一斤染の自覚
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一斤染の自覚
「杏寿郎兄さま!」
「ん?…澪か!久しいな!」
「はい!お久しぶりでございます!」
「はははっ!君がそんなにしっかりとした挨拶をするとは、大きくなったな!」
「む…兄さまと二つしか違いませんもの!もう私も十ですよ!」
「そうか!そうだったな、正月を過ぎて澪は十になったのだな!」
広いお庭に、めいっぱい杏寿郎兄さまの声が響いた。
こちらを振り返る杏寿郎兄さまの髪にはお日様の光があたって、とても奇麗。
今日もいつものように鍛錬をなさっていたようで、満面の笑顔でお話して下さりながら
額の汗を道着のお袖でぬぐっている。
杏寿郎兄さまのお家は、鬼狩りの名家だ。
「代々、炎柱をおつとめの家系なのよ」とお義姉様が教えて下さった。
お義姉様は、私の一の兄上様に嫁いでいらっしゃったお人で、凛とした姿がお綺麗な私の憧れの方だ。そしてもう一人の私の憧れが…
「…杏寿郎。まだそんな恰好をしているのですか。お昼には着替えているようにと言ったはずです。」
「母上…もうすでにそんな時刻ですか!申し訳ありません、時を忘れておりました!」
「空をご覧なさい、もう太陽の位置が真上です。」
瑠火様。杏寿郎兄さまのお母様で、お義姉様の姉上様。
お義姉様同様、凛としたお姿がお綺麗な方だ。
「澪、そこにいたのですね。」
「はい!兄さまにご挨拶をしておりました。」
「そう、あちらから客間へお上がりなさい。」
柔らかく微笑みながら、そう言って下さる。
私にとっては義理の姉の実姉にあたる方で、血の繋がりは無くって…私はそれを少し残念に思っている。
だって、瑠火様やお義姉様のお家に生まれていれば、おふたりのように私も綺麗になれるはずだもの!
「杏寿郎、じきに父上もお戻りです。お戻りになる前に身なりを整えなさい。」
「かしこまりました!ではな、澪!あとでまた話そう!」
「はい!」
私のお返事を聞いたか聞かないかのうちに杏寿郎兄さまはお屋敷に走りこんでいった。
「瑠火様!今日は槇寿郎様にもお会いできるのですかっ?」
「ええ。明け方任務を終え、こちらにお戻りになると烏が知らせてきましたからね。」
「槇寿郎様にお会いするのは、とってもとっても久しぶりなので嬉しいです!」
そう言うと、瑠火様は先ほどよりももっと大きい笑みを見せて下さった。
「杏寿郎兄さま!」
「ん?…澪か!久しいな!」
「はい!お久しぶりでございます!」
「はははっ!君がそんなにしっかりとした挨拶をするとは、大きくなったな!」
「む…兄さまと二つしか違いませんもの!もう私も十ですよ!」
「そうか!そうだったな、正月を過ぎて澪は十になったのだな!」
広いお庭に、めいっぱい杏寿郎兄さまの声が響いた。
こちらを振り返る杏寿郎兄さまの髪にはお日様の光があたって、とても奇麗。
今日もいつものように鍛錬をなさっていたようで、満面の笑顔でお話して下さりながら
額の汗を道着のお袖でぬぐっている。
杏寿郎兄さまのお家は、鬼狩りの名家だ。
「代々、炎柱をおつとめの家系なのよ」とお義姉様が教えて下さった。
お義姉様は、私の一の兄上様に嫁いでいらっしゃったお人で、凛とした姿がお綺麗な私の憧れの方だ。そしてもう一人の私の憧れが…
「…杏寿郎。まだそんな恰好をしているのですか。お昼には着替えているようにと言ったはずです。」
「母上…もうすでにそんな時刻ですか!申し訳ありません、時を忘れておりました!」
「空をご覧なさい、もう太陽の位置が真上です。」
瑠火様。杏寿郎兄さまのお母様で、お義姉様の姉上様。
お義姉様同様、凛としたお姿がお綺麗な方だ。
「澪、そこにいたのですね。」
「はい!兄さまにご挨拶をしておりました。」
「そう、あちらから客間へお上がりなさい。」
柔らかく微笑みながら、そう言って下さる。
私にとっては義理の姉の実姉にあたる方で、血の繋がりは無くって…私はそれを少し残念に思っている。
だって、瑠火様やお義姉様のお家に生まれていれば、おふたりのように私も綺麗になれるはずだもの!
「杏寿郎、じきに父上もお戻りです。お戻りになる前に身なりを整えなさい。」
「かしこまりました!ではな、澪!あとでまた話そう!」
「はい!」
私のお返事を聞いたか聞かないかのうちに杏寿郎兄さまはお屋敷に走りこんでいった。
「瑠火様!今日は槇寿郎様にもお会いできるのですかっ?」
「ええ。明け方任務を終え、こちらにお戻りになると烏が知らせてきましたからね。」
「槇寿郎様にお会いするのは、とってもとっても久しぶりなので嬉しいです!」
そう言うと、瑠火様は先ほどよりももっと大きい笑みを見せて下さった。