そしてまた、春が来て
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そしてまた、春が来て
春—
陽射しも風も柔らかく感じる、清涼な朝の空気を吸って
澪は校門を潜った。
(いいお天気だな…)
薄いブルーに染まった空を見上げるだけで、
何だか気分も上がる。
制服はすでに身体に馴染んだ物だけれど、
やっぱり新学年の新学期というのは
何だかワクワクとするものだ。
周りを歩く生徒たちも同様に、
少しそわそわしているように思えるのは自分の気のせいだろうか?
人の流れは、校門から昇降口まで続く道から
少し逸れた場所へ向かっていて
その場所では大きく3つの集団の固まりが出来ていた。
澪も流れにのり、真ん中の固まりへと向かった。
「あ、澪―!おはよー!澪、菫組だったよー!」
真ん中の固まりから、友人が声を掛ける。
「おはよう!ありがとうー!」
「私、残念ながら柿組だったー!離れちゃったねぇ…でも、たまにはお昼とか一緒に食べようね!」
「そうなんだ…残念…。うん、そうだね!お昼集まって食べよう!」
「約束!じゃ、私先に教室向かうね~!」
そう言って校舎へ向かう友人を見送り、
ガヤガヤと騒がしい人の隙間から澪も掲示板を確認する。
(菫組…菫組…、あ、あった!…えーと…、…)
「…ぁ、同じクラスだ…。」
2年菫組の名簿
女子生徒の列の左側、男子生徒の最後のあたりに
探していた名前を見つけて思わず呟きが漏れる。
「え、オレのことっ?」
「!?」
ホッと息をついた瞬間に真横から覗き込まれ息を飲んだ。
「ゃ、山田くん、おはよ…」
「おはよー!今年は同じクラスだねっ!オレめっちゃ嬉しい!!」
「え?あ…、」
もう1度、掲示板に目を向けると
確かに、今しがた見つけた名前の1つ上に「山田太郎」の名前があった。
「本当だ、同じクラスだね、山田くん。1年間よろしくね。」
「うんっ!こちらこそ!…それにしても…、やっぱりオレのことじゃなかったかぁ…。まぁそりゃそうだよねぇ…ハァーッ(ため息)」
ニコニコと嬉しそうに向けていた笑顔から一転
しょんぼりとした顔で山田はため息を吐く。
「えっ、あ、えっと…ご、ごめんね?」
「いや、いいんだよ。いいんだけどさ。真上にある名前なんだから少しくらい視界に入れてくれたって…ぶつぶつ…」
「澪!山田!おはよう!!今年は同じクラスだな!!よろしく頼む!」
「うわっ!びっくりしたぁ~…もう君は何でそんなにいつも大きい声なのかな、煉獄クン…」
「驚かせてしまったか、それはすまない!小さい頃から剣道で大きな声を出していたからかも知れないな!」
「絶対違う…」
「ふふっ(笑)…おはよう、杏寿郎くん。1年間よろしくね。」
「うむ!澪!今年こそ咲いているチューリップを見たいんだが、まだ咲いていないよな!?」
「もう杏寿郎くん…春休み中も何度も確認してたじゃない。ちゃんと咲いたら教えるから…ね?」
「約束だぞ!」
「チューリップ…?澪ちゃんの園芸部の??何、何でそんなに煉獄クンは見たがってるの?チューリップ好きなの??」
「えーと…そういうわけではなくて…」
そのまま自然と3人で並んで話しながら
澪と杏寿郎と山田は校舎へ向かう。
どうせ向かう先(教室)も同じだ。
「そういえば山田!君は何の部活動をしているんだ?」
「えぇ?今頃それ聞く!?煉獄クン、オレに興味なさ過ぎじゃないっ!?」
「おー!煉獄、澪、山田おはよ~。ってか山田、お前煉獄狙いって噂マジだったの?止めとけよ、澪には敵わねぇだろ~(笑)」
「っ違う!!!!一体いつまでその噂引っ張るんだっ!!!」
何だか賑やかで楽しい1年になりそうだな…と
澪はくすくすと笑いながら煉獄と山田に続いて教室へ入った。
2年菫組
瀬尾澪
・
・
・
・
・
山田太郎
煉獄杏寿郎
また、新しい1年が始まる。
春—
陽射しも風も柔らかく感じる、清涼な朝の空気を吸って
澪は校門を潜った。
(いいお天気だな…)
薄いブルーに染まった空を見上げるだけで、
何だか気分も上がる。
制服はすでに身体に馴染んだ物だけれど、
やっぱり新学年の新学期というのは
何だかワクワクとするものだ。
周りを歩く生徒たちも同様に、
少しそわそわしているように思えるのは自分の気のせいだろうか?
人の流れは、校門から昇降口まで続く道から
少し逸れた場所へ向かっていて
その場所では大きく3つの集団の固まりが出来ていた。
澪も流れにのり、真ん中の固まりへと向かった。
「あ、澪―!おはよー!澪、菫組だったよー!」
真ん中の固まりから、友人が声を掛ける。
「おはよう!ありがとうー!」
「私、残念ながら柿組だったー!離れちゃったねぇ…でも、たまにはお昼とか一緒に食べようね!」
「そうなんだ…残念…。うん、そうだね!お昼集まって食べよう!」
「約束!じゃ、私先に教室向かうね~!」
そう言って校舎へ向かう友人を見送り、
ガヤガヤと騒がしい人の隙間から澪も掲示板を確認する。
(菫組…菫組…、あ、あった!…えーと…、…)
「…ぁ、同じクラスだ…。」
2年菫組の名簿
女子生徒の列の左側、男子生徒の最後のあたりに
探していた名前を見つけて思わず呟きが漏れる。
「え、オレのことっ?」
「!?」
ホッと息をついた瞬間に真横から覗き込まれ息を飲んだ。
「ゃ、山田くん、おはよ…」
「おはよー!今年は同じクラスだねっ!オレめっちゃ嬉しい!!」
「え?あ…、」
もう1度、掲示板に目を向けると
確かに、今しがた見つけた名前の1つ上に「山田太郎」の名前があった。
「本当だ、同じクラスだね、山田くん。1年間よろしくね。」
「うんっ!こちらこそ!…それにしても…、やっぱりオレのことじゃなかったかぁ…。まぁそりゃそうだよねぇ…ハァーッ(ため息)」
ニコニコと嬉しそうに向けていた笑顔から一転
しょんぼりとした顔で山田はため息を吐く。
「えっ、あ、えっと…ご、ごめんね?」
「いや、いいんだよ。いいんだけどさ。真上にある名前なんだから少しくらい視界に入れてくれたって…ぶつぶつ…」
「澪!山田!おはよう!!今年は同じクラスだな!!よろしく頼む!」
「うわっ!びっくりしたぁ~…もう君は何でそんなにいつも大きい声なのかな、煉獄クン…」
「驚かせてしまったか、それはすまない!小さい頃から剣道で大きな声を出していたからかも知れないな!」
「絶対違う…」
「ふふっ(笑)…おはよう、杏寿郎くん。1年間よろしくね。」
「うむ!澪!今年こそ咲いているチューリップを見たいんだが、まだ咲いていないよな!?」
「もう杏寿郎くん…春休み中も何度も確認してたじゃない。ちゃんと咲いたら教えるから…ね?」
「約束だぞ!」
「チューリップ…?澪ちゃんの園芸部の??何、何でそんなに煉獄クンは見たがってるの?チューリップ好きなの??」
「えーと…そういうわけではなくて…」
そのまま自然と3人で並んで話しながら
澪と杏寿郎と山田は校舎へ向かう。
どうせ向かう先(教室)も同じだ。
「そういえば山田!君は何の部活動をしているんだ?」
「えぇ?今頃それ聞く!?煉獄クン、オレに興味なさ過ぎじゃないっ!?」
「おー!煉獄、澪、山田おはよ~。ってか山田、お前煉獄狙いって噂マジだったの?止めとけよ、澪には敵わねぇだろ~(笑)」
「っ違う!!!!一体いつまでその噂引っ張るんだっ!!!」
何だか賑やかで楽しい1年になりそうだな…と
澪はくすくすと笑いながら煉獄と山田に続いて教室へ入った。
2年菫組
瀬尾澪
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山田太郎
煉獄杏寿郎
また、新しい1年が始まる。
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