藤紫の覚悟 -side主人公-
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藤紫の覚悟 -side澪-
「…君のことだ、何処に居ても誰と居ても上手くやっていけるだろう。」
最終選別を終えて戻った杏寿郎さんを迎え、
喜んでいたのも束の間、
杏寿郎さんに呼ばれ、いきなりそのような事を言われた。
それが、許婚を解消して破談とし、煉獄家を出ていくように
というのを暗示しているのは明白で
なぜ、どうして、そればかりが頭の中をぐるぐるする。
結局理由を聞いても杏寿郎さんは答えてくれないまま
「しばらく、考えてみて欲しい」と言って、
部屋を出てしまった。
それから数日経っても、杏寿郎さんは何も言わない。
…一体、最終選別で何があったの?
そう思っても、杏寿郎さんが話してくれない限り、私にわかる術はない。
何かを…杏寿郎さんが思い悩んでいるのは、分かる。
千寿郎の前では、いつも通りに振る舞っているけど
時折、表情が消えることがあるから。
それは、あの最終選別から戻られた日と同じお顔で。
今も…
隊服も日輪刀も届き、鎹烏から初めての任務が言い渡され
さぁ今から出発という時に、
ちょうど任務からお帰りになったお義父様と廊下でかち合い
「お前は炎柱になれない」と告げられた杏寿郎さんの顔から表情が落ちた。
お義父様が私の立つ方へと歩いてくる、その奥にある
杏寿郎さんの顔を見つめる。
「…おい、そこをどけ。」
「!失礼しました、お義父様。お帰りなさい。お怪我はございませんか?」
「うるさい!…俺に構うな。」
「…澪。」
「っ、…はい。」
私の横を抜け、ご自分の部屋へ向かうお義父様を見送っていると
杏寿郎さんから声を掛けられる。
…まだあの表情(かお)だ。
「俺は今から任務に行く。…帰ってきたら、話をしよう。」
「…っ分かりました。あの、お気を付けて…。」
「…君のことだ、何処に居ても誰と居ても上手くやっていけるだろう。」
最終選別を終えて戻った杏寿郎さんを迎え、
喜んでいたのも束の間、
杏寿郎さんに呼ばれ、いきなりそのような事を言われた。
それが、許婚を解消して破談とし、煉獄家を出ていくように
というのを暗示しているのは明白で
なぜ、どうして、そればかりが頭の中をぐるぐるする。
結局理由を聞いても杏寿郎さんは答えてくれないまま
「しばらく、考えてみて欲しい」と言って、
部屋を出てしまった。
それから数日経っても、杏寿郎さんは何も言わない。
…一体、最終選別で何があったの?
そう思っても、杏寿郎さんが話してくれない限り、私にわかる術はない。
何かを…杏寿郎さんが思い悩んでいるのは、分かる。
千寿郎の前では、いつも通りに振る舞っているけど
時折、表情が消えることがあるから。
それは、あの最終選別から戻られた日と同じお顔で。
今も…
隊服も日輪刀も届き、鎹烏から初めての任務が言い渡され
さぁ今から出発という時に、
ちょうど任務からお帰りになったお義父様と廊下でかち合い
「お前は炎柱になれない」と告げられた杏寿郎さんの顔から表情が落ちた。
お義父様が私の立つ方へと歩いてくる、その奥にある
杏寿郎さんの顔を見つめる。
「…おい、そこをどけ。」
「!失礼しました、お義父様。お帰りなさい。お怪我はございませんか?」
「うるさい!…俺に構うな。」
「…澪。」
「っ、…はい。」
私の横を抜け、ご自分の部屋へ向かうお義父様を見送っていると
杏寿郎さんから声を掛けられる。
…まだあの表情(かお)だ。
「俺は今から任務に行く。…帰ってきたら、話をしよう。」
「…っ分かりました。あの、お気を付けて…。」