戸惑う恋敵
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約束の恋人_戸惑う恋敵
杏寿郎が部活を切り上げた30分後、
杏寿郎と部活終わりの杏寿郎を待っていたその人物は
キメツ学園に1番近い駅前のファーストフード店にいた。
「…それで、俺に聞きたいこととは一体何だろうか!」
「急にごめんな、えーと改めまして、高等部からキメツ学園に編入した山田太郎だ。よろしく!」
「うむ、俺は煉獄杏寿郎だ!君のことはよく知っているぞ、君は有名人だからな!」
「え、そうなの?っていうか、煉獄くんの方が有名だと思うけどなぁ。」
「先学期、3位だったのが話題になっていた!それに…」
どう表現していいものか…と杏寿郎は珍しく言い淀む。
彼のことを考える時にいつも浮かぶのは、あの花火大会の日の姿だ。
綺麗に浴衣を着こなした澪の前で、照れながら何かを一生懸命話している姿。
だが、杏寿郎があの日2人を見掛けていたことを澪も彼も知らないのだから、それを言うことは出来なかった。
「…あぁ、澪ちゃん関連のことかな?」
「!」
「これからよく知ってくれたら付き合ってくれるのかって廊下で澪ちゃんに言ってしまった時、結構な人数が見てて一気に噂広まっちゃったもんね。」
「あぁそちらの話か。」
「?他にも何かあったっけ?」
「いや、何でもない。」
「ちなみに澪ちゃんとはまだ付き合ってないよ?」
「…別に聞いていないが!」
「あ、そう?興味あるかと思って。だって煉獄くん、澪ちゃんの元彼なんでしょ?」
入学してから半年、まさかのこのタイミングでそんなことを言われるとは思わず
杏寿郎は目を見張る。
「今日、煉獄くんに聞きたいことっていうのもそれ関連。…ねぇ、君たちって何で別れたの?」
「それはひm」
「うん、秘密ってのは聞いてるよ。煉獄くんも澪ちゃんも、何で別れたのか理由を聞いても教えてくれないっていう話も、もちろん知ってるんだけどさ。それでもちゃんと聞いてみたくって。だって煉獄くんも澪ちゃんもお互い未だ好き同士じゃん。なのに何で別れちゃったのかなーって。」
「好き同士?君が何を言いたいのかよく分からないが、俺は澪のことは良き友人だと思っている!」
「…。…は?」
「む?」
2人の間に数秒間の沈黙がおりる。
いつものように話している相手をじっと見つめる(ただし相手は目が合っているように思えない)杏寿郎と、
目も口も大きく開いてポカンと固まる山田太郎はしばらくそのまま固まった。
「…えぇ?噓でしょ…煉獄クン、君それ本気で言ってるの?」
「俺は嘘は付かない!」
「えぇぇー…オレら同い年だったよねぇ?これはアレか?無自覚、無自覚ってことなのか…でも付き合ってたんだよなぁ?いや、ちょっと待って。混乱してきたな…」
「何をぶつぶつ言っている!言いたいことがあるならハッキリと言って欲しい。」
「…それなら聞くけど。煉獄くんは澪ちゃんのこと友人だと思っているの?本気で?」
「だからそう言っているだろう。」
「…煉獄くんって、これまで誰かのこと好きになったことある…?あの、恋愛的な意味で。」
「話の脈絡がないな!」
「いや、だって。オレから見たら…っていうか誰から見ても、煉獄くん、君澪ちゃんのこと好きだと思うよ?恋愛的な意味で。」
「!?」
「…はぁ…。本当に無自覚だったのか…。」
先ほどとは比べものにならないほど、大きく目を見開いて固まる杏寿郎を前に
山田はため息を吐いて項垂れ、頭を抱える。
杏寿郎が部活を切り上げた30分後、
杏寿郎と部活終わりの杏寿郎を待っていたその人物は
キメツ学園に1番近い駅前のファーストフード店にいた。
「…それで、俺に聞きたいこととは一体何だろうか!」
「急にごめんな、えーと改めまして、高等部からキメツ学園に編入した山田太郎だ。よろしく!」
「うむ、俺は煉獄杏寿郎だ!君のことはよく知っているぞ、君は有名人だからな!」
「え、そうなの?っていうか、煉獄くんの方が有名だと思うけどなぁ。」
「先学期、3位だったのが話題になっていた!それに…」
どう表現していいものか…と杏寿郎は珍しく言い淀む。
彼のことを考える時にいつも浮かぶのは、あの花火大会の日の姿だ。
綺麗に浴衣を着こなした澪の前で、照れながら何かを一生懸命話している姿。
だが、杏寿郎があの日2人を見掛けていたことを澪も彼も知らないのだから、それを言うことは出来なかった。
「…あぁ、澪ちゃん関連のことかな?」
「!」
「これからよく知ってくれたら付き合ってくれるのかって廊下で澪ちゃんに言ってしまった時、結構な人数が見てて一気に噂広まっちゃったもんね。」
「あぁそちらの話か。」
「?他にも何かあったっけ?」
「いや、何でもない。」
「ちなみに澪ちゃんとはまだ付き合ってないよ?」
「…別に聞いていないが!」
「あ、そう?興味あるかと思って。だって煉獄くん、澪ちゃんの元彼なんでしょ?」
入学してから半年、まさかのこのタイミングでそんなことを言われるとは思わず
杏寿郎は目を見張る。
「今日、煉獄くんに聞きたいことっていうのもそれ関連。…ねぇ、君たちって何で別れたの?」
「それはひm」
「うん、秘密ってのは聞いてるよ。煉獄くんも澪ちゃんも、何で別れたのか理由を聞いても教えてくれないっていう話も、もちろん知ってるんだけどさ。それでもちゃんと聞いてみたくって。だって煉獄くんも澪ちゃんもお互い未だ好き同士じゃん。なのに何で別れちゃったのかなーって。」
「好き同士?君が何を言いたいのかよく分からないが、俺は澪のことは良き友人だと思っている!」
「…。…は?」
「む?」
2人の間に数秒間の沈黙がおりる。
いつものように話している相手をじっと見つめる(ただし相手は目が合っているように思えない)杏寿郎と、
目も口も大きく開いてポカンと固まる山田太郎はしばらくそのまま固まった。
「…えぇ?噓でしょ…煉獄クン、君それ本気で言ってるの?」
「俺は嘘は付かない!」
「えぇぇー…オレら同い年だったよねぇ?これはアレか?無自覚、無自覚ってことなのか…でも付き合ってたんだよなぁ?いや、ちょっと待って。混乱してきたな…」
「何をぶつぶつ言っている!言いたいことがあるならハッキリと言って欲しい。」
「…それなら聞くけど。煉獄くんは澪ちゃんのこと友人だと思っているの?本気で?」
「だからそう言っているだろう。」
「…煉獄くんって、これまで誰かのこと好きになったことある…?あの、恋愛的な意味で。」
「話の脈絡がないな!」
「いや、だって。オレから見たら…っていうか誰から見ても、煉獄くん、君澪ちゃんのこと好きだと思うよ?恋愛的な意味で。」
「!?」
「…はぁ…。本当に無自覚だったのか…。」
先ほどとは比べものにならないほど、大きく目を見開いて固まる杏寿郎を前に
山田はため息を吐いて項垂れ、頭を抱える。