレッド、ビュンディーはブンドリオの背中を叩く。
「今ならスピンドーを倒せる!」
ピンクが二人の背中を押す。
「みんなのバクアゲ…!」
オレンジが背中を押す。
「お二人に託します!」
ブラックが背中を押す。
「二人が作った爆上戦隊だ。二人が決めろ」
ブルーが背中を押す。
「バクアゲチャンピオンブンブンドライブ!」
レッドとブンドリオが攻撃の間を駆け抜け、スピンドーに最後の攻撃を仕掛けた。一瞬視界が白くなり、音のない世界が広がる。
そして、白いフェドラ帽が宙を舞った。
「あッ…!!」
スピンドーが膝をついた。…トドメを”刺されなかった”のだ。それを分かっているスピンドーは、大也にその理由を問い詰めた。大也はスピンドーの傍に行くとしゃがみ、目線を合わせる。
「あんたには…やるべきことがあるからだ」
「乗っ取った星々から手を引け。大銀河警察、法廷…まだ心ある者はいる筈だ。裁きを受けてもらおう」
ハシリヤンに何もかもを奪われた玄蕃がそう言い放った。それを鼻で笑い、スピンドーはこの処遇を「辱め」と称する。
「俺も証言する。一緒に行こうぜ」
差し出されたブンドリオの手を、スピンドーは振り払う。もう立っている余裕すらも無い筈の体で、地面に落ちたフェドラ帽を被り直す。
「アタシのハンドル、他人に握らせないよ。今はバクアガっても、アタシが消えりゃあ地球は元に戻る。また争いと悲鳴の星よ。…あばよ、ブンの字」
そう言い残し、彼の体は砂となって一気に崩れた。残された帽子だけが、風に乗ってどこかへと飛んでいく。
──ブンブンジャーは、地球を救ったヒーローになった。
ああ、ブンブンジャーは大丈夫だと。どれだけ地球に悪い奴がいようとも、彼らを望む声があれば、ブンブンジャーは何度でも蘇るのだと。そう、強く思った。
「悲鳴だらけの掃きだめで…アタシゃ思ったね。宇宙全部、アタシが悲鳴を上げさせてやるってねえ。永遠を生きて…」
スピンドーがレッドを殴る。それに続いて、オレンジとバイオレットのチェンジを解除させた。
「ずーっと悲鳴を聞いていたいのさ。アタシが支配する世界で!」
「ぐあああああッ!!」
レッドもチェンジを強制的に解除され、ほぼ全員が元に戻ってしまった。
「だったら…世界を変える!!」
ひどく傷付けられた状態で、それでも大也は立ち上がった。呻き声を上げながらも、スピンドーと対峙する。
「悲鳴のない世界に!!」
「フッフッフッフ……そりゃあ、負け犬の言葉さね」
嘲笑うスピンドーに、口から血を流した射士郎が立ち上がる。普段クールな彼が、心に秘めた情熱を見せていた。
「負け犬じゃない…俺達は信じているからな…」
ドレスが汚れ、髪が崩れるようとも、未来が立ち上がる。普段表情がコロコロ変わる彼女が、強い眼差しを向けている。
「悲鳴が上がる場所には…必ず誰かが駆け付ける!」
地面に伏しながらも、力を振り絞って錠が立ち上がる。いつも笑顔を絶やさない彼から、強い覚悟が窺えた。
「そうやって助けられたら…誰かに同じことをしたくなる!」
顔を伏せていた玄蕃が、不敵に笑って立ち上がる。飄々としている彼は、こんな時でも笑みを絶やさない。
「宇宙ではそれを…愛と呼ぶんだよねえ」
彼らの言葉を聞き、先斗が笑った。地面に膝と手をつきながらも立ち上がる。熱い言葉に、興奮していた。
「それなら変わるかもな…悲鳴のない世界に!」
ボロボロの状態でありながらも、仲間の言葉を聞いた大也は笑ってスピンドーを見つめた。
「一緒に走らないか?俺達の世界へ!」
「…走るのは、アタシ一人さね。お前達は…こうだ」
スピンドーがエネルギーを収縮させ、ブンブンジャーに放つ。
誰もが息を呑んだ。──もう、駄目なのかと。
一瞬画面が白くなったが…映像は途切れなかった。凄まじい攻撃から、ブンブンジャーを誰かが守っている。
「うおおおおおーッ!バクアゲ!復活!」
ブンドリオである。彼がブンブンジャー達を、身を挺して守ってくれたのだ。これには流石のスピンドーも戸惑い、自分のこの手で仕留めた筈だと取り乱す。そこへ、ビュンディーが駆け付けた。
「ブンブンジャーを信じる声がブンドリオに届いたのだ!」
どうやら、人々がブンブンジャーを応援する声がエネルギーとなり、ブンドリオに届いたらしい。
「ありがとう、世界中のみんな!ここに届いたよ、みんなの声!」
「あのエネルギー体に必要な最後の鍵が、みんなの想いだったんだ」
「うん、わかったよ大也。みんなが力を合わせれば、悲鳴は笑顔に変わる。笑顔でいっぱいの世界を作ることができるって!」
「それって…」
「ああ…」
「「最高のバクアゲだ!!」」
大也がチェンジャーを再び腕から抜いた。
「みんなで走るぞ!」
「「オーライ!!」」
ブンドリオとビュンディーの音声が鳴り響き、全員が一斉に構える。
「ブンブンチェンジ!」
「ビュンビュンチェンジ!」
「”バクアゲタイヤ!GO!GO!GO!”」
「”バクアゲタイヤ!ビュンビュンビューン!”」
各々がスーツを身に纏っていく。何だか、今日はヘルメットの向こう側の顔が見えたような気がした。ヘルメットの下で、彼らは不敵に笑っていた。
「ブーン!レッド!」
「ブーン!ブルー!」
「ブーン!ピンク!」
「ブーン!ブラック!」
「ブーン!オレンジ!」
「ブーン!バイオレット!」
「ブーン!ドリオ・ブンデラス!」
「ビューン!ディーゼル!」
「気分ブンブンブン回せ!」
「「爆上戦隊ブンブンジャー!!」」
世界中の人々が「バクアゲだー!!」と叫んだ。子供も、大人も、私も。そしてその声は煌めく光の粒となり、ブンブンジャーのもとへと降り注ぐ。
「バクアゲパワー!フルスロットル!」
「ッ、悲鳴が足りねえ…!」
未来への希望に満ち溢れた声にスピンドーがふらついた。その間にバイオレットがレッドに声をかける。
「奴より速く行ってやれ!スピードの向こう側ってやつによ!」
「この決着、お前達が決めてこそ美しい!」
バイオレットはレッド、ビュンディーはブンドリオの背中を叩く。
「今ならスピンドーを倒せる!」
ピンクが二人の背中を押す。
「みんなのバクアゲ…!」
オレンジが背中を押す。
「お二人に託します!」
ブラックが背中を押す。
「二人が作った爆上戦隊だ。二人が決めろ」
ブルーが背中を押す。
「バクアゲチャンピオンブンブンドライブ!」
レッドとブンドリオが攻撃の間を駆け抜け、スピンドーに最後の攻撃を仕掛けた。一瞬視界が白くなり、音のない世界が広がる。
そして、白いフェドラ帽が宙を舞った。
「あッ…!!」
スピンドーが膝をついた。…トドメを”刺されなかった”のだ。それを分かっているスピンドーは、大也にその理由を問い詰めた。大也はスピンドーの傍に行くとしゃがみ、目線を合わせる。
「あんたには…やるべきことがあるからだ」
「乗っ取った星々から手を引け。大銀河警察、法廷…まだ心ある者はいる筈だ。裁きを受けてもらおう」
ハシリヤンに何もかもを奪われた玄蕃がそう言い放った。それを鼻で笑い、スピンドーはこの処遇を「辱め」と称する。
「俺も証言する。一緒に行こうぜ」
差し出されたブンドリオの手を、スピンドーは振り払う。もう立っている余裕すらも無い筈の体で、地面に落ちたフェドラ帽を被り直す。
「アタシのハンドル、他人に握らせないよ。今はバクアガっても、アタシが消えりゃあ地球は元に戻る。また争いと悲鳴の星よ。…あばよ、ブンの字」
そう言い残し、彼の体は砂となって一気に崩れた。残された帽子だけが、風に乗ってどこかへと飛んでいく。
──ブンブンジャーは、地球を救ったヒーローになった。