ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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柚葉は出て来たプリクラをお守りのように両手で持っていると、「シワができてしまうよ」と玄蕃に言われた。仕方なく鞄に直し、二人は公園のベンチで黄昏る。もうすぐ夕暮れ時だ。
「ふふ、今日凄く楽しかったです」
「それは良かった」
「…玄蕃さんは、楽しかったですか…?」
「もちろん。私も、楽しい時間を過ごさせてもらったよ」
笑い合った二人は、自然と手を重ねていた。夕焼けが並んだ二人を照らす。出来た影には、猫耳と耳ヒレがついているように見えた。
「……もう少し答え合わせをしようか」
「?はい」
「私は地球人の年齢で言うならば、27歳程だ」
「あ、先斗さんと近いんですね」
「だが──本来は、10万27歳となる。…君にとっては、随分な年寄りなのかもしれない」
はは、と玄蕃は笑った。確かに、柚葉はまだ実年齢を明かしていない。ごくりと唾を飲み、彼女は少し沈黙した後「ええと」と口を開いた。
「……そんなに、歳の差ないです……」
「え」
「……9万10歳、です」
目を見開く玄蕃。それはつまり、彼女が何万年という時間を戦い抜き、生き、勝利していたことを裏付けることになる。何歳の時に故郷を発ったのかは不明だが、惑星ブレキが無事だった頃にブレキ人と遭遇しているということは、そういうことなのかもしれない──と、一人で思案する。
「あ、あの、だから…全然、お年寄りじゃないです。お兄さんくらいの気持ちです」
「…よかった……」
「…気にしていたんですか?」
「そりゃあ…そうだろう」
児童ポルノに引っ掛かるのは御免だ、と玄蕃は呟いて飴を舐める。それが柚葉には何だか幼い子供のように見えて、つい「ふふ」と笑ってしまった。不服そうな顔をする玄蕃を見て、「ごめんなさい」と笑いながら謝る。
「柚葉は…ずっと、戦ってきたのか」
「…そうですね」
「…」
「……文化といえども、人殺しです。汚れた手の私は、嫌いですか?」
「…私だって、故郷で私を逃がしてくれた者達を見殺しにしたようなものだ。彼らがどうなったのかは、分からない」
「…玄蕃さんは悪くありません。玄蕃さんの手は、優しくて温かくて…汚れてなんかいません」
「なら、私にとっての君もまた同じ存在だ。確かに君は同族を殺していたのかもしれないが、本意ではなかった筈だ。それとも、好き好んで殺していたのかい?」
「まさか!……ずっと、あの感触を忘れたくて……でも……」
俯き、重ねていない方の手のひらを見つめる柚葉。返り血で汚れた手が、フラッシュバックした。命を奪うという行為。疑問を抱くことすら無かった行為は、他の星では禁忌であり重罪だったという現実。罪という、故郷には無かった概念。
戦いが嫌い。でも、生きる為には戦って、殺すしかない。──しかし、地球では犯罪者だ。殺してきた人数は両手に収まらない。足の指を足しても足りない。もう覚えていない程、命を奪った。
どうしようもない程の罪悪感が彼女にはあった。汚れた自分と、眩しく輝くブンブンジャー。触れ合えば触れ合う程、汚してしまうのではないかという恐れ。
「まあ、私達だってマッドレックスやキャノンボーグ、そしてディスレースを…殺したんだ。そしてこれからも、敵対する者を殺す」
「それは…地球を守る為です。沢山の人の命を守る為です」
「私は…君も、同じだと言いたいんだ。君だって、自らや仲間の命を守る為に戦った。それだけだ」
見つめていた手をとり、その手の中に飴を握らせる。
「同じだよ、私達は」
「……違います」
「同じだ」
「でも!」
「柚葉」
反射的に滲み出て来た涙を頬に流す彼女を、玄蕃は抱きしめた。少し甘い香りが、彼女を包む。背中に手を回すと、体格差を実感する。
「大丈夫だよ」
「……」
「私達は君を嫌ったりしない。君の優しさは、私達がよく知っている」
「私…優しく、なんて……」
「君がどう思っていようが、関係ない。私達は、柚葉が大好きだ。そして私は、君を愛している」
涙が、玄蕃の肩に落ちて滲んだ。子供のように泣き出す彼女をあやすように背中を撫で、玄蕃は「大丈夫」ともう一度言う。
大切な人を失い、故郷を離れ、時系列は違えど復讐を果たした二人。少なくとも玄蕃にとっては、柚葉は自分と同じ存在だった。同じだからこそ、その苦悩が分かった。
「ふふ、今日凄く楽しかったです」
「それは良かった」
「…玄蕃さんは、楽しかったですか…?」
「もちろん。私も、楽しい時間を過ごさせてもらったよ」
笑い合った二人は、自然と手を重ねていた。夕焼けが並んだ二人を照らす。出来た影には、猫耳と耳ヒレがついているように見えた。
「……もう少し答え合わせをしようか」
「?はい」
「私は地球人の年齢で言うならば、27歳程だ」
「あ、先斗さんと近いんですね」
「だが──本来は、10万27歳となる。…君にとっては、随分な年寄りなのかもしれない」
はは、と玄蕃は笑った。確かに、柚葉はまだ実年齢を明かしていない。ごくりと唾を飲み、彼女は少し沈黙した後「ええと」と口を開いた。
「……そんなに、歳の差ないです……」
「え」
「……9万10歳、です」
目を見開く玄蕃。それはつまり、彼女が何万年という時間を戦い抜き、生き、勝利していたことを裏付けることになる。何歳の時に故郷を発ったのかは不明だが、惑星ブレキが無事だった頃にブレキ人と遭遇しているということは、そういうことなのかもしれない──と、一人で思案する。
「あ、あの、だから…全然、お年寄りじゃないです。お兄さんくらいの気持ちです」
「…よかった……」
「…気にしていたんですか?」
「そりゃあ…そうだろう」
児童ポルノに引っ掛かるのは御免だ、と玄蕃は呟いて飴を舐める。それが柚葉には何だか幼い子供のように見えて、つい「ふふ」と笑ってしまった。不服そうな顔をする玄蕃を見て、「ごめんなさい」と笑いながら謝る。
「柚葉は…ずっと、戦ってきたのか」
「…そうですね」
「…」
「……文化といえども、人殺しです。汚れた手の私は、嫌いですか?」
「…私だって、故郷で私を逃がしてくれた者達を見殺しにしたようなものだ。彼らがどうなったのかは、分からない」
「…玄蕃さんは悪くありません。玄蕃さんの手は、優しくて温かくて…汚れてなんかいません」
「なら、私にとっての君もまた同じ存在だ。確かに君は同族を殺していたのかもしれないが、本意ではなかった筈だ。それとも、好き好んで殺していたのかい?」
「まさか!……ずっと、あの感触を忘れたくて……でも……」
俯き、重ねていない方の手のひらを見つめる柚葉。返り血で汚れた手が、フラッシュバックした。命を奪うという行為。疑問を抱くことすら無かった行為は、他の星では禁忌であり重罪だったという現実。罪という、故郷には無かった概念。
戦いが嫌い。でも、生きる為には戦って、殺すしかない。──しかし、地球では犯罪者だ。殺してきた人数は両手に収まらない。足の指を足しても足りない。もう覚えていない程、命を奪った。
どうしようもない程の罪悪感が彼女にはあった。汚れた自分と、眩しく輝くブンブンジャー。触れ合えば触れ合う程、汚してしまうのではないかという恐れ。
「まあ、私達だってマッドレックスやキャノンボーグ、そしてディスレースを…殺したんだ。そしてこれからも、敵対する者を殺す」
「それは…地球を守る為です。沢山の人の命を守る為です」
「私は…君も、同じだと言いたいんだ。君だって、自らや仲間の命を守る為に戦った。それだけだ」
見つめていた手をとり、その手の中に飴を握らせる。
「同じだよ、私達は」
「……違います」
「同じだ」
「でも!」
「柚葉」
反射的に滲み出て来た涙を頬に流す彼女を、玄蕃は抱きしめた。少し甘い香りが、彼女を包む。背中に手を回すと、体格差を実感する。
「大丈夫だよ」
「……」
「私達は君を嫌ったりしない。君の優しさは、私達がよく知っている」
「私…優しく、なんて……」
「君がどう思っていようが、関係ない。私達は、柚葉が大好きだ。そして私は、君を愛している」
涙が、玄蕃の肩に落ちて滲んだ。子供のように泣き出す彼女をあやすように背中を撫で、玄蕃は「大丈夫」ともう一度言う。
大切な人を失い、故郷を離れ、時系列は違えど復讐を果たした二人。少なくとも玄蕃にとっては、柚葉は自分と同じ存在だった。同じだからこそ、その苦悩が分かった。