赤錆の連繋
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赤錆の連繋
『もう俺に構うな。時間の無駄だ。』
昨日の義勇さんの言葉が重いしこりのように胸につかえている。
義勇さんの気持ちが痛いほどよく分かるからだ。
きっと義勇さんは自分が死ねば良かったと思っているんだ。
自分よりも生きていて欲しかった大事な人が自分を守って死んだりしたら抉られるようにつらい。
…煉獄さん。
手元の日輪刀、力強い炎の意匠をした鍔を見つめる。
もうすでに癖になってしまったみたいだ。
自分の心が少しでも弱った時に、この鍔を見つめることが。
煉獄さん、命をかけて俺たちを守ってくれた。
凄い人だった。誰よりも優しくて、強かった。
『君も気合を入れろ!』
『心を燃やせ!』
その言葉たちに、この鍔に、俺はどれほど支えられているか…
義勇さんにはそんな風に支えになってくれる存在が無いのかな。
もし無いのであれば、どう声をかけるべきなんだろう。
俺だってまだまだだ。そんな俺がどんな言葉をかけられると言うんだ。
「…はぁ。」
…いや、考えていても仕方ない!とにかく今日も義勇さんに会いに行かなくては。
考えはまとまらないまま、それでも杖を支えにしながら義勇さんへの道を辿る。
途中、先日手土産の甘味を購入したお茶屋さんの前を通った。
…さすがに今日は和やかに甘味を食べる雰囲気にはならないかな。
いや、逆にそういう物で和むために買って行った方が良いだろうか?
「…うーん。…ん?」
フワッ
どこからか微かに、懐かしい匂いがした気がした。
「…(クンクン)」
優しくて、強い。…煉獄さんの香りに似ている。
思わず腰元の日輪刀の鍔を見下ろす。
休養中だし、骨折をしているから本当は刀は差さない方が良いんだけど、
今日は何となく手放せなくて差してきた日輪刀だ。
「あら!澪ちゃん!こんなところを出歩いたりして体は大丈夫なのかい!?」
…!?
い、いま「澪」と言ったよな!?
『もう俺に構うな。時間の無駄だ。』
昨日の義勇さんの言葉が重いしこりのように胸につかえている。
義勇さんの気持ちが痛いほどよく分かるからだ。
きっと義勇さんは自分が死ねば良かったと思っているんだ。
自分よりも生きていて欲しかった大事な人が自分を守って死んだりしたら抉られるようにつらい。
…煉獄さん。
手元の日輪刀、力強い炎の意匠をした鍔を見つめる。
もうすでに癖になってしまったみたいだ。
自分の心が少しでも弱った時に、この鍔を見つめることが。
煉獄さん、命をかけて俺たちを守ってくれた。
凄い人だった。誰よりも優しくて、強かった。
『君も気合を入れろ!』
『心を燃やせ!』
その言葉たちに、この鍔に、俺はどれほど支えられているか…
義勇さんにはそんな風に支えになってくれる存在が無いのかな。
もし無いのであれば、どう声をかけるべきなんだろう。
俺だってまだまだだ。そんな俺がどんな言葉をかけられると言うんだ。
「…はぁ。」
…いや、考えていても仕方ない!とにかく今日も義勇さんに会いに行かなくては。
考えはまとまらないまま、それでも杖を支えにしながら義勇さんへの道を辿る。
途中、先日手土産の甘味を購入したお茶屋さんの前を通った。
…さすがに今日は和やかに甘味を食べる雰囲気にはならないかな。
いや、逆にそういう物で和むために買って行った方が良いだろうか?
「…うーん。…ん?」
フワッ
どこからか微かに、懐かしい匂いがした気がした。
「…(クンクン)」
優しくて、強い。…煉獄さんの香りに似ている。
思わず腰元の日輪刀の鍔を見下ろす。
休養中だし、骨折をしているから本当は刀は差さない方が良いんだけど、
今日は何となく手放せなくて差してきた日輪刀だ。
「あら!澪ちゃん!こんなところを出歩いたりして体は大丈夫なのかい!?」
…!?
い、いま「澪」と言ったよな!?