藤紫の覚悟 -side杏寿郎-
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廊下へ出ると、ちょうど父上が任務から帰られたところだった。
俺の隊服姿を見て、一瞬目を見張った父上が
そのまま横を通り過ぎ去ろうとされたので、
その背中に声を掛ける。
「父上!今から初めての任務へ行って参ります!いずれ父上のような立派な柱となれるよう、今日からより一層精進します!!」
「…お前も千寿郎も、たいした才能はない。くだらん夢を見るな。炎柱は俺の代で終わりだ。…お前は炎柱になれない。」
こちらを見ることもなく放たれた言葉を反芻する。
…百人が百人、口を揃えてその才能を認め褒め称える者でなければ、
夢を見ることさえ許されないのだろうか…
「うるさい!…俺に構うな。」
っ!
父上の怒りの声で我に返る。
廊下に居た澪に怒りの声をあげている父上と
何もしていないのに義父から罵倒されている澪。
その様子を見て、澪は煉獄家(ここ)ではなく
毎日笑顔で憂いなく過ごせる場所で生きていくべきだという思いを強くする。
「…澪。」
「っ、…はい。」
「俺は今から任務に行く。…帰ってきたら、話をしよう。」
「…っ分かりました。あの、お気を付けて…。」