花色の笑み
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「澪、っ…ひでぇ顔だなぁ、…」
そう言って、“残った”手が澪と呼ばれた少女の涙で濡れた頬に伸びる。
「…澪、…ぅぐっ、…」
動いたことで、痛みが襲ったのだろう。
彼の右半身側に掛けられた薄掛布団に、あるべき膨らみは見られない。
彼には右腕と右脚がもう、無い。
「にいさまっ!」
伸ばされた指に涙を拭われた少女が、その手を握ると
ふっ、と隊士は笑う。
「ってろ、…澪、…お前は笑ってろよ…、っう!げほっ」
「に、にいさまっ…もう、良いからっ、話さなくていいから!」
「んぐっ…馬鹿言え、…せっかく手とっ、ぅ…喉は無事だっ、たん…だ…」
…あぁ、彼はもう分かっている。
“手”と“喉”以外は無事に済んでいないことを。
「…あぁ、あと目もだな…っ…ほら、わらえ澪…おまえ、は…器量よしじゃねぇが…わら、…たかぉっ…はわるくねぇ、て…ぃったろう…?…さいごくらい、…わる、くねかぉ、みせ…ごほっ!あぁっ…、っぐ!」
もうこれが“最後”だということも。