キメツ学園高等部 春の嵐
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約束の恋人_キメツ学園高等部 春の嵐
キメツ学園は中高一貫校である。
自由な校風でありながら、質実剛健、文武両道を目指し
通う生徒も真面目で礼儀正しい生徒が多いため、近隣では評判の学園だ。
そんな学園であるため、中等部へ入学した生徒は滅多なことでは外部受験をしたりせず
そのまま高等部にあがる者ばかりだ。
逆に、かなり狭き門となるが、
評判の学園に高校からでも通いたいと高等部の編入試験を受け、
高等部から外部編入生として通い始める者は毎年一定数存在する。
もちろん大多数の生徒が中等部からの持ち上がり組で、
すでに互いによく知った仲であり
中学の3年間でそれぞれが作り上げたコミュニティがあるため、
外部編入生は始めのうち彼らに馴染もうと様子見をしながら
徐々に溶け込んでいくのが常だ。
…“通常”は。
ここに今年、晴れて編入試験をパスしてキメツ学園の仲間入りを果たした1人の男子生徒がいる。
彼の名前は山田太郎(15)。
まさか、何の冗談だ?という名前だが正真正銘の本名である。
キメツ学園高等部の入学式から、わずか1週間。
彼は今、周りの男子生徒から必死の形相で説得を受けている最中だった。
理由は、彼が前述の「通常」のセオリーから外れた道を爆走しようとしているからであった。
「ぉいっ!山田!だからっ…本当に止めとけ、マジで!!」
「いや、僕はもうこの気持ちをおさえることはできないんだ!」
「いやいやいやいや!“もう”って言ったって、たったの1週間しか経ってないだろうが!」
「そうだぞ、落ち着け!」
「時間なんて関係ないっ、これは運命なんだ!彼女は僕の運命の女神なんだ!」
「き、気持ちは分からんでもない、分からんでもないがっ」
「そうだな。それはそうだ、何たって相手はキメツ三大美女の座をこれまでの3年間譲ったことがない、あの瀬尾澪だからな!!」
「あぁ、高等部卒業までの今後3年間もその座を譲ることはないだろうと言われてるあの瀬尾澪だからな!!!」
「とにかく考え直せ、あの子は…っあ!おぃ!」
「止めないでくれ!今日こそ、この想いを伝えるんだぁ~~~っ!!!」
ダダダダダダッ…
「あぁ、行っちまった…」
「あいつマジで人の言うこと聞かねぇな。」
「戻ってきたら、慰めてやればいいか。やれやれ。」
「え、噓でしょ?今の外部編入生、澪に告りに行っちゃったの!?」
「うわっちょっと、かわいそうじゃないの!ちゃんと止めてあげなよ!」
「いや、今の見てたろ!?俺ら必死に止めてたじゃん!」
「聞く耳持たなかったあいつが悪い!」
「そんなこと言って…入学早々失恋確定よ?しかもあの澪に告白したツワモノって有名になっちゃうのに~。」
「仕方ねぇだろ、もう。…まぁあれであいつの気が済むなら逆に早めに撃沈しておいた方が良いかもしんねぇからな。」
「まさか、入学1週間で澪に告白しちゃう子がいるとは思わなかったよね。」
20分後…
「!あ、山田戻ってきた!」
トボトボとこちらへ向かってくる外部編入生を、数人が取り囲む。
「まぁまぁそんなに落ち込むなよ。」
「そうそう!知らなかったんだから仕方ないさ。」
「…知らなかった?…何を??」
「お前、澪に振られたんだろ?」
「!?な、何で分かるんだよ!?」
「当り前だろ、だって澪はいつも『彼氏がいるから』って断わっ「僕のこと、『まだよく知らないからごめんなさい』って断られたんだ。」…、は?」
「「…えっ?」」
「??ん?」
「いや、…はっ!?」
「ちょ、山田くん!今の話本当なのっ!?」
「お、おおおおお前、今なんつった…?」
「だから…断られたんだってば。何だよ、皆して振られた話何度もさせるなんて、意地悪だな。」
「いや、そこじゃない!」
「山田!お前、澪になんて言われたって言った…!?」
「『貴方のことまだよく知らないから…ごめんなさい』って言われたんだよ…。…ん?あれ、待てよ?ってことはまだ、これから僕のことよく知ってもらったらチャンスがあるってことかな!?!?!?」
「「「「「「「…。」」」」」」」
「なぁ、みんな!どう思うっ!?」
「「「「「「「えぇええええぇぇぇぇ~~~~~~~っっ!?!?!?!?」」」」」」」
そうして、その話は瞬く間に学年中に広がった。
外部編入生、山田太郎(15)が無謀にも学園三大美女である瀬尾澪に告白して振られたという話、
ではない。
学年中、いや中等部中に知れ渡っており、
昨年の中等部文化祭ではぶっちぎりの得票数でベストカップル賞に輝いていたカップル、
学園三大美女の瀬尾澪と、煉獄杏寿郎が破局していた
という衝撃的なニュースである。
キメツ学園は中高一貫校である。
自由な校風でありながら、質実剛健、文武両道を目指し
通う生徒も真面目で礼儀正しい生徒が多いため、近隣では評判の学園だ。
そんな学園であるため、中等部へ入学した生徒は滅多なことでは外部受験をしたりせず
そのまま高等部にあがる者ばかりだ。
逆に、かなり狭き門となるが、
評判の学園に高校からでも通いたいと高等部の編入試験を受け、
高等部から外部編入生として通い始める者は毎年一定数存在する。
もちろん大多数の生徒が中等部からの持ち上がり組で、
すでに互いによく知った仲であり
中学の3年間でそれぞれが作り上げたコミュニティがあるため、
外部編入生は始めのうち彼らに馴染もうと様子見をしながら
徐々に溶け込んでいくのが常だ。
…“通常”は。
ここに今年、晴れて編入試験をパスしてキメツ学園の仲間入りを果たした1人の男子生徒がいる。
彼の名前は山田太郎(15)。
まさか、何の冗談だ?という名前だが正真正銘の本名である。
キメツ学園高等部の入学式から、わずか1週間。
彼は今、周りの男子生徒から必死の形相で説得を受けている最中だった。
理由は、彼が前述の「通常」のセオリーから外れた道を爆走しようとしているからであった。
「ぉいっ!山田!だからっ…本当に止めとけ、マジで!!」
「いや、僕はもうこの気持ちをおさえることはできないんだ!」
「いやいやいやいや!“もう”って言ったって、たったの1週間しか経ってないだろうが!」
「そうだぞ、落ち着け!」
「時間なんて関係ないっ、これは運命なんだ!彼女は僕の運命の女神なんだ!」
「き、気持ちは分からんでもない、分からんでもないがっ」
「そうだな。それはそうだ、何たって相手はキメツ三大美女の座をこれまでの3年間譲ったことがない、あの瀬尾澪だからな!!」
「あぁ、高等部卒業までの今後3年間もその座を譲ることはないだろうと言われてるあの瀬尾澪だからな!!!」
「とにかく考え直せ、あの子は…っあ!おぃ!」
「止めないでくれ!今日こそ、この想いを伝えるんだぁ~~~っ!!!」
ダダダダダダッ…
「あぁ、行っちまった…」
「あいつマジで人の言うこと聞かねぇな。」
「戻ってきたら、慰めてやればいいか。やれやれ。」
「え、噓でしょ?今の外部編入生、澪に告りに行っちゃったの!?」
「うわっちょっと、かわいそうじゃないの!ちゃんと止めてあげなよ!」
「いや、今の見てたろ!?俺ら必死に止めてたじゃん!」
「聞く耳持たなかったあいつが悪い!」
「そんなこと言って…入学早々失恋確定よ?しかもあの澪に告白したツワモノって有名になっちゃうのに~。」
「仕方ねぇだろ、もう。…まぁあれであいつの気が済むなら逆に早めに撃沈しておいた方が良いかもしんねぇからな。」
「まさか、入学1週間で澪に告白しちゃう子がいるとは思わなかったよね。」
20分後…
「!あ、山田戻ってきた!」
トボトボとこちらへ向かってくる外部編入生を、数人が取り囲む。
「まぁまぁそんなに落ち込むなよ。」
「そうそう!知らなかったんだから仕方ないさ。」
「…知らなかった?…何を??」
「お前、澪に振られたんだろ?」
「!?な、何で分かるんだよ!?」
「当り前だろ、だって澪はいつも『彼氏がいるから』って断わっ「僕のこと、『まだよく知らないからごめんなさい』って断られたんだ。」…、は?」
「「…えっ?」」
「??ん?」
「いや、…はっ!?」
「ちょ、山田くん!今の話本当なのっ!?」
「お、おおおおお前、今なんつった…?」
「だから…断られたんだってば。何だよ、皆して振られた話何度もさせるなんて、意地悪だな。」
「いや、そこじゃない!」
「山田!お前、澪になんて言われたって言った…!?」
「『貴方のことまだよく知らないから…ごめんなさい』って言われたんだよ…。…ん?あれ、待てよ?ってことはまだ、これから僕のことよく知ってもらったらチャンスがあるってことかな!?!?!?」
「「「「「「「…。」」」」」」」
「なぁ、みんな!どう思うっ!?」
「「「「「「「えぇええええぇぇぇぇ~~~~~~~っっ!?!?!?!?」」」」」」」
そうして、その話は瞬く間に学年中に広がった。
外部編入生、山田太郎(15)が無謀にも学園三大美女である瀬尾澪に告白して振られたという話、
ではない。
学年中、いや中等部中に知れ渡っており、
昨年の中等部文化祭ではぶっちぎりの得票数でベストカップル賞に輝いていたカップル、
学園三大美女の瀬尾澪と、煉獄杏寿郎が破局していた
という衝撃的なニュースである。