花色の笑み
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それからどれだけ時間が経ったのだろう。
「…澪、…お前、大丈夫か?」
ピクッ
あの隊士が愛しそうに呼び掛けていた、その名前が耳に入ってきてようやく
しのぶは我に返った。
部屋を見渡すと
亡くなった隊士は、処置をされて弔いのために運ばれていき
彼女の元には同じく亡くなった隊士の身内と思われる人が数名到着して
亡骸と共に帰る算段をしているようだった。
「…はい。」
そう答えた少女は、笑顔を見せた。
「無理はしなくていい。」
「いいえ…笑っていても、そうでなくても、私は生きているのです。…それならば、私は笑って生きていきたい…そうすればにいさまが側にいて下さる心地がするでしょう?」
「…そうか。あいつはお前の笑った顔が好きだったからな。」
(っ…、)
『姉さんは、しのぶの笑った顔が好きだなぁ』
そう言って、笑っているのはいつも姉さんの方だった。
いつも優しくて、
優しすぎて憎らしいくらい優しくて、そしてよく笑う人だった。
いつも笑顔の人だった。
「っしのぶさん!こちらに居たんですか、探したんですよ!!」
「…。」
「っ…、しのぶさん…?」
「…ご心配おかけしてすみません。戻りますね。」
(あぁ、確かに、姉さんが側にいる…)
自室に戻ったはずなのに、そこに居なかったしのぶを探してくれたであろう
その人は、振り返ったしのぶの顔を見て驚いたように立ちすんでいる。
しのぶは、
自分の口角があがっているのを感じていた。