【Series長編】千紫万紅の煌めき
お名前の設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
淡香の初恋
「君はだれだ!どうしてこんなところにうずくまっているんだ!?」
「おにいさま、だぁれ?」
「…うむ!それはおれが先に聞いたことだな!」
庭でたんれんをして、汗をながそうと井戸へむかっていた時に
君を見つけた。
「澪は、澪よ。おにいさまは?」
「おれは煉獄杏寿郎だ!澪はここで何をしている?」
「きょーじゅろーにいさま。」
「そうだ!何を見ていたんだ?」
「澪、おねぇさまといっしょにおねぇさまのおねぇさまにあいにきたのよ。みてたのはこのすみれよ。」
「なるほど!すみれか!それで、澪のお姉様はどこにいるんだ?」
「えっと…、澪、わからないの。」
「そうか、澪は迷い子ということだな!」
「まよいご?」
「そうだ!だが、だいじょうぶだ!おれがお姉様のところに連れて行ってやろう!」
今日は母上に人がたずねてくると聞いていた。
朝から、そうじをしていたあの部屋。「澪のお姉様」もきっとそこだろう。
「…ほんと?(ぱっ)」
「っ!あぁ、安心するといい!」
***********************
よく知らない場所で迷い子になっていたのに、あの時、君は泣いていなかったな。
小さかったのに、肝が据わっていた!
泣いていないどころか、振り向いた時の目がとても澄んでいて、晴れた日の空のような瞳だと思ったことを覚えている。
いや、それだけではないな。
叔母上の元に案内しようと言った俺に向けた笑顔に思わず見惚れてしまったことも覚えているし、
その後に握った手の小ささや、柔らかさも覚えているぞ!
あぁ、あと菫の淡い香りもしていたな。
うむ…そう考えると俺は存外、ひと目で君に惹かれていたのかもしれないな!
***********************
「それでこの菫を…?」
「あぁ、帰り道に咲いていたのを見て思い出したんだ!澪にやろうと思って!」
「それはありがとうございます。でも…申し訳ないですけど私はさっぱり覚えておりませんよ?」
「…よもや!」
「当り前じゃないですか、4つの時分の話です。(笑)」
「むぅ…そうか!」
「ふふっでもホラ、杏寿郎さん。…いい香りですね。」
淡香の初恋
「君はだれだ!どうしてこんなところにうずくまっているんだ!?」
「おにいさま、だぁれ?」
「…うむ!それはおれが先に聞いたことだな!」
庭でたんれんをして、汗をながそうと井戸へむかっていた時に
君を見つけた。
「澪は、澪よ。おにいさまは?」
「おれは煉獄杏寿郎だ!澪はここで何をしている?」
「きょーじゅろーにいさま。」
「そうだ!何を見ていたんだ?」
「澪、おねぇさまといっしょにおねぇさまのおねぇさまにあいにきたのよ。みてたのはこのすみれよ。」
「なるほど!すみれか!それで、澪のお姉様はどこにいるんだ?」
「えっと…、澪、わからないの。」
「そうか、澪は迷い子ということだな!」
「まよいご?」
「そうだ!だが、だいじょうぶだ!おれがお姉様のところに連れて行ってやろう!」
今日は母上に人がたずねてくると聞いていた。
朝から、そうじをしていたあの部屋。「澪のお姉様」もきっとそこだろう。
「…ほんと?(ぱっ)」
「っ!あぁ、安心するといい!」
***********************
よく知らない場所で迷い子になっていたのに、あの時、君は泣いていなかったな。
小さかったのに、肝が据わっていた!
泣いていないどころか、振り向いた時の目がとても澄んでいて、晴れた日の空のような瞳だと思ったことを覚えている。
いや、それだけではないな。
叔母上の元に案内しようと言った俺に向けた笑顔に思わず見惚れてしまったことも覚えているし、
その後に握った手の小ささや、柔らかさも覚えているぞ!
あぁ、あと菫の淡い香りもしていたな。
うむ…そう考えると俺は存外、ひと目で君に惹かれていたのかもしれないな!
***********************
「それでこの菫を…?」
「あぁ、帰り道に咲いていたのを見て思い出したんだ!澪にやろうと思って!」
「それはありがとうございます。でも…申し訳ないですけど私はさっぱり覚えておりませんよ?」
「…よもや!」
「当り前じゃないですか、4つの時分の話です。(笑)」
「むぅ…そうか!」
「ふふっでもホラ、杏寿郎さん。…いい香りですね。」
淡香の初恋