ヨシ!【爆上・振騎玄蕃】
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いつもと変わらないキッチンカーからの景色。今日は客足が少なく、思わず欠伸をしそうになるくらい暇だった。椅子に座ってウトウトしていると、足音が近付いてくる。一気に目が覚めて立ち上がると、「こんにちは」といつもの玄蕃がやって来た。
「玄蕃さん。こんにちは」
「キャラメル味を注文してもいいかな」
「はい、勿論」
ディッシャーでアイスをすくっていると、玄蕃は席に着かずカウンターの前に立ったまま話しかけてきた。
「…仕事中に話しかけてもいいかい?」
「はい、何でしょう?」
「……柚葉は、復讐をすることについてどう思う?」
思わず手が止まった。脳裏を、とあるブレキ人の死体が過ってしまった。
「よく、復讐は何も生まないと言うだろう?それについて、君の考えを聞きたくてね」
「…はあ」
「…あまり気乗りしていない様子だね」
「いえ…」
アイスを差し出し、キッチンカーから出た。客もいないから大丈夫だろうと思いドアを閉じて鍵を閉め、玄蕃と共に席に着く。そこでようやく気が付いた。彼からはどす黒い負のオーラが出ている。明らかに「いつもの玄蕃」ではない。
「……私は、復讐はしていいと思いますよ」
「…意外だねぇ。君からそういう過激な発言が出てくるのは」
「…まあ、人のことは言えないので」
私が昔行ったことは、間違いなく「復讐」だ。復讐心から、仇を全員殺した。
それに対し、間違ったことをしたという意識は無い。しかし同時に「やって良かった」という意識もない。復讐を果たした先には、虚無だけが残る。
「復讐の先に何があるのか、起きるのか…それらを見据えているのなら、別に復讐者を止めるつもりはありません」
「…そうか」
「……復讐、するんですか?誰かに」
「……ちょっと、ね」
苦笑しているが、目は笑っていなかった。今にも人を殺しそうな目だ。良くない。こういう目は、却って良くない結果を招く。戦場で同じ目をした者達を何人も見てきた。皆、一人で突っ走って死んでいった。
「……私、玄蕃さんの力になんて全然なれないかもしれませんけど…いつでも、連絡してください」
「…」
「誰にも言いませんから。玄蕃さんがこうやって悩んでること…抱えていること。あなたがアイスを食べたくなった時に…ここに来てくださったら…私、凄く嬉しいんです」
今にも泣き出しそうな顔で玄蕃はアイスを口に運んでいた。小さく震える手は、あまりにもか弱そうで…愛おしい。守ってあげたい。本当は、来てくれるだけじゃ物足りない。沢山話をしたい。もっと近付きたい。
でも、彼があくまでも一人で背負うというのなら止めることはしない。私には、止める権利なんて無いのだから。
「…柚葉」
「?はい」
「……手を、握ってもいいかい?アイスを食べていたら、体が冷えてしまったんだ」
「…はい、もちろん」
遠慮気味に手を差し出すと、両手で包まれた。ぶわ、と顔が熱くなるのを感じる。彼の体温が、薄い皮膚を通して伝わってくる。
何となく、蜷咲┌縺嶺ココを思い出してしまった。そんな筈はないのに。玄蕃に獣のような耳は生えていないし、瞳孔も人間と同じだ。それなのに、何故か懐かしい香りがする。
「……君の手は、冷たいな」
「ディッシャー、触ってましたから」
「…柚葉の方が寒そうだねぇ」
「もう慣れました。それに私、冷たいものには耐性があるんです」
「羨ましいな…私は、寒いのは苦手だ」
「じゃあ私達、一緒にいたら相性良いですね」
「……ああ。君といたら、寒いのも耐えられそうだ」
気が抜けたのか、ふにゃりと玄蕃は微笑んだ。
きっと、彼は彼なりに悩んでいる。もしかしたら、その悩みはブンブンジャーの人達でも解決できないのかもしれない。だから私に、妙な問いをしてきたのだろう。
少しだけ、嬉しいと思う自分がいた。悩みを抱え込んでいる玄蕃にとって、唯一真意に近いものを打ち明けた相手が私だったのなら。──嬉しくて、気持ち良くて、堪らない。
「好きだよ」
「…えっ?」
聞き間違いかと思い、思わず彼の顔をまじまじと見つめてしまった。しかしあちらはけろりとしており、照れなんて全く見せていない。
「君と一緒に食べるアイスが、私はとても好きだ」
「あ、ああ…なるほど……」
「……甘い物は、特別なんだ。特に飴は私にとって特別なものだが…ここのアイスも、また違った特別なものだ」
「?ありがとう…ございます?」
「ご馳走様。…また来るよ」
立ち上がり、彼はすたすたと去って行った。きょとんとした顔で私はその背中を見つめていたが、テーブルに残されたカップを見て「片付けないと」と呟き、慌てて仕事に戻った。
「玄蕃さん。こんにちは」
「キャラメル味を注文してもいいかな」
「はい、勿論」
ディッシャーでアイスをすくっていると、玄蕃は席に着かずカウンターの前に立ったまま話しかけてきた。
「…仕事中に話しかけてもいいかい?」
「はい、何でしょう?」
「……柚葉は、復讐をすることについてどう思う?」
思わず手が止まった。脳裏を、とあるブレキ人の死体が過ってしまった。
「よく、復讐は何も生まないと言うだろう?それについて、君の考えを聞きたくてね」
「…はあ」
「…あまり気乗りしていない様子だね」
「いえ…」
アイスを差し出し、キッチンカーから出た。客もいないから大丈夫だろうと思いドアを閉じて鍵を閉め、玄蕃と共に席に着く。そこでようやく気が付いた。彼からはどす黒い負のオーラが出ている。明らかに「いつもの玄蕃」ではない。
「……私は、復讐はしていいと思いますよ」
「…意外だねぇ。君からそういう過激な発言が出てくるのは」
「…まあ、人のことは言えないので」
私が昔行ったことは、間違いなく「復讐」だ。復讐心から、仇を全員殺した。
それに対し、間違ったことをしたという意識は無い。しかし同時に「やって良かった」という意識もない。復讐を果たした先には、虚無だけが残る。
「復讐の先に何があるのか、起きるのか…それらを見据えているのなら、別に復讐者を止めるつもりはありません」
「…そうか」
「……復讐、するんですか?誰かに」
「……ちょっと、ね」
苦笑しているが、目は笑っていなかった。今にも人を殺しそうな目だ。良くない。こういう目は、却って良くない結果を招く。戦場で同じ目をした者達を何人も見てきた。皆、一人で突っ走って死んでいった。
「……私、玄蕃さんの力になんて全然なれないかもしれませんけど…いつでも、連絡してください」
「…」
「誰にも言いませんから。玄蕃さんがこうやって悩んでること…抱えていること。あなたがアイスを食べたくなった時に…ここに来てくださったら…私、凄く嬉しいんです」
今にも泣き出しそうな顔で玄蕃はアイスを口に運んでいた。小さく震える手は、あまりにもか弱そうで…愛おしい。守ってあげたい。本当は、来てくれるだけじゃ物足りない。沢山話をしたい。もっと近付きたい。
でも、彼があくまでも一人で背負うというのなら止めることはしない。私には、止める権利なんて無いのだから。
「…柚葉」
「?はい」
「……手を、握ってもいいかい?アイスを食べていたら、体が冷えてしまったんだ」
「…はい、もちろん」
遠慮気味に手を差し出すと、両手で包まれた。ぶわ、と顔が熱くなるのを感じる。彼の体温が、薄い皮膚を通して伝わってくる。
何となく、蜷咲┌縺嶺ココを思い出してしまった。そんな筈はないのに。玄蕃に獣のような耳は生えていないし、瞳孔も人間と同じだ。それなのに、何故か懐かしい香りがする。
「……君の手は、冷たいな」
「ディッシャー、触ってましたから」
「…柚葉の方が寒そうだねぇ」
「もう慣れました。それに私、冷たいものには耐性があるんです」
「羨ましいな…私は、寒いのは苦手だ」
「じゃあ私達、一緒にいたら相性良いですね」
「……ああ。君といたら、寒いのも耐えられそうだ」
気が抜けたのか、ふにゃりと玄蕃は微笑んだ。
きっと、彼は彼なりに悩んでいる。もしかしたら、その悩みはブンブンジャーの人達でも解決できないのかもしれない。だから私に、妙な問いをしてきたのだろう。
少しだけ、嬉しいと思う自分がいた。悩みを抱え込んでいる玄蕃にとって、唯一真意に近いものを打ち明けた相手が私だったのなら。──嬉しくて、気持ち良くて、堪らない。
「好きだよ」
「…えっ?」
聞き間違いかと思い、思わず彼の顔をまじまじと見つめてしまった。しかしあちらはけろりとしており、照れなんて全く見せていない。
「君と一緒に食べるアイスが、私はとても好きだ」
「あ、ああ…なるほど……」
「……甘い物は、特別なんだ。特に飴は私にとって特別なものだが…ここのアイスも、また違った特別なものだ」
「?ありがとう…ございます?」
「ご馳走様。…また来るよ」
立ち上がり、彼はすたすたと去って行った。きょとんとした顔で私はその背中を見つめていたが、テーブルに残されたカップを見て「片付けないと」と呟き、慌てて仕事に戻った。