長春の告白
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「…せぃ!…っやぁ!」
「…うむ、風の呼吸は速さを重視するからやはり重心が高いな!多少速さは落ちても、威力をあげたいときはもう少し腰を下げて重心を低くすると良いだろう!」
「はぁ…っ、はぁ…っなるほどっ、…はぁ」
「朝からお疲れ様です。朝食の支度が出来ました。」
「義姉上っ!ありがとうございます!」
翌日から早速、まずは庭先での鍛錬が始まった。
彼女は千寿郎と同様、素振りからはじめていたが
途中から杏寿郎さんと竹刀での手合わせに移っていたらしい。
縁側から三人へ声を掛けると、
千寿郎が嬉しそうにこちらへ駆け寄ってくる。
「澪さん、ありがとうございます!煉獄さんもありがとうございました!」
「うむ!さぁ朝食に
「…ぉい、何故、まだその女がいるんだ。」
「「「「っ!?」」」」
庭先で談笑している杏寿郎さんと彼女を見守っていると
いつの間にか縁側の先にお義父様の姿があった。
任務から戻られたばかりなのだろう。
炎柱の羽織に大きな血の染みが広がっている。
「…お義父様!お帰りなさいませ、お怪我はございませんか?」
「杏寿郎!」
あぁ、ご機嫌が最悪だ。
はらはらしながらお義父様と庭先の杏寿郎さんを見守る。
「怪我が治るまで、と言っていたな?」
「はい、父上!しかしまだ彼女の怪我は」
「動けるのであれば逗留は不要なはずだ!」
「あのっ炎柱様!私が我儘を申しまして稽古を…っ」
「…稽古だと?」
杏寿郎さんと、お義父様のやり取りに彼女が声を挟むと
ますますお義父様の眉が吊り上がる。
これは、どうにかお止めするべきか…と思っていたら
彼女と杏寿郎さんの方向を目を細めて見比べていたお義父様の視線が
すっとこちらへ向いた。
目が合ったお義父様の顔を、ぱちぱちと目を瞬かせながら見返すと
お義父様の眉間の皺が深まる。
「っ、こわっぱどもが…」
「お、お義父様…?」
小さな声で何かを呟くお義父様に声を掛けると、
「そこの女、動けるのであれば今直ぐに家を出ていけ!分かったな!!」
私の声をかき消すように怒声をあげたお義父様は
そのままいつも通り部屋に篭られてしまった。
「れ、煉獄さん…」
「気にするな!君はまだ怪我が完治したわけではないのだから。父には俺から話しておこう!」
「は…はい。」
結局、その後杏寿郎さんがどんなに説明して、とりなしても
お義父様は聞く耳を持って下さらなかったばかりか
『お前は何も分かっていない!』とますます立腹させてしまうばかりだったそうで
「すまないが、少し気にかけてやって欲しい。頼んだぞ!」
そう言いながら杏寿郎さんはその日も任務に向かっていった。