First impression -brother-
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First impression -brother-
「兄上~!…、ぁっ」
大好きな兄上の、剣道部の試合を応援するため
父上、母上と一緒に試合会場へ到着してすぐ、
少し離れたところに道着姿の兄上の背中を見つけ
そちらへ駆け寄りながら大きな声で声を掛けたら
こちらへ振り返った兄上の前に人影があって
兄上のお話を邪魔してしまったということに気付く。
「千寿郎か!」
「ぁあの…すみません…。」
「うん?どうした!」
「えと、急に声を掛けてしまって、邪魔してしまいましたよね…すみません。」
兄上は、僕に気付いた瞬間にニカッと
いつも通りの太陽のような笑顔を見せてくれていたので
怒ってはいないとは思うけど…
そう謝りながら、兄上と兄上の前にいる人にも
ぺこりと頭を下げる。
すると、兄上の前にいた女の人もニコッと微笑んでくれた。
「いいえそんな…気にしないで、ね?」
「うむ!気に病むことはないぞ、千寿郎!」
僕は、兄上とは違って人見知りをしてしまって
初対面の人とはそんなに上手く話せない。
その上、目の前の女の人は年上で、しかもとても綺麗な人だ。
でも、母上とはまたすこし違った綺麗さで…
クラスメイトの女の子たちとは全然違うその雰囲気に
どぎまぎしてしまった。
あぁ、こんなことではいけないのに…
兄上の弟として、ちゃんとしている姿を見せたいのに
なかなか上手くできない自分に
少し泣きそうになりながらそう思ったその時、
「千寿郎くん…?気遣ってくれてありがとう。優しい子なんだね。」
そう言って柔らかく笑ってくれたその人を見て、
僕はきっとその人自身の方が優しくて気遣いにあふれた人なんだろうな
と思って
「あぁ!千寿郎は俺の自慢の弟だからな!」
いつものようにそう言って僕を褒めてくれる兄上も
何だかちょっぴり柔らかい雰囲気に見えた。
何だかその人は、周りの空気をふわっとした
春のような空気にしてしまう力があるみたいだ。
だって、さっきまで自分の良くない面ばかり見えて
少し落ち込んでしまっていたのに
今は僕の心もふわっとして、
春の陽だまりの中にいるみたいに温かい気持ちにあふれたから。
「兄上~!…、ぁっ」
大好きな兄上の、剣道部の試合を応援するため
父上、母上と一緒に試合会場へ到着してすぐ、
少し離れたところに道着姿の兄上の背中を見つけ
そちらへ駆け寄りながら大きな声で声を掛けたら
こちらへ振り返った兄上の前に人影があって
兄上のお話を邪魔してしまったということに気付く。
「千寿郎か!」
「ぁあの…すみません…。」
「うん?どうした!」
「えと、急に声を掛けてしまって、邪魔してしまいましたよね…すみません。」
兄上は、僕に気付いた瞬間にニカッと
いつも通りの太陽のような笑顔を見せてくれていたので
怒ってはいないとは思うけど…
そう謝りながら、兄上と兄上の前にいる人にも
ぺこりと頭を下げる。
すると、兄上の前にいた女の人もニコッと微笑んでくれた。
「いいえそんな…気にしないで、ね?」
「うむ!気に病むことはないぞ、千寿郎!」
僕は、兄上とは違って人見知りをしてしまって
初対面の人とはそんなに上手く話せない。
その上、目の前の女の人は年上で、しかもとても綺麗な人だ。
でも、母上とはまたすこし違った綺麗さで…
クラスメイトの女の子たちとは全然違うその雰囲気に
どぎまぎしてしまった。
あぁ、こんなことではいけないのに…
兄上の弟として、ちゃんとしている姿を見せたいのに
なかなか上手くできない自分に
少し泣きそうになりながらそう思ったその時、
「千寿郎くん…?気遣ってくれてありがとう。優しい子なんだね。」
そう言って柔らかく笑ってくれたその人を見て、
僕はきっとその人自身の方が優しくて気遣いにあふれた人なんだろうな
と思って
「あぁ!千寿郎は俺の自慢の弟だからな!」
いつものようにそう言って僕を褒めてくれる兄上も
何だかちょっぴり柔らかい雰囲気に見えた。
何だかその人は、周りの空気をふわっとした
春のような空気にしてしまう力があるみたいだ。
だって、さっきまで自分の良くない面ばかり見えて
少し落ち込んでしまっていたのに
今は僕の心もふわっとして、
春の陽だまりの中にいるみたいに温かい気持ちにあふれたから。