First Love
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「…えぇっ!?あの時の少年、澪ちゃんの知り合いじゃなかったの!?」
「うん、小学生の男の子の知り合いなんていないもの。」
「澪、そんなこと言ったら千寿郎が泣いてしまうぞ!」
「…あ、そうか。千寿郎くんも小学生だったね。でも公園で千寿郎くんの手当した記憶なんてないし…やっぱり全然知らない子よ。」
無事にキメツ学園の編入試験をパスして入学したら、
あの時の女の子が何と同級生で。
これは運命だ!!と勢い込んで告白したもののあっさりと振られ
しかも出会った時のことを全く覚えていなかった時は本当に心が折れそうだった。
更に、その子には明らかに両想いの(何故か)元彼なんて存在までいて
あげくあっさりと元サヤにおさまったものだから、
オレの恋は1年も経たないうちにきれいさっぱりと砕け散った。
そして、高等部2年になって何の因果か
澪ちゃんと煉獄クンと同じクラスになり、
澪ちゃんがあの時のことを覚えていないことは分かっていたけど
ふとあの少年のことが気になって聞いてみると
オレを非常に警戒して澪ちゃんを守っていたあの少年は
何とあの日たまたま見掛けて手当をしてあげただけの少年だったらしい。
「ふむ…よほど君が怪しく見えたのだろうな!はははっ」
「き、杏寿郎くんってば、そんなこと…っ、」
「ちょっと!澪ちゃん、笑い堪えきれてないからね!?!?」
「っ、ご、ごめんね。(笑)」
オレが怪しい男に見えていたかどうかは置いておいて、
あの日のことを思い出す。
外見だけでなく、心も綺麗な女の子なんだろうな…
そう思ったオレの勘は間違っていなくて、
実際に話した澪ちゃんは、知れば知るほど魅力的な女の子だった。
でも悲しいことにオレは、その隣で笑っている彼女の恋人も嫌いじゃなくて
だからこそ頭ではとっくに彼女との恋を諦めているのに
心はなかなか諦めきれていないのだった。