長春の告白
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一週間は、恙なく過ぎた。
杏寿郎さんは遠方の調査のため三日ほど不在にしていたし、
彼女も「まずはしっかりと養生すること」というお医者様の言葉を守り
客間で静かに休んでいることが多かった。
一週間後、お医者様に再度経過を診て頂いたところ、
捻挫をしていた右手首以外であればもう動かして問題ないとの
診察が下り、
ちょうど任務から戻っていた杏寿郎さんとともに私も胸を撫で下ろした。
「順調に回復して本当に良かった!」
「すっかりお世話になってしまって…逆に申し訳なかったです。」
「助けられたのは俺の方だ!気にしないでもらいたい!」
「澪さん…にも、ご迷惑をお掛けしました。」
「とんでもございません。」
「あの…これまで一週間もお世話になっておきながら、図々しいのですが、お願いがあるんです!」
「?」
「?何だろうか!」
「完全に回復するまでの期間、私に稽古をつけて頂けないでしょうか?」
「稽古を…?いや、しかし俺は君に助けてもらった身で…」
「いえ!煉獄さんは私より四つも階級が上ですし、皆、煉獄さんの実力は知っています!」
「だが…、君は確か風の呼吸の使い手ではなかったか?」
「はい!これまで、育手のところでしか修業をしていないので、違う呼吸を学ぶことで底力をあげたいのです!」
「…なるほど、それはいい心がけだ!分かった、共に稽古をしよう!俺にとっても良い勉強になるだろうからな!」
「っあ、ありがとうございます!!」
必死に言い募っていた彼女の真剣な顔が
ぱっと花が開いたような笑顔になった。
「それなら、しばらくはこれまで通りこの部屋を使うといい!この家には道場もあるし、鍛錬するための山もある!怪我が完治していないのだから、通うより良いだろう!」
「え?ですがそれはさすがにご迷惑では…」
そう言って、ちらりと彼女が私の方を見る。
「なに、部屋なら沢山余っているから気にすることはない!なぁ、澪?」
「はい、それはもちろん。お気になさらず、こちらの部屋をこれまで通り自由にお使い下さい。」
杏寿郎さんが受け入れているのに、私に否やがあろうはずもない。
「ありがとうございますっ!それでは、今しばらく御厄介になります!よろしくお願いします!」
「こちらこそ…何かありましたら遠慮なく仰って下さいね。」
好意的でにこやかな笑顔で挨拶を受け、
私も自然と笑顔になりながら返す。
こうして、女性隊士の逗留が決まった。