【後編】café ampleでお夜食をどうぞ
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「兄弟といえば…実弥、今日玄弥くんが店に来たよ。」
「あァ?…あの野郎、まさか…」
「玄弥くんだってちゃんと努力はしてるんだから程々にね。」
「努力という過程だけで生き残れるほど、この世の中は甘くねェんだよ。」
「…一体、ナニ時代を生きてるのよ。努力できることだって立派な才能なのよ?ねぇ、杏ちゃん?」
「あぁ、澪の言う通りだ!結果が悪くとも死ぬわけではないし、思うような成果が出なかったとしても努力することの方が大事だと思う!」
「…ッチ。…(もぐもぐ)」
「…だが、澪!先ほども言ったが、“杏ちゃん”ではなく“杏寿郎”と、」
「もう、何でそんなにソコにこだわるのよ。」
「君は不死川のことは“実弥”と下の名前で呼ぶじゃないか!」
「?…だから、何よ。」
いいぞ、その調子だ。
その流れで言っちまェ、と不死川がレバニラを頬張りながら見守っていると
「あ!名前といえば…!」
「澪!」
「小芭内くん、今日蜜璃ちゃんが、」
「甘露寺がどうした。今すぐ、一から十まで詳細に話せ。」
おィ、伊黒。お前邪魔すんじゃねェよ、と不死川が睨むも
伊黒はすでに甘露寺蜜璃に関する情報収集にしか意識がない。
はじめから不死川の半分ほどの量しかなかったレバニラ炒めも
半分くらいしか減っていないが、
最早伊黒は料理にも見向きもしない。
「…はぁ。」
不死川はため息を吐きながら、伊黒の皿を杏寿郎の方へ寄せ
目線で今日はもう諦めろ、という意を伝える。
鈍感で、自分はモテないと勘違いをしている彼の従兄妹に
幼馴染の男の想いが伝わる道のりはまだまだ遠そうである。
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