花色の笑み
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「ぶさん、…しのぶさんっ」
…ハッと目の焦点が、目の前で自分を覗き込む人物にあたる。
「大丈夫ですか?体調でもお悪いのですか?」
「あぁ、いえ。すみません。何でもありませんよ。」
「でも…」
「何でもありません。」
そう言いながら、今日も自分の口角があがっているのを感じる。
「それなら良いのですが…ご無理はなさらないで下さいね。」
「えぇ。それより、煉獄さんは何と?」
「えぇと…迎えに行くからそこに居るように、と…」
「まぁ。女性だけの茶会中に報せ(烏)を寄越すだなんて無粋なこと、と思っていましたけど無粋なのはこちらでしたでしょうか。…新婚でしたものね。」
「いや、その…っ、うぅっ…か、揶揄わないで下さい!しのぶさん!」
「ふふっ」
数年の時を経て、同僚の細君として再会した目の前の人も
自分も
柔らかく微笑んでいる。
お互いの大切な人を、側に感じながら。
花色の笑み