First Love
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「…はい、できた!」
「ありがとう、お姉さん!」
「あの…っ!すみませんっ!!」
「「?」」
どうやら、膝を怪我していた男の子の傷を水で洗い、
ばんそうこうを貼ってあげていたようだ。
この奇跡を逃すわけにいかない!と勢い込んで話しかけたオレは
事情を説明してキメツ学園までの行き方を教えてもらいたいとお願いした。
「…兄ちゃん、本当に学校行きたいだけなの?…お姉さんのことナンパしてるわけじゃなくて??」
「!?っな、そんなわけないだろっ!」
「ほんとにぃ~…?」
思いがけず、少年からあらぬ疑いを掛けられびっくりする。
すぐさま否定したのに、尚も少年は疑わし気にオレの方を見つめている。
「こらっ、失礼なこと言わないのよ?」
そう言って少年を叱ってくれる女の子に初めて目を向けて、
オレは更に驚いた。
(びっ…美少女だ…っ!)
それまでは目当ての学校の制服を着ている子を見つけた嬉しさで
制服しか目に入っていなかったのだ。
ちゃんと認識したその女の子は、
オレが今まで見たことないくらい可愛くて美人な子で
自然と顔が熱くなっていく。
と、同時に斜め下からの少年の視線がますます疑わし気なものに変わっていった。
「お姉さん、この人ゼッタイあやしい人だよ!」
「だ、だから違うって!…あの、本当に違うから!」
少年にも、その女の子にも必死に言い募る。
「大丈夫ですよ。…キメツ学園ですよね?あそこに見えている入口分かりますか?そこから右手に歩いて…」
否定すれば否定するほど、何だか怪しさが増すように思えて焦っていたが
その女の子は全く気にしないように
笑顔で学園までの道を教えてくれた上、
「本当は、私が道案内してあげられたら良かったんですけど…。これから行かなくてはいけない場所があって…ごめんなさい。」
そう言って謝ってまでくれた。
「いやいや、本当に助かりました!ありがとうございます!…あの、…それでは、これで。」
「はい。お気をつけて。」
本当は、年齢とか名前とか、れ連絡先とか…っ
いろいろと聞きたいことはあったけれど
目的以外の会話は少しも許さない、とばかりに見張る目を前に
学園までの道以外の何も聞けないまま彼女たちのもとを離れた。
「お姉さん、お姉さんはもっとキキカンを持たないとダメだよ!!」
「えぇ?難しい言葉を知っているのね。ふふっ」
「ワライゴトじゃないよ!」
「ふふふっ、分かった気を付けるね。…守ってくれてありがとう、カッコいい騎士(ナイト)さん。」
「そっ…//////」
背中の方で聞こえるそんな会話を聴きながら、
同じ学校になったらまた会えるかな…と想像して
オレは
絶対に受かってやる、と再来週の試験に対して闘志を燃やしたのだった。