First impression-her-
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First impression -her-
「初めまして!名前は煉獄杏寿郎だ。好きなことは、幼少期から鍛錬している剣道で、部活も剣道部に入部しようと思っている!これから宜しく頼む!」
煉獄くんがそう自己紹介をした時には、
もうすでにその一風変わった容姿に対するざわつきは起こらなかった。
その後に仲良くなった女の子たちとクラスメイトの印象について話した時も
『あのハキハキした話し方、剣道部って言われるとすごい納得したよね』
だとか
『何かしっかりしてそうな感じ』
『真面目そう』
『リーダーシップありそう』
といった評ばかりであった。
それもそのはず。
煉獄くんはすでに入学式の段階で、皆の視線をさらっていたからだ。
その髪色に(校則違反では!?)と皆が驚いた。
キメツ学園は私立で、自由闊達な校風であるとは言っても
基本的に染髪は禁止である。
だが、保護者席には明らかに血縁者と分かる人が座っていたため
恐らく全員が「とりあえず遺伝ではあるらしい」という結論を出した。
入学式後、各クラスに分かれてホームルームを行ったが
やはり間近で見るその目線をひく髪に
クラス中か密かに煉獄くんの座っている方向をチラチラと見ながら
ざわついていた。
だから、土日を挟み
週明けのホームルームで実施された
クラス全員の自己紹介の場面では、今さらざわつきは起こらなかったのである。
しっかりしていて、真面目で、頼りがいがありそう
クラスメイトたちの評は、確かにその通りだなと澪も思った。
だが、澪が1番に思ったのは
(煉獄くんって、すごく強くて真っすぐな人だな…)
ということだった。
入学式でも、
最初のホームルームでも
刺さるように彼に向けられる視線に、
第三者である澪が気付いたくらいだ。
向けられる対象である本人は、
痛いほどその視線を感じているだろう。
ついこの前まで、小学生だった幼い子ども。
遠慮がちに、遠巻きに、分からないように
気を付けていたところで、隠せるものではない。
そんな興味本位の多数の視線に晒されながらも
煉獄くんは少しも俯くことなく
常に真っすぐ前を向いていた。
萎縮せず、かといって威嚇もせず
ただ自然にそこに在るのだという態度で
口角を少し上げることさえして。
同い年の男子生徒なんて
掃除をさぼってみたり、
廊下で小突き合ってみたり
そんなやんちゃな姿しか知らなかった澪にとって
煉獄杏寿郎という男の子は
間違いなく初めて出会うタイプの男の子だった。
(煉獄くんはきっと掃除をさぼったりなんて、したことないんだろうなぁ…)
だって、そんな姿想像つかないし…
そんな事を考えながら、
出席番号順に座っていたため1番窓側で挨拶する煉獄杏寿郎を眺めては
何か眩しいな、と澪は思ったのだった。
「初めまして!名前は煉獄杏寿郎だ。好きなことは、幼少期から鍛錬している剣道で、部活も剣道部に入部しようと思っている!これから宜しく頼む!」
煉獄くんがそう自己紹介をした時には、
もうすでにその一風変わった容姿に対するざわつきは起こらなかった。
その後に仲良くなった女の子たちとクラスメイトの印象について話した時も
『あのハキハキした話し方、剣道部って言われるとすごい納得したよね』
だとか
『何かしっかりしてそうな感じ』
『真面目そう』
『リーダーシップありそう』
といった評ばかりであった。
それもそのはず。
煉獄くんはすでに入学式の段階で、皆の視線をさらっていたからだ。
その髪色に(校則違反では!?)と皆が驚いた。
キメツ学園は私立で、自由闊達な校風であるとは言っても
基本的に染髪は禁止である。
だが、保護者席には明らかに血縁者と分かる人が座っていたため
恐らく全員が「とりあえず遺伝ではあるらしい」という結論を出した。
入学式後、各クラスに分かれてホームルームを行ったが
やはり間近で見るその目線をひく髪に
クラス中か密かに煉獄くんの座っている方向をチラチラと見ながら
ざわついていた。
だから、土日を挟み
週明けのホームルームで実施された
クラス全員の自己紹介の場面では、今さらざわつきは起こらなかったのである。
しっかりしていて、真面目で、頼りがいがありそう
クラスメイトたちの評は、確かにその通りだなと澪も思った。
だが、澪が1番に思ったのは
(煉獄くんって、すごく強くて真っすぐな人だな…)
ということだった。
入学式でも、
最初のホームルームでも
刺さるように彼に向けられる視線に、
第三者である澪が気付いたくらいだ。
向けられる対象である本人は、
痛いほどその視線を感じているだろう。
ついこの前まで、小学生だった幼い子ども。
遠慮がちに、遠巻きに、分からないように
気を付けていたところで、隠せるものではない。
そんな興味本位の多数の視線に晒されながらも
煉獄くんは少しも俯くことなく
常に真っすぐ前を向いていた。
萎縮せず、かといって威嚇もせず
ただ自然にそこに在るのだという態度で
口角を少し上げることさえして。
同い年の男子生徒なんて
掃除をさぼってみたり、
廊下で小突き合ってみたり
そんなやんちゃな姿しか知らなかった澪にとって
煉獄杏寿郎という男の子は
間違いなく初めて出会うタイプの男の子だった。
(煉獄くんはきっと掃除をさぼったりなんて、したことないんだろうなぁ…)
だって、そんな姿想像つかないし…
そんな事を考えながら、
出席番号順に座っていたため1番窓側で挨拶する煉獄杏寿郎を眺めては
何か眩しいな、と澪は思ったのだった。
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