躑躅の純真
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躑躅の純真
(お腹が空いたわ…)
ぐぅうぅうううう~と空腹を主張するお腹をかかえて
甘露寺蜜璃は切なそうに茶屋の店先で団子を頬張る人たちを眺める。
(いやいや、だめよっ…我慢しなくちゃ!でも…ずっと我慢をし続けられるかしら…。)
蜜璃は、見合い相手からこっぴどく断られて以降、
染め粉で髪を黒く染め、満腹になるまで食べるのを止めた。
そのおかげで、結婚しても良いと言ってくれる男性も出来た。
彼女はその結果を喜んだが、
自分を偽り続けることに違和感を覚えているのもまた事実で
最近は常に「これで良いのか」と自問自答する日々だ。
「あの…っ、離して下さい!」
茶屋方面から蜜璃が無理やり目を逸らすと、
小さな路地で蜜璃と同じくらいの年齢の女の子が
大きな体のいかにも悪そうな風貌の大男に腕を掴まれているところが
目に飛び込んできた。
「ちょっと話そうってんで声かけたのに、嬢ちゃんが無視するからだろォがよ。」
「っ、お話があるなら伺いますから、とにかく手を離して!」
「ぉいぉい、まるでこっちが悪者みてぇじゃねえの。」
「嫌がっている女の子の手を無理やり引っ張るなんて悪者みたいじゃなくて悪者よーーーーっっ!!」
ドゴッ
「ってぇ…何だ!?」
「こっちよ!走って!!」
「っえ、…え!?」
蜜璃は考えるより先に大男に向かって体当たりをして
女の子の手を引っ張って走り出す。
「…はぁっ、…はぁっ、ここまで来れば…もう大丈夫かしらっ…」
「…はぁっ、…あ、あのっ…助けて下さってありがとう。…はぁっ、…貴方、強いのね。」
「…っ!あ、ああああああの、わたしっ…」
「!?ちょっと、貴方大丈夫!?顔が真っ青よ…!」
「…っ」
「…きゃあっ、ちょ!…っ…」
ただでさえ、ここのところ空腹続きで
意識が朦朧とすることが多かった蜜璃は、
全力疾走をした上に、その女の子に“強い”と言うことが
ばれてしまった衝撃でその場ですこんと意識を失ってしまった。
(お腹が空いたわ…)
ぐぅうぅうううう~と空腹を主張するお腹をかかえて
甘露寺蜜璃は切なそうに茶屋の店先で団子を頬張る人たちを眺める。
(いやいや、だめよっ…我慢しなくちゃ!でも…ずっと我慢をし続けられるかしら…。)
蜜璃は、見合い相手からこっぴどく断られて以降、
染め粉で髪を黒く染め、満腹になるまで食べるのを止めた。
そのおかげで、結婚しても良いと言ってくれる男性も出来た。
彼女はその結果を喜んだが、
自分を偽り続けることに違和感を覚えているのもまた事実で
最近は常に「これで良いのか」と自問自答する日々だ。
「あの…っ、離して下さい!」
茶屋方面から蜜璃が無理やり目を逸らすと、
小さな路地で蜜璃と同じくらいの年齢の女の子が
大きな体のいかにも悪そうな風貌の大男に腕を掴まれているところが
目に飛び込んできた。
「ちょっと話そうってんで声かけたのに、嬢ちゃんが無視するからだろォがよ。」
「っ、お話があるなら伺いますから、とにかく手を離して!」
「ぉいぉい、まるでこっちが悪者みてぇじゃねえの。」
「嫌がっている女の子の手を無理やり引っ張るなんて悪者みたいじゃなくて悪者よーーーーっっ!!」
ドゴッ
「ってぇ…何だ!?」
「こっちよ!走って!!」
「っえ、…え!?」
蜜璃は考えるより先に大男に向かって体当たりをして
女の子の手を引っ張って走り出す。
「…はぁっ、…はぁっ、ここまで来れば…もう大丈夫かしらっ…」
「…はぁっ、…あ、あのっ…助けて下さってありがとう。…はぁっ、…貴方、強いのね。」
「…っ!あ、ああああああの、わたしっ…」
「!?ちょっと、貴方大丈夫!?顔が真っ青よ…!」
「…っ」
「…きゃあっ、ちょ!…っ…」
ただでさえ、ここのところ空腹続きで
意識が朦朧とすることが多かった蜜璃は、
全力疾走をした上に、その女の子に“強い”と言うことが
ばれてしまった衝撃でその場ですこんと意識を失ってしまった。