藪の蛇は突くなかれ
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薮の蛇は突くなかれ
「あの…、」
「?…はい。」
声を掛けられて振り返ると、
そこには同い年くらいの黒髪の男の子が顔を真っ赤にして立っていた。
振り返った視界の端には2人、こちらを見つめている男の子の影も見えて
これは…と思わず身構えてしまう。
「えーと…そのっ、も、もし良かったら、」
「ぉい、てめぇオレの女に何か用かよ?」
「「「「っ!?」」」」
突然間近で掛けられた声に、私も目の前の男の子も驚く。
視界の端に捉えていた2人はその人物の風貌に驚いているようだ。
「っ、ぅ碓井、先輩。」
「澪、おめーもボヤっとこんな所に突っ立ってんじゃねえぞ。ったく…」
声を掛けてきたのは、杏寿郎くんの剣道部の先輩である碓井先輩だった。
着ているのは杏寿郎くんが着ているのと同じ道着だったが
杏寿郎くんとは違い人工的に色を抜いたであろう髪が陽光を弾いて煌めいている。
試合前だから外してはいるが、その耳には複数のピアス穴も見えている。
「っ、し失礼しましたっ…!」
そんな風貌の彼から間近で睨みを効かされた、少し気弱そうで
真面目そうな男の子は風のような早さで友人たちの元へと駆け戻り
そのまま3人で公園の入り口方面へ逃げるように去って行った。
「ッチ、くそだせぇ奴に声掛けられる隙見せるなアホが。」
恐怖心に苛まれているであろう彼らに心から同情しながら見送っていたら
真横から不機嫌そうな悪態を吐かれた。
「えっと、…ありがとうございます。碓井先輩。」
ここまで不機嫌そうなのは珍しいな、と思いつつ笑顔で御礼を言うと
先輩はこれ見よがしにため息をついた後に
フッと気が抜けたように微笑った。
(あぁいつもの先輩だ)
「ったく、相変わらずモテモテだなぁ澪チャンよ。で?お前何でこんなところにいるんだよ?」
「それはこちらの台詞ですよ、先輩。何でこんなところにいるんですか?今、ウォーミングアップ中でしょう?」
「オレが真面目にそんなもんやるわけねーだろ、サボりだサボり。」
今日は、この国立公園の中にある武道場で剣道部の練習試合が行われる。
今日も今日とて、応援にやってきた澪だが
少し早く着き過ぎたため先ほど杏寿郎に差し入れだけ渡して
公園内を散歩していたところだった。
差し入れを渡した際、せっかく来てくれたのにこれからウォーミングアップだと
眉を下げていた杏寿郎の顔を思い出して澪の頬が緩む。
「何思い出してにやついてるんだ?ヤラシーな、澪。」
「や、ッ…//////そんなことないです!それよりサボりって…ちゃんとウォーミングアップしないと怪我しますよ、先輩!」
「オレは天才だから怪我なんてしねぇっての。」
揶揄うようにこちらを見てきた先輩に言い返すと
飄々と交わされてしまう。
こんな風貌をしていながら、先輩は
このように気安いながらも捉えどころのない人だ。
「あの…、」
「?…はい。」
声を掛けられて振り返ると、
そこには同い年くらいの黒髪の男の子が顔を真っ赤にして立っていた。
振り返った視界の端には2人、こちらを見つめている男の子の影も見えて
これは…と思わず身構えてしまう。
「えーと…そのっ、も、もし良かったら、」
「ぉい、てめぇオレの女に何か用かよ?」
「「「「っ!?」」」」
突然間近で掛けられた声に、私も目の前の男の子も驚く。
視界の端に捉えていた2人はその人物の風貌に驚いているようだ。
「っ、ぅ碓井、先輩。」
「澪、おめーもボヤっとこんな所に突っ立ってんじゃねえぞ。ったく…」
声を掛けてきたのは、杏寿郎くんの剣道部の先輩である碓井先輩だった。
着ているのは杏寿郎くんが着ているのと同じ道着だったが
杏寿郎くんとは違い人工的に色を抜いたであろう髪が陽光を弾いて煌めいている。
試合前だから外してはいるが、その耳には複数のピアス穴も見えている。
「っ、し失礼しましたっ…!」
そんな風貌の彼から間近で睨みを効かされた、少し気弱そうで
真面目そうな男の子は風のような早さで友人たちの元へと駆け戻り
そのまま3人で公園の入り口方面へ逃げるように去って行った。
「ッチ、くそだせぇ奴に声掛けられる隙見せるなアホが。」
恐怖心に苛まれているであろう彼らに心から同情しながら見送っていたら
真横から不機嫌そうな悪態を吐かれた。
「えっと、…ありがとうございます。碓井先輩。」
ここまで不機嫌そうなのは珍しいな、と思いつつ笑顔で御礼を言うと
先輩はこれ見よがしにため息をついた後に
フッと気が抜けたように微笑った。
(あぁいつもの先輩だ)
「ったく、相変わらずモテモテだなぁ澪チャンよ。で?お前何でこんなところにいるんだよ?」
「それはこちらの台詞ですよ、先輩。何でこんなところにいるんですか?今、ウォーミングアップ中でしょう?」
「オレが真面目にそんなもんやるわけねーだろ、サボりだサボり。」
今日は、この国立公園の中にある武道場で剣道部の練習試合が行われる。
今日も今日とて、応援にやってきた澪だが
少し早く着き過ぎたため先ほど杏寿郎に差し入れだけ渡して
公園内を散歩していたところだった。
差し入れを渡した際、せっかく来てくれたのにこれからウォーミングアップだと
眉を下げていた杏寿郎の顔を思い出して澪の頬が緩む。
「何思い出してにやついてるんだ?ヤラシーな、澪。」
「や、ッ…//////そんなことないです!それよりサボりって…ちゃんとウォーミングアップしないと怪我しますよ、先輩!」
「オレは天才だから怪我なんてしねぇっての。」
揶揄うようにこちらを見てきた先輩に言い返すと
飄々と交わされてしまう。
こんな風貌をしていながら、先輩は
このように気安いながらも捉えどころのない人だ。