ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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「ふざけんなー!!何が結婚だ!!ブンちゃんをこんな目に遭わせたような奴だよ!?やだったらやだ!!」
未来が暴れ、机を叩く音が隠れ家に響いていた。
「うまいことを考えて来たねえ」
「うまいことだぁ?」
「表向きにはブンブンジャーとハシリヤンは和解したように見える。戦いは終わり、世界は平和になりましたというアピールになるわけだ」
「じゃあ、裏の意味は…?」
「ブンブンジャーがハシリヤンに降伏するということだ。ブンピンクは我々を牽制するための人質なのだ」
「俺達の負け…」
「断っちまえよそんなもん」
軽く言ってしまう先斗に、今の世論ではハシリヤンにブンブンジャーを潰す口実を与えることになると玄蕃は諭した。それでも屈服すまいと戦う意思を見せる錠に、「戦えば戦うほどこっちが不利になる」とビュンディーも先を見通した発言をした。
空気が重い。誰もが溜め息を吐いて議論を放棄している。
「…決めた。あたし、結婚する」
「はあ!?」
「自分が何を言ってるのか分かっているのか!?」
「負けを認めるんですか!?」
「わかってるよ!!」
玄蕃達の否定的な声を未来は大声で制した。何も言わない大也の方を見つめ、「大也…」と声をかける。
「これが…あたしが握るハンドル」
「……わかった」
*
ブンブンジャーのことだ。きっと策はある。そう信じたい。信じたかった。
そんなことをぼうっと考えながら待機していた。いつでも敵襲に気が付けるように、擬態を解いた状態で。そんな私の元に、玄蕃がやって来る。
「少し…外に出ないかい?」
「?どうして今…」
「…」
何か言いたげだった。だが、「察してくれ」という視線を向けられた。大人しく頷いて彼に付いて行く。人目を避ける為に街中を通ることは出来なかった。むしろ、どんどん山奥に入って行く。
辿り着いたのは、一見何もない森の中だった。私は首を傾げてゲンバードの姿に戻った玄蕃を見つめていたが、彼は何かの小型装置を取り出してスイッチを押した。
「あ…」
宇宙船だったもの、だ。光学迷彩のようなものを施されたそれが姿を現す。どう見ても、地球の物ではない。
「これでおしまい…だねえ」
「これ…惑星ブレキの…」
「ああ。私が乗って来た宇宙船だ。それも、もう殆どを解体していて…今から使い果たすが」
「使い果たす…?」
「ああ。これでバリケードを作り、ハイウェイ空間まで運ぶ。それの手伝いをしてほしいんだ。私一人でもいいんだが…もしこれが最後になってしまうのなら、君と共同作業というものをしておきたかった」
最後。その言葉に耳ヒレがぴくぴくと動き、彼の顔をまじまじと見た。
「…最後だなんて…言わないでください。だって…これは、玄蕃さんが信じて選んだ最善の策でしょう…?」
「…そうだね。よし、時間もない。とっとと済ませてしまおうか」
「はい!」
玄蕃曰く、スピンドーへのギャーソリン補給路を断つ為のバリケードらしい。指示通りにパーツをはぎ取っていき、二人でハイウェイ空間へ運んでいく。道路を文字通り塞ぐようにして並べられたバリケードは、私が押してもびくともしなかった。
「力持ちで助かるよ」
「これが取柄ですから。単純な腕力なら、ブレキ人には負けません」
「…この後我々は、未来とスピンドーの結婚式に突入しに行く」
宇宙船が無くなった森の中で彼はそう言った。多分、それがブンブンジャーの作戦なのだろう。…もう、戦いに行くことを止めたりはしない。危ない目に遭ってほしくないなんて、甘ったれたことは言わない。
「どうか、その目で見届けてほしい。私達の戦いを」
「…はい」
「さっきは最後になるかもと言ったが…訂正しよう。必ず帰ってくる。どんな所に行っても、必ず君の元へ」
抱き寄せられた。長い髪がくすぐったい。私を抱く手が尾びれを撫でていた。
「あの日。私にアイスを与えてくれて、ありがとう…柚葉」
「…玄蕃さん、ずっと私を助けてくれて…ありがとうございます」
「ブンブンジャーも、柚葉の隣も…私の生きる場所だ。君も…そう思ってくれていると、私は嬉しい」
「勿論です。ずっと、私の生きる場所は…あなたの隣です」
何とも奇妙な縁である。ブレキ人を助けられなかった私が、そのブレキ人に助けられ…こうして、親密な関係になったというのは。きっと、あの世の旧友も見守ってくれている…筈だ。
この居場所を守りたい。ずっと、ずっと。
未来が暴れ、机を叩く音が隠れ家に響いていた。
「うまいことを考えて来たねえ」
「うまいことだぁ?」
「表向きにはブンブンジャーとハシリヤンは和解したように見える。戦いは終わり、世界は平和になりましたというアピールになるわけだ」
「じゃあ、裏の意味は…?」
「ブンブンジャーがハシリヤンに降伏するということだ。ブンピンクは我々を牽制するための人質なのだ」
「俺達の負け…」
「断っちまえよそんなもん」
軽く言ってしまう先斗に、今の世論ではハシリヤンにブンブンジャーを潰す口実を与えることになると玄蕃は諭した。それでも屈服すまいと戦う意思を見せる錠に、「戦えば戦うほどこっちが不利になる」とビュンディーも先を見通した発言をした。
空気が重い。誰もが溜め息を吐いて議論を放棄している。
「…決めた。あたし、結婚する」
「はあ!?」
「自分が何を言ってるのか分かっているのか!?」
「負けを認めるんですか!?」
「わかってるよ!!」
玄蕃達の否定的な声を未来は大声で制した。何も言わない大也の方を見つめ、「大也…」と声をかける。
「これが…あたしが握るハンドル」
「……わかった」
*
ブンブンジャーのことだ。きっと策はある。そう信じたい。信じたかった。
そんなことをぼうっと考えながら待機していた。いつでも敵襲に気が付けるように、擬態を解いた状態で。そんな私の元に、玄蕃がやって来る。
「少し…外に出ないかい?」
「?どうして今…」
「…」
何か言いたげだった。だが、「察してくれ」という視線を向けられた。大人しく頷いて彼に付いて行く。人目を避ける為に街中を通ることは出来なかった。むしろ、どんどん山奥に入って行く。
辿り着いたのは、一見何もない森の中だった。私は首を傾げてゲンバードの姿に戻った玄蕃を見つめていたが、彼は何かの小型装置を取り出してスイッチを押した。
「あ…」
宇宙船だったもの、だ。光学迷彩のようなものを施されたそれが姿を現す。どう見ても、地球の物ではない。
「これでおしまい…だねえ」
「これ…惑星ブレキの…」
「ああ。私が乗って来た宇宙船だ。それも、もう殆どを解体していて…今から使い果たすが」
「使い果たす…?」
「ああ。これでバリケードを作り、ハイウェイ空間まで運ぶ。それの手伝いをしてほしいんだ。私一人でもいいんだが…もしこれが最後になってしまうのなら、君と共同作業というものをしておきたかった」
最後。その言葉に耳ヒレがぴくぴくと動き、彼の顔をまじまじと見た。
「…最後だなんて…言わないでください。だって…これは、玄蕃さんが信じて選んだ最善の策でしょう…?」
「…そうだね。よし、時間もない。とっとと済ませてしまおうか」
「はい!」
玄蕃曰く、スピンドーへのギャーソリン補給路を断つ為のバリケードらしい。指示通りにパーツをはぎ取っていき、二人でハイウェイ空間へ運んでいく。道路を文字通り塞ぐようにして並べられたバリケードは、私が押してもびくともしなかった。
「力持ちで助かるよ」
「これが取柄ですから。単純な腕力なら、ブレキ人には負けません」
「…この後我々は、未来とスピンドーの結婚式に突入しに行く」
宇宙船が無くなった森の中で彼はそう言った。多分、それがブンブンジャーの作戦なのだろう。…もう、戦いに行くことを止めたりはしない。危ない目に遭ってほしくないなんて、甘ったれたことは言わない。
「どうか、その目で見届けてほしい。私達の戦いを」
「…はい」
「さっきは最後になるかもと言ったが…訂正しよう。必ず帰ってくる。どんな所に行っても、必ず君の元へ」
抱き寄せられた。長い髪がくすぐったい。私を抱く手が尾びれを撫でていた。
「あの日。私にアイスを与えてくれて、ありがとう…柚葉」
「…玄蕃さん、ずっと私を助けてくれて…ありがとうございます」
「ブンブンジャーも、柚葉の隣も…私の生きる場所だ。君も…そう思ってくれていると、私は嬉しい」
「勿論です。ずっと、私の生きる場所は…あなたの隣です」
何とも奇妙な縁である。ブレキ人を助けられなかった私が、そのブレキ人に助けられ…こうして、親密な関係になったというのは。きっと、あの世の旧友も見守ってくれている…筈だ。
この居場所を守りたい。ずっと、ずっと。