特別な恋人
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約束の恋人_特別な恋人
机で項垂れる山田や
友人たちの視線を受け、澪は困ったように笑うしかなかった。
「えーと…(苦笑)、いやもう…何ていうか…本当ゴメンね、山田くん…。」
「っ…くっそー!何なんだ、本当に!」
「仕方ないよねぇ、山田に告白紛いのことを言ったっていう煉獄くんはもうすでに澪の彼氏の座に返り咲いているわけだし。」
そう、先週山田が部活終わりの杏寿郎へ
自身の恋心を自覚させた後の週末、
澪は誘われていた千寿郎の昇級試験の場に出向いた際に
杏寿郎から「澪!俺は君が好きだと!」と言われ、
改めて2人は恋人になったのだった。
「やっぱりというか、やっとというか…2人がヨリ戻したっていうニュースの方が先に学年中を席巻しちゃったもんだから、まさか山田の噂の相手が煉獄くんだなんて誰も結びつけないもんね。」
「それで、あれよあれよという間に山田が男に告白していたという噂にねじ曲がりの完成…っていうね。」
「というか、アレよ。そもそも入学早々から澪に猛アピールしていたことすら、わざと高嶺の花を狙って見せることで男が好きなのを隠そうとした…っていうすごい説得力マシマシな解釈されちゃってるから。」
「哀れ山田…(笑)」
「ってか、澪ちゃんと煉獄の2人がヨリ戻すまでの展開が早くないか!?電光石火かよ、煉獄め!!オレ、完全に敵に塩を送った上に、自分は塩かけられたナメクジのようにけちょんけちょんにされただけじゃないか!」
「まぁだって相手はあの煉獄くんだし。もう煉獄くんの中で結論出たことに対してのらりくらりとするような性格じゃないでしょ。」
「ちょうどよく、日曜に澪を会う予定があったものだからねぇ。」
「いや、本当…何て図ったかのようなタイミング。素晴らしい。(拍手)」
「いきなり言われて戸惑ってる澪をもぶっちぎって結局説き伏せて元サヤにおさまるあたり、さすが煉獄くんって感じ。」
杏寿郎の告白を受けた澪は、
素直に嬉しいと思いながらも
自分が期間限定の恋人だったから、喪失感を恋情と勘違いしているではないか?
との不安を吐露したが
杏寿郎は「その話はもう解決済みだ!勘違いではない!」と話を終わらせようとした。
だが、戸惑って躊躇う澪にその後
「澪と一緒に花火が見たいと思った」だとか
「澪のマフィンは俺が食べたい!」といった
ここ半年の自分の気持ちをきちんと(?)
杏寿郎は澪に伝えてくれたので
澪は杏寿郎のその想いを受け取るに至った。
「大体そこもオレはひと言モノ申したい!これだけ、約半年も、グダグダとモタついていたくせに!何で告白とかそういう大事なシーンすっ飛ばして、めでたく元サヤにおさまりましたよ~っていうエンディングになってんの!?おかしいだろ!!」
「や、山田くん…(シーっ)!」
「ちょっと山田、そういうメタ的発言止めて~」
「…っくぅ!澪ちゃんに失恋し、あらぬ誤解を受けた状態で、オレの高校(せい)生活(しゅん)はどうなるんだ!!夢も希望もない!!」
「あっはは!山田太郎、完全かませ犬。(笑)」
「だってもう名前からしてモブだもん。」
「…何か夏にそんな話、したね?」
「あー骨は拾ってあげようってやつね。」
「あった、あった(笑)まぁ澪と煉獄くんがおさまるところにおさまったのも全て君のおかげだ山田太郎。」
「御礼を兼ねて、噂を払しょくする協力はし(骨は拾って)てあげようじゃないか。」
「まぁ心配しなくても、煉獄くんに何故か友だち認定されているから、そのうちおさまるっしょ。」
「嬉しくなぁーーーーいっ!!」
「山田くん、落ち着いて…。私もちゃんと誤解が解けるように協力するし、何かあったら私に言ってくれれば、私が杏寿郎くんに伝えるから。」
ポン、と澪が慰めるように優しく山田の肩を叩く。
「う゛っ…優しい…オレの天使…っ」
「しかしもう、他人(れんごく)のモノ。」
「う゛ぅ…っ!」
「もうっ!ちょっと皆!」
「お?なんだ、なんだ。澪、さっそく浮気か?」
「おい、誰か煉獄呼んで来いよ(笑)」
「呼んだか!?」
「!?え、タイミング良すぎじゃね、煉獄…」
「おい、煉獄。澪が早速浮気してんぞ?(笑)」
「む?」
「ちょっと!私は浮気なんか…」
「あぁ、君か!山田!そんな机に突っ伏してどうした!」
「煉獄クンのせいだよ!いろいろとっ!!」
「何のことだかよく分からないが、すまない!」
「分からないのに謝るなよ!!」
「煉獄、お前何でそんなに山田と仲良くなってんの?」
「2人はライバルのはずじゃ…。…!やっぱり山田が澪を好きなのはカモフラージュだったのか!?」
「違ぁーーーーーうっっ!!!!」
キーンコーンカーンコーン…
予鈴が鳴り、山田と杏寿郎が自分のクラスへ戻って行った後
澪のポケットで携帯が震えた。
メッセージアプリを開くと、杏寿郎からメッセージが届いている。
『浮気だとは思っていないが、俺以外の体を触るのは控えて欲しい。澪は俺の「特別」な恋人だからな!』
「…っ//////」
その言葉は、先日の日曜日に言われた言葉を想起させて
澪の頬は一気に赤く染まる。
『君は俺にとって友人ではない特別な存在なんだ。』
『だから俺を君の特別にしてほしい!』
澪の赤面は
その後、しばらく治らなかった。
ー終ー
机で項垂れる山田や
友人たちの視線を受け、澪は困ったように笑うしかなかった。
「えーと…(苦笑)、いやもう…何ていうか…本当ゴメンね、山田くん…。」
「っ…くっそー!何なんだ、本当に!」
「仕方ないよねぇ、山田に告白紛いのことを言ったっていう煉獄くんはもうすでに澪の彼氏の座に返り咲いているわけだし。」
そう、先週山田が部活終わりの杏寿郎へ
自身の恋心を自覚させた後の週末、
澪は誘われていた千寿郎の昇級試験の場に出向いた際に
杏寿郎から「澪!俺は君が好きだと!」と言われ、
改めて2人は恋人になったのだった。
「やっぱりというか、やっとというか…2人がヨリ戻したっていうニュースの方が先に学年中を席巻しちゃったもんだから、まさか山田の噂の相手が煉獄くんだなんて誰も結びつけないもんね。」
「それで、あれよあれよという間に山田が男に告白していたという噂にねじ曲がりの完成…っていうね。」
「というか、アレよ。そもそも入学早々から澪に猛アピールしていたことすら、わざと高嶺の花を狙って見せることで男が好きなのを隠そうとした…っていうすごい説得力マシマシな解釈されちゃってるから。」
「哀れ山田…(笑)」
「ってか、澪ちゃんと煉獄の2人がヨリ戻すまでの展開が早くないか!?電光石火かよ、煉獄め!!オレ、完全に敵に塩を送った上に、自分は塩かけられたナメクジのようにけちょんけちょんにされただけじゃないか!」
「まぁだって相手はあの煉獄くんだし。もう煉獄くんの中で結論出たことに対してのらりくらりとするような性格じゃないでしょ。」
「ちょうどよく、日曜に澪を会う予定があったものだからねぇ。」
「いや、本当…何て図ったかのようなタイミング。素晴らしい。(拍手)」
「いきなり言われて戸惑ってる澪をもぶっちぎって結局説き伏せて元サヤにおさまるあたり、さすが煉獄くんって感じ。」
杏寿郎の告白を受けた澪は、
素直に嬉しいと思いながらも
自分が期間限定の恋人だったから、喪失感を恋情と勘違いしているではないか?
との不安を吐露したが
杏寿郎は「その話はもう解決済みだ!勘違いではない!」と話を終わらせようとした。
だが、戸惑って躊躇う澪にその後
「澪と一緒に花火が見たいと思った」だとか
「澪のマフィンは俺が食べたい!」といった
ここ半年の自分の気持ちをきちんと(?)
杏寿郎は澪に伝えてくれたので
澪は杏寿郎のその想いを受け取るに至った。
「大体そこもオレはひと言モノ申したい!これだけ、約半年も、グダグダとモタついていたくせに!何で告白とかそういう大事なシーンすっ飛ばして、めでたく元サヤにおさまりましたよ~っていうエンディングになってんの!?おかしいだろ!!」
「や、山田くん…(シーっ)!」
「ちょっと山田、そういうメタ的発言止めて~」
「…っくぅ!澪ちゃんに失恋し、あらぬ誤解を受けた状態で、オレの高校(せい)生活(しゅん)はどうなるんだ!!夢も希望もない!!」
「あっはは!山田太郎、完全かませ犬。(笑)」
「だってもう名前からしてモブだもん。」
「…何か夏にそんな話、したね?」
「あー骨は拾ってあげようってやつね。」
「あった、あった(笑)まぁ澪と煉獄くんがおさまるところにおさまったのも全て君のおかげだ山田太郎。」
「御礼を兼ねて、噂を払しょくする協力はし(骨は拾って)てあげようじゃないか。」
「まぁ心配しなくても、煉獄くんに何故か友だち認定されているから、そのうちおさまるっしょ。」
「嬉しくなぁーーーーいっ!!」
「山田くん、落ち着いて…。私もちゃんと誤解が解けるように協力するし、何かあったら私に言ってくれれば、私が杏寿郎くんに伝えるから。」
ポン、と澪が慰めるように優しく山田の肩を叩く。
「う゛っ…優しい…オレの天使…っ」
「しかしもう、他人(れんごく)のモノ。」
「う゛ぅ…っ!」
「もうっ!ちょっと皆!」
「お?なんだ、なんだ。澪、さっそく浮気か?」
「おい、誰か煉獄呼んで来いよ(笑)」
「呼んだか!?」
「!?え、タイミング良すぎじゃね、煉獄…」
「おい、煉獄。澪が早速浮気してんぞ?(笑)」
「む?」
「ちょっと!私は浮気なんか…」
「あぁ、君か!山田!そんな机に突っ伏してどうした!」
「煉獄クンのせいだよ!いろいろとっ!!」
「何のことだかよく分からないが、すまない!」
「分からないのに謝るなよ!!」
「煉獄、お前何でそんなに山田と仲良くなってんの?」
「2人はライバルのはずじゃ…。…!やっぱり山田が澪を好きなのはカモフラージュだったのか!?」
「違ぁーーーーーうっっ!!!!」
キーンコーンカーンコーン…
予鈴が鳴り、山田と杏寿郎が自分のクラスへ戻って行った後
澪のポケットで携帯が震えた。
メッセージアプリを開くと、杏寿郎からメッセージが届いている。
『浮気だとは思っていないが、俺以外の体を触るのは控えて欲しい。澪は俺の「特別」な恋人だからな!』
「…っ//////」
その言葉は、先日の日曜日に言われた言葉を想起させて
澪の頬は一気に赤く染まる。
『君は俺にとって友人ではない特別な存在なんだ。』
『だから俺を君の特別にしてほしい!』
澪の赤面は
その後、しばらく治らなかった。
ー終ー