長春の告白
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お医者様の見立てでは、塗布薬と痛み止めを服用しながら養生すれば
二週間ほどで良くなるだろうとのことだった。
「早朝からありがとうございました!医者(せんせい)!」
「いやいや…まぁまた何かあれば知らせておくれな。」
「ありがとうございました。」
杏寿郎さんと二人並んで、お医者様をお見送りする。
この医者(せんせい)は、代々煉獄家がお世話になっているお医者様で
私や千寿郎が風邪をひいた時や
お義母様のご病気の際もお世話になったお医者様だ。
それだけでなく、煉獄家にとって一番大事なのは、
お義父様や杏寿郎さんが任務中に受ける、常人には理解しがたい
どうやって傷付いたかも分からないような傷や怪我などにも
対応して下さる点だ。
煉獄家のように、代々鬼狩りを生業としているような家には
そういった、鬼殺の任務や事情を汲んで治療してくれる懇意の医者が存在する。
「彼女の様子は?」
「先ほど飲まれた痛み止めのせいか、今はぐっすりお休みになっておられます。」
「そうか。…澪、突然で本当にすまなかったな。」
「いえ、そんな…大事なくて安心致しました。」
「あぁ全くだ。しかし、同じ任務にあたっている隊士に庇われ怪我を負わせるなど…俺はまだまだだ…不甲斐ない!」
診察が終わり、ゆっくりしてから事情を聞けば、
彼女は杏寿郎さんと同年だが、四つほど階級は下の隊士で、
昨夜の任務を一緒に担当することになった隊士のうちの一人だということだった。
昨夜の任務は血鬼術も使えないほどの力の弱い鬼だったが、
とにかく数が多く、杏寿郎さんが意識を失って逃げ遅れた一般人を見つけ
その人を抱えながら鬼を滅しつつ安全な場所へ後退している際に
突如意識を取り戻したその一般人が、状況が分からず錯乱して暴れてしまい
鬼にその隙を突かれそうになったところ、彼女が間に入って助けてくれたらしい。
鬼の一撃を彼女が受けた直後、その鬼自体は杏寿郎さんが屠り
事なきを得たが、自分を庇って怪我をした隊士を放っておけず
また、どの藤の家よりも蝶屋敷よりも
この家が近かったため、ここへ運ぶことにしたのだそうだ。
「回復するまでここで面倒を見ようと思う!よろしく頼んだぞ、澪!」
「かしこまりました。」