ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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玄蕃はぐるりと船内を見渡した。旧友の私物や仕事道具は一か所にまとめて仕舞っており、見える範囲には私が得た物だけが並べられている。
「ここは落ち着くね。…故郷の匂いがする」
「…そういえば、玄蕃さんって普段どこで寝泊まりしてるんですか?」
「故郷から乗って来た宇宙船さ。まあそれも、大也達にパーツの調達を頼まれた際に少しずつバラしているんだが」
「…それじゃあ、家がなくなっちゃいますよ…」
「なら、地球での寝床がなくなった時は、ここに住ませてもらおうかな」
「ええっ?わ、私は良いんですけど…玄蕃さんは良いんですか?」
「…いや、私の方こそ…良いのかい?」
「も、もちろんです!今からだって良いくらいです!」
そこまで言い、「しまった喋り過ぎた」と自覚して顔が熱くなった。
「…じゃあ、たまにはお泊りに来ようかな」
「是非!」
「…恋人とはいえ、男を簡単に信用するのは心配になるねえ」
「?ブンオレンジになってない玄蕃さんに負けることないですし…」
「…そう言われると、試してみたくなる」
玄蕃はゲンバードの姿に戻り、席を立ち上がる。私の腕を掴んで、ベッドへと引き込んだ。ベッドに腰掛ける彼は私を強く抱きしめており、背中にかかる長い白髪が視界に入った。
「ブレキ人だって、地球人より何倍も力がある。元の姿に戻っていない君に乱暴することだって、簡単なんだ」
「……じゃあ、本当にしちゃいますか…?」
「え」
どこか期待のこもった声で返事をした彼を、本来の姿に戻って即座にベッドへ押し倒した。白髪がシーツの上に広がり、耳がぴくぴくと動く。頬に浮かんでいるペイントのようなものを撫で、私は口角を緩めた。
「可愛い…」
可愛すぎると思った相手に、攻撃的な行動をとったり衝動が引き起こされることを、キュートアグレッションと呼ぶらしい。別に、壊したり傷付けたりしたい訳ではない。でも、強く抱きしめたい、噛みたい、組み伏したいと思ったり、それを実行すると満たされる自分がいる。怯える表情すら、愛らしくて堪らないと思ってしまう。
痛い思いはしてほしくない。でも、強い触れ合いで気持ちを満たしたい。
「……まあ、君が相手なら下でも構わないんだが……」
玄蕃は少し困った顔で、頬を赤らめてそう呟く。多分それは、「そういうこと」の話なのだろう。私はそういう恋愛はあまり知らない。少女漫画や恋愛小説では、キス以上のことはあまり見れなかった。
「…私としては、好きな子には与える方が性に合うんだ」
「私は…あんまり詳しくないので、教えていただけると…有難いです」
「…教えてあげようか?」
片腕で抱き寄せ、もう片方の手の指で私の唇をなぞる。
彼はその、立場的に女性経験というか、異性と触れ合う機会が多かったのだろうか。手慣れているようで、何だか悔しいような、寂しいような…。
「……玄蕃さんに教えてもらえるなら、何でも嬉しいです」
「それじゃあ失礼するよ」
ふに、と柔らかい感触があった。キスしてもらった、と理解した瞬間体が熱くなり、尾びれが慌ただしく揺れる。至近距離で目を合わせる玄蕃はにまにまと笑っており、してやったりと言いたげだ。
「……」
自分が、少女漫画のヒロインのようなことをしてもらう日がくるとは思わなかった。まるで今だけロマンスストーリーの主人公になった気分だ。相手は、王子様みたいに素敵な人。いや、実際王子様のような身分ではあるのだが。
「…嫌だったかい?その…それなりに親しい仲とはいえ、交際期間も短いのにこんなことをされて…」
「え!?い、いえ!嬉しいです!嬉し過ぎて…ビックリしちゃって…」
「そうか…それなら良かった」
体を起こし、玄蕃は私を腕の中に収めた。長い髪がかかって、彼の匂いに包まれる。甘い匂いがする。それに、あたたかい。良い匂いがして、凄くあたたかくて…安心する。
「…君達の種族は、元の姿に戻る時自動的に服も変わるものなのだと思っていたけど、どうやら違うようだね」
「あの時は、地球じゃない惑星で買った服を着ていたんです。擬態を解く脳の信号に反応して服が変わる仕様になっていて…」
「なるほど。だから今はそのままなんだね」
「はい。玄蕃さんの服には、そういう仕掛けはないんですか?」
「ああ。それに、私はこの服をとても気に入っていてね。これは銀河通販でも取り扱われている、24度から26度の間の丁度良い温度を保つことができる服なんだ」
「そんな服があるんですか!?凄い…!その技術が可愛い服に使われたら、もうオシャレの時に寒いのを我慢しなくていいじゃないですか…!」
良いなあと呟いて服の裾を触ってみる。確かに地球の服では見たことのない素材だ。
「うちに来たら、オーダーメイドの服も頼み放題だよ。全部一点もので、宇宙で一つだけの、君だけの服だ」
「ええっ、良いんですか!?じゃあ、思い描いた可愛い服が着放題なんですか…!?」
「勿論」
「ええ~っ…最高ですね…!」
「でも、その服には全部うちの商標が付くことになる。つまり、君は私の所から離れられなくなるんだよ」
ぎゅう、と抱きしめられた。甘い匂いが、私を閉じ込めた。
「ここは落ち着くね。…故郷の匂いがする」
「…そういえば、玄蕃さんって普段どこで寝泊まりしてるんですか?」
「故郷から乗って来た宇宙船さ。まあそれも、大也達にパーツの調達を頼まれた際に少しずつバラしているんだが」
「…それじゃあ、家がなくなっちゃいますよ…」
「なら、地球での寝床がなくなった時は、ここに住ませてもらおうかな」
「ええっ?わ、私は良いんですけど…玄蕃さんは良いんですか?」
「…いや、私の方こそ…良いのかい?」
「も、もちろんです!今からだって良いくらいです!」
そこまで言い、「しまった喋り過ぎた」と自覚して顔が熱くなった。
「…じゃあ、たまにはお泊りに来ようかな」
「是非!」
「…恋人とはいえ、男を簡単に信用するのは心配になるねえ」
「?ブンオレンジになってない玄蕃さんに負けることないですし…」
「…そう言われると、試してみたくなる」
玄蕃はゲンバードの姿に戻り、席を立ち上がる。私の腕を掴んで、ベッドへと引き込んだ。ベッドに腰掛ける彼は私を強く抱きしめており、背中にかかる長い白髪が視界に入った。
「ブレキ人だって、地球人より何倍も力がある。元の姿に戻っていない君に乱暴することだって、簡単なんだ」
「……じゃあ、本当にしちゃいますか…?」
「え」
どこか期待のこもった声で返事をした彼を、本来の姿に戻って即座にベッドへ押し倒した。白髪がシーツの上に広がり、耳がぴくぴくと動く。頬に浮かんでいるペイントのようなものを撫で、私は口角を緩めた。
「可愛い…」
可愛すぎると思った相手に、攻撃的な行動をとったり衝動が引き起こされることを、キュートアグレッションと呼ぶらしい。別に、壊したり傷付けたりしたい訳ではない。でも、強く抱きしめたい、噛みたい、組み伏したいと思ったり、それを実行すると満たされる自分がいる。怯える表情すら、愛らしくて堪らないと思ってしまう。
痛い思いはしてほしくない。でも、強い触れ合いで気持ちを満たしたい。
「……まあ、君が相手なら下でも構わないんだが……」
玄蕃は少し困った顔で、頬を赤らめてそう呟く。多分それは、「そういうこと」の話なのだろう。私はそういう恋愛はあまり知らない。少女漫画や恋愛小説では、キス以上のことはあまり見れなかった。
「…私としては、好きな子には与える方が性に合うんだ」
「私は…あんまり詳しくないので、教えていただけると…有難いです」
「…教えてあげようか?」
片腕で抱き寄せ、もう片方の手の指で私の唇をなぞる。
彼はその、立場的に女性経験というか、異性と触れ合う機会が多かったのだろうか。手慣れているようで、何だか悔しいような、寂しいような…。
「……玄蕃さんに教えてもらえるなら、何でも嬉しいです」
「それじゃあ失礼するよ」
ふに、と柔らかい感触があった。キスしてもらった、と理解した瞬間体が熱くなり、尾びれが慌ただしく揺れる。至近距離で目を合わせる玄蕃はにまにまと笑っており、してやったりと言いたげだ。
「……」
自分が、少女漫画のヒロインのようなことをしてもらう日がくるとは思わなかった。まるで今だけロマンスストーリーの主人公になった気分だ。相手は、王子様みたいに素敵な人。いや、実際王子様のような身分ではあるのだが。
「…嫌だったかい?その…それなりに親しい仲とはいえ、交際期間も短いのにこんなことをされて…」
「え!?い、いえ!嬉しいです!嬉し過ぎて…ビックリしちゃって…」
「そうか…それなら良かった」
体を起こし、玄蕃は私を腕の中に収めた。長い髪がかかって、彼の匂いに包まれる。甘い匂いがする。それに、あたたかい。良い匂いがして、凄くあたたかくて…安心する。
「…君達の種族は、元の姿に戻る時自動的に服も変わるものなのだと思っていたけど、どうやら違うようだね」
「あの時は、地球じゃない惑星で買った服を着ていたんです。擬態を解く脳の信号に反応して服が変わる仕様になっていて…」
「なるほど。だから今はそのままなんだね」
「はい。玄蕃さんの服には、そういう仕掛けはないんですか?」
「ああ。それに、私はこの服をとても気に入っていてね。これは銀河通販でも取り扱われている、24度から26度の間の丁度良い温度を保つことができる服なんだ」
「そんな服があるんですか!?凄い…!その技術が可愛い服に使われたら、もうオシャレの時に寒いのを我慢しなくていいじゃないですか…!」
良いなあと呟いて服の裾を触ってみる。確かに地球の服では見たことのない素材だ。
「うちに来たら、オーダーメイドの服も頼み放題だよ。全部一点もので、宇宙で一つだけの、君だけの服だ」
「ええっ、良いんですか!?じゃあ、思い描いた可愛い服が着放題なんですか…!?」
「勿論」
「ええ~っ…最高ですね…!」
「でも、その服には全部うちの商標が付くことになる。つまり、君は私の所から離れられなくなるんだよ」
ぎゅう、と抱きしめられた。甘い匂いが、私を閉じ込めた。