【前編】お悩み相談はcafé ampleへ
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(…ハァ~…まじかよ…)
件の裏門通りのカフェ、その名もcafé ampleの前で
奇抜な髪型の身体の大きな男子生徒が、
店の中を覗きながら大きくため息を吐いた。
「何で今日に限って同学年の女子がいるんだ…。…澪姉ちゃんに話聞いてもらいたいっていうのに…、なぁ?きなこ…。」
“きなこ”と呼び掛けられた猫は『知らんわ』とでも言うように、
男子生徒の方を見もせず大きなあくびをした。
名前の由来であるきなこ(薄ベージュ)色のふわふわした毛が
昼下がりの風に吹かれて揺れている。
飼い主である店主以外には決して懐かず、愛想の欠片もない
このマンチカンが看板猫だということに
その男子生徒はいつも納得がいかない。
チリンッ
「…玄弥くん、さっきから何してるの。」
「っ!澪姉ちゃん…。いや、その…」
「なぁ~お」
ドアから顔を出して男子生徒に声を掛けた女性に
さっきまで興味なさげに店先に座っていたきなこが
嬉し気にすり寄っていく。
「ふふっ、…1番遠い席用意してあげるから早く入っておいで。」
そう言って促す女性は、café ampleの若き店主
そして男子生徒—不死川玄弥の従兄妹、瀬尾澪だった。