ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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ディスレースは柚葉の首根っこを掴んで軽々と持ち上げた。そして、サンシーターに逃げられようともまだ何か策を残している素振りを見せている。
「きな臭せェっていうか、魚臭せェっていうか……」
物理的ににおいを嗅いでいるのか、顔を近付ける。それを見た玄蕃が鬼の形相で「ディスレース!!!」と叫んだ。それを聞いた柚葉は、こいつが玄蕃さんの仇、と改めてディスレースの姿を確認する。
「そうそう、血生臭せェんだわ!お前、何か隠してんだろ?」
「…」
「だんまり、ねェ」
彼女の腹に一発拳を入れた。呻き声を上げ、苦痛に顔を歪ませる。鎖を巻かれている為腹を押さえることも出来なかった。
「やめろ!!」
「おっと、それ以上近付くとマジでコイツ殺すからな」
「ディスレース…お前はまた、私から…!!」
「コイツが正体見せりゃあ全部解決する話なの。わかんねェ?」
「ぐ、ッ……!!」
今度は膝蹴りを入れ、地に伏した柚葉の背中に足を置いて捻じ伏せる。体重を掛けられ度に彼女が唸り、痛みに身を捩る。今にも飛び掛かりそうな玄蕃を錠と先斗が力尽くで押さえこんでいた。
「早くしろよ。でないと本当に俺に殺されるぜ?」
「…ッ」
「…あーそう。…そういえば、地球では顔に傷が残ることを嫌がるんだよな?」
ディスレースは柚葉の顔を掴み、無理矢理上体を起こさせた。そして頬に触れる。グローブのような手だが、柔肌に傷跡を残すだけなら十分だ。殴るなり抉るなりすれば、柚葉の顔には何かしらの傷が残るだろう。
彼女が人一倍見た目に気を使っていることを知っている面子は一気に顔が青ざめた。このままでは、彼女はもうファッションを心の底から楽しむことができなくなる。
「黙ってるってことは、それなりの覚悟があるんだよな?」
「……」
「まただんまりかよ。もういいわ、お前」
興味を失くしたディスレースは、拳を握って右腕を上げる。「やめて!!」と未来が叫んだが無残にもその拳は振り下ろされ、ゴン!と鈍い音が響いた。
地球人が宇宙人に殴られて出る音ではない。殴った際の違和感に気付いたディスレースは、殴った先を見つめた。頬ではなく、額があった。ディスレースの拳を、柚葉は額で受け止めていた。
「え……?」
「……軽い」
彼女は唖然としているディスレースの骸のような頭に頭突きを入れた。何の変哲もないただの頭突きだ。だが、気を抜いていたディスレースは叩き込まれた衝撃に体勢を崩し、尻餅をつく。その間に立ち上がり、柚葉は腕の力だけで金属の鎖を引き裂いた。パラパラと鎖が地面に落ちていく。
「巻き方、甘いです。もう少し強く、正しい巻き方で巻いていれば危なかったかもしれません」
明らかに地球人ではなかった。能力も、容姿も、服装も。
人間の耳に当たる部分には灰色のヒレ耳がついていた。同じ色のヒレが背中側にもついている。丸出しになった腹部と太ももには赤みがかかった鱗がぼんやりと浮かび、開いた口からはノコギリのような歯が覗いているた。仕事の服装から茶色とターコイズブルーを基調とした民族衣装に着替えており、何より手には鞘に収めた得物を携えている。
「その、姿は……」
振騎玄蕃からゲンバード・デ・リバリー二世の姿への変貌を一度見ているとはいえ、予想外の人物から予想外の事実が飛び出したことにその場の誰もが驚きを隠せていなかった。それに反して当事者は至って冷静で、鞘から獲物を抜き、ディスレースに刃を向ける。
驚愕のあまり言葉を失っていたが、彼はやがて心底愉快そうに笑い出した。奇妙な行動に柚葉は身構え、対してディスレースは立ち上がる。
「お前、エン人か。ハハッ……ハハハ!!」
「っ、何が可笑しいんですか…!」
「お前の故郷、エン星な。最初にあそこの侵略の指揮とってたの、俺なんだわ」
「!?」
「ついでに言うと、エン星を侵略するっつーアイデアを出したのも俺。お前らエン人は戦いだけは出来るから、そのままハシリヤンの人材育成に使おうと思ってたってワケ」
怒りのあまりみるみるうちに柚葉の顔が赤くなっていく。しかし刀を握っている手は全く震えておらず、獲物を捉え続けている。
「どうりで血生臭せェワケだわ。宇宙一の蛮族、殺しなんて日常茶飯事だもんなァ?」
ディスレースはわざとらしくブンブンジャーにこの会話を聞かせていた。ブンドリオが駄目なら、次は玄蕃に近い存在。しかもそれが戦いを続けてきた、いわば暴力のプロフェッショナルとなれば懐疑心を植え付ける起爆剤にはうってつけである。人質作戦が上手くいかなくなった今、目標を自分から柚葉に逸らそうと画策しているのだ。
「ほら、見ろよお前ら!コイツはお前らをずっと騙してた!血生臭せェ過去を隠して、のうのうと生きてやがった!」
柚葉は何も反論しなかった。──ディスレースの言うことは正しい。私は確かに、戦いで何人もの同族を殺してきた。それについて言い訳をするつもりはない。
一人楽しそうに笑うディスレースを差し置いて、柚葉はサンシーターと同じ裏口から廃工場を出て行こうとする。「柚葉!」という玄蕃の呼びかけには足を止めたが、ごめんなさい、と困ったように笑って走り去って行った。
「きな臭せェっていうか、魚臭せェっていうか……」
物理的ににおいを嗅いでいるのか、顔を近付ける。それを見た玄蕃が鬼の形相で「ディスレース!!!」と叫んだ。それを聞いた柚葉は、こいつが玄蕃さんの仇、と改めてディスレースの姿を確認する。
「そうそう、血生臭せェんだわ!お前、何か隠してんだろ?」
「…」
「だんまり、ねェ」
彼女の腹に一発拳を入れた。呻き声を上げ、苦痛に顔を歪ませる。鎖を巻かれている為腹を押さえることも出来なかった。
「やめろ!!」
「おっと、それ以上近付くとマジでコイツ殺すからな」
「ディスレース…お前はまた、私から…!!」
「コイツが正体見せりゃあ全部解決する話なの。わかんねェ?」
「ぐ、ッ……!!」
今度は膝蹴りを入れ、地に伏した柚葉の背中に足を置いて捻じ伏せる。体重を掛けられ度に彼女が唸り、痛みに身を捩る。今にも飛び掛かりそうな玄蕃を錠と先斗が力尽くで押さえこんでいた。
「早くしろよ。でないと本当に俺に殺されるぜ?」
「…ッ」
「…あーそう。…そういえば、地球では顔に傷が残ることを嫌がるんだよな?」
ディスレースは柚葉の顔を掴み、無理矢理上体を起こさせた。そして頬に触れる。グローブのような手だが、柔肌に傷跡を残すだけなら十分だ。殴るなり抉るなりすれば、柚葉の顔には何かしらの傷が残るだろう。
彼女が人一倍見た目に気を使っていることを知っている面子は一気に顔が青ざめた。このままでは、彼女はもうファッションを心の底から楽しむことができなくなる。
「黙ってるってことは、それなりの覚悟があるんだよな?」
「……」
「まただんまりかよ。もういいわ、お前」
興味を失くしたディスレースは、拳を握って右腕を上げる。「やめて!!」と未来が叫んだが無残にもその拳は振り下ろされ、ゴン!と鈍い音が響いた。
地球人が宇宙人に殴られて出る音ではない。殴った際の違和感に気付いたディスレースは、殴った先を見つめた。頬ではなく、額があった。ディスレースの拳を、柚葉は額で受け止めていた。
「え……?」
「……軽い」
彼女は唖然としているディスレースの骸のような頭に頭突きを入れた。何の変哲もないただの頭突きだ。だが、気を抜いていたディスレースは叩き込まれた衝撃に体勢を崩し、尻餅をつく。その間に立ち上がり、柚葉は腕の力だけで金属の鎖を引き裂いた。パラパラと鎖が地面に落ちていく。
「巻き方、甘いです。もう少し強く、正しい巻き方で巻いていれば危なかったかもしれません」
明らかに地球人ではなかった。能力も、容姿も、服装も。
人間の耳に当たる部分には灰色のヒレ耳がついていた。同じ色のヒレが背中側にもついている。丸出しになった腹部と太ももには赤みがかかった鱗がぼんやりと浮かび、開いた口からはノコギリのような歯が覗いているた。仕事の服装から茶色とターコイズブルーを基調とした民族衣装に着替えており、何より手には鞘に収めた得物を携えている。
「その、姿は……」
振騎玄蕃からゲンバード・デ・リバリー二世の姿への変貌を一度見ているとはいえ、予想外の人物から予想外の事実が飛び出したことにその場の誰もが驚きを隠せていなかった。それに反して当事者は至って冷静で、鞘から獲物を抜き、ディスレースに刃を向ける。
驚愕のあまり言葉を失っていたが、彼はやがて心底愉快そうに笑い出した。奇妙な行動に柚葉は身構え、対してディスレースは立ち上がる。
「お前、エン人か。ハハッ……ハハハ!!」
「っ、何が可笑しいんですか…!」
「お前の故郷、エン星な。最初にあそこの侵略の指揮とってたの、俺なんだわ」
「!?」
「ついでに言うと、エン星を侵略するっつーアイデアを出したのも俺。お前らエン人は戦いだけは出来るから、そのままハシリヤンの人材育成に使おうと思ってたってワケ」
怒りのあまりみるみるうちに柚葉の顔が赤くなっていく。しかし刀を握っている手は全く震えておらず、獲物を捉え続けている。
「どうりで血生臭せェワケだわ。宇宙一の蛮族、殺しなんて日常茶飯事だもんなァ?」
ディスレースはわざとらしくブンブンジャーにこの会話を聞かせていた。ブンドリオが駄目なら、次は玄蕃に近い存在。しかもそれが戦いを続けてきた、いわば暴力のプロフェッショナルとなれば懐疑心を植え付ける起爆剤にはうってつけである。人質作戦が上手くいかなくなった今、目標を自分から柚葉に逸らそうと画策しているのだ。
「ほら、見ろよお前ら!コイツはお前らをずっと騙してた!血生臭せェ過去を隠して、のうのうと生きてやがった!」
柚葉は何も反論しなかった。──ディスレースの言うことは正しい。私は確かに、戦いで何人もの同族を殺してきた。それについて言い訳をするつもりはない。
一人楽しそうに笑うディスレースを差し置いて、柚葉はサンシーターと同じ裏口から廃工場を出て行こうとする。「柚葉!」という玄蕃の呼びかけには足を止めたが、ごめんなさい、と困ったように笑って走り去って行った。