赤錆の連繋
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赤錆の連繋-ura-
「す゛、すみ゛ませんん…っ(泣)」
「そんなに泣いてしまったら…本当に目が溶けてしまいそうね…」
『澪…いい加減、涙を止めてくれないか!目が溶けてしまいそうだ!』
貴方がそう言ったとき、私は目が溶けるだなんてそんな奇怪なこと、鬼じゃないのだからあり得ないと怒ってしまったけど。
確かに、あまりにも止まらない涙を見ていると、目が溶けてしまいそうに見えるのね。
そんなこと初めて知ったわ。
『だから言っただろう!俺は嘘はつかない!!』
「そんな、どうして!」(『なぜだ!!』)
「聞かれなかったもの。」
「そっそういう問題では無いのでは!!それに、聞かれたこと(居場所)だって答えてあげていないじゃないですか!」(『そういう問題では無い!それに、君は聞かれたことにだって答えていないだろう!!!』)
「あら、鋭いわね。炭治郎さん。」
「知らせてあげて下さい!!今、すぐに!!!」(『知らせなさい!今!すぐにだ!!』)
「うーん…そうねぇ。考えておくわ。」
「知らせる気が!感じられません!!」(『その気が!まったく感じられないな!!』)
杏寿郎さん、今日、竈門炭治郎さんにお会いしました。
あの知らせを受けた日のような金赤の夜明けを見たとき。
出立を見送るとき貴方の髪を煌めかせていたような夕暮れの日。
この子が、元気にお腹を蹴る瞬間。
貴方のことを想わない日はないけれども、今日は一等貴方を思い出した日でした。
貴方が一等恋しい日でした。
きっと日を置かずに、千寿郎が訪ねてくるでしょう。
炭治郎さんには、子のことは私からいずれ伝えるからということで納得してもらったけど、居場所は約束だから自分が千寿郎に知らせるのだとそこは譲らなかったものね。
お義父様もご一緒にいらっしゃるかしら?
…いえ、お義父様のことだから「合わせる顔がない」とか言って初回はいらっしゃらないわね。
初めて訪ねて来た時にこの子のことを知った千寿郎が
慌ててその次にお義父様を引っ張って来るでしょう。
きっと、二人掛かりで家に戻るように説得されるわ。
戻るつもりはないのだけど、千寿郎に泣かれてしまったら私拒み続けられるかしら?
『君は本当に千寿郎の涙に甘いな!!甘やかすだけでは千寿郎のためにならない!!』
また、そう叱られてしまう?
でも泣いていようが、泣いていなかろうが、千寿郎に一番甘いのは私でもお義父様でもなく、
杏寿郎さん、貴方なのよ。知ってた?
『よもや!!』
強がりでも意地でも何でもなく、私はこの町も今の暮らしも気に入っているんです。
夫もなく、腹を膨らませた私を皆温かく支えてくれました。
きっと、この子のことも支えてくれるでしょう。
『…君のことだ、何処に居ても誰と居ても上手くやっていけるだろう』
…あら、嫌だ。これは数少ない、貴方との良くない思い出ね。(苦笑)
『澪のしたいようにすれば良い!俺は君を信じているからな!!』
…カァーッ、カァー
遠く煉獄家の方面から、要がこちらへ向かってくる鳴き声が聴こえた。
「す゛、すみ゛ませんん…っ(泣)」
「そんなに泣いてしまったら…本当に目が溶けてしまいそうね…」
『澪…いい加減、涙を止めてくれないか!目が溶けてしまいそうだ!』
貴方がそう言ったとき、私は目が溶けるだなんてそんな奇怪なこと、鬼じゃないのだからあり得ないと怒ってしまったけど。
確かに、あまりにも止まらない涙を見ていると、目が溶けてしまいそうに見えるのね。
そんなこと初めて知ったわ。
『だから言っただろう!俺は嘘はつかない!!』
「そんな、どうして!」(『なぜだ!!』)
「聞かれなかったもの。」
「そっそういう問題では無いのでは!!それに、聞かれたこと(居場所)だって答えてあげていないじゃないですか!」(『そういう問題では無い!それに、君は聞かれたことにだって答えていないだろう!!!』)
「あら、鋭いわね。炭治郎さん。」
「知らせてあげて下さい!!今、すぐに!!!」(『知らせなさい!今!すぐにだ!!』)
「うーん…そうねぇ。考えておくわ。」
「知らせる気が!感じられません!!」(『その気が!まったく感じられないな!!』)
杏寿郎さん、今日、竈門炭治郎さんにお会いしました。
あの知らせを受けた日のような金赤の夜明けを見たとき。
出立を見送るとき貴方の髪を煌めかせていたような夕暮れの日。
この子が、元気にお腹を蹴る瞬間。
貴方のことを想わない日はないけれども、今日は一等貴方を思い出した日でした。
貴方が一等恋しい日でした。
きっと日を置かずに、千寿郎が訪ねてくるでしょう。
炭治郎さんには、子のことは私からいずれ伝えるからということで納得してもらったけど、居場所は約束だから自分が千寿郎に知らせるのだとそこは譲らなかったものね。
お義父様もご一緒にいらっしゃるかしら?
…いえ、お義父様のことだから「合わせる顔がない」とか言って初回はいらっしゃらないわね。
初めて訪ねて来た時にこの子のことを知った千寿郎が
慌ててその次にお義父様を引っ張って来るでしょう。
きっと、二人掛かりで家に戻るように説得されるわ。
戻るつもりはないのだけど、千寿郎に泣かれてしまったら私拒み続けられるかしら?
『君は本当に千寿郎の涙に甘いな!!甘やかすだけでは千寿郎のためにならない!!』
また、そう叱られてしまう?
でも泣いていようが、泣いていなかろうが、千寿郎に一番甘いのは私でもお義父様でもなく、
杏寿郎さん、貴方なのよ。知ってた?
『よもや!!』
強がりでも意地でも何でもなく、私はこの町も今の暮らしも気に入っているんです。
夫もなく、腹を膨らませた私を皆温かく支えてくれました。
きっと、この子のことも支えてくれるでしょう。
『…君のことだ、何処に居ても誰と居ても上手くやっていけるだろう』
…あら、嫌だ。これは数少ない、貴方との良くない思い出ね。(苦笑)
『澪のしたいようにすれば良い!俺は君を信じているからな!!』
…カァーッ、カァー
遠く煉獄家の方面から、要がこちらへ向かってくる鳴き声が聴こえた。