【前編】お悩み相談はcafé ampleへ
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『何かご飯食べる?それとも甘い物にする??』と問いかける
自身の兄と同い年の年上の従兄妹に『両方!!』とリクエストし、
まずは玄弥の好物であるハンバーガーに喰らいついた頃
玄弥が入るのを躊躇っていた原因である同学年の女子生徒2名は店主の澪と
『ごちそうさまでしたー!』
『試験お疲れ様。また来てね。』
という会話を交わした後、去って行った。
その言葉通り、キメツ学園高等部はこの日試験の最終日であった。
その女子生徒2名や玄弥以外にも、試験の打ち上げと称して
店内にはまだ数名のキメツ学園生が軽食やケーキを食べながら、
紅茶を飲みつつ、解放感に浸っておしゃべりに興じていた。
「まったく…相変わらずね、玄弥くん。私とは普通に話せるのに何で他の女の子の前だとそんなにカチンコチンになっちゃうのか…」
「俺だって普通に出来るなら普通にしたいよ。」
そうやって拗ねてみせるその顔は、完全に弟の顔だ。
瀬尾澪と不死川玄弥は母親同士が姉妹の従兄妹である。
諸々の家庭の事情から、お互い母方の実家である祖父母宅で顔を合わせる機会は多く
年齢は10歳離れているものの2人は仲の良い従兄妹であった。
「それで…、今回もそんなに出来なかったの?数学。」
「う″ッ…、そ、…それが…半分も埋められなかった気が…する…」
「!?今回もあんなに数学だけを全力で勉強してたのに…!?」
「そうだよ…、もう全力で数学だけを頑張ったはずなのに…あぁ~兄ちゃんに殺される…」
不死川玄弥の兄、不死川実弥はキメツ学園高等部の数学教師である。
その厳しさは折り紙付きで、一部ではスマブラ先生と呼ばれているらしい。
澪にとっては昔から家族想いの優しい、同い年とは思えないくらい頼りがいのある従兄妹なのだが
とかく弟妹や生徒などへの𠮟責が厳しい。
きっと自分が教え、導く対象である者たちへはそのように厳しくなるのだろう。
彼はとても常識的な人間で世の中の道理に厳格であり
教師に向いている人間だと思ったため教師の道を勧めたのだが
こうして怯え嘆く玄弥や、時たまこのカフェにやって来て澪に対し
実弥の行いを泣き訴える生徒たちを見ていると
本当に勧めて良かったのかなぁ…と不安になる澪だった。