若草の決意
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若草の決意
「では、頼みましたよ。杏寿郎。」
「はいっ!お任せください、母上!」
「…くれぐれも杏寿郎の手を離してはなりませんよ、澪。」
「はいっ」
「それでは行って参ります!!」
「まいります!!」
今日はおば上と共に、澪が遊びに来ていた。
この後、おば上と母上の友人がたずねてくるらしいのだが、
うっかり来客用の茶を切らしてしまったらしい。
母上にはめずしいことだ!
そこで、俺と澪とで、遣いに出ることになった。
澪の家は大きな商店であるので、ほとんどの物が自分の家にあり
遣いに出たことがないらしい。
子どもだけで買い物に出る遣いが初めてだと
おおいに興奮していて、澪は先ほどから俺とつないだ手をぶんぶんと大きく振っている。
「はははっ!楽しそうなのは何よりだが、澪!そんなに大きく手をふって歩くと転んでしまうぞ!」
「だいじょうぶよ!澪がころんでもきょうじゅろう兄さまが助けて下さるもの!」
「それはそうだが、まずは転ばぬように気を付けねばな!」
「うん、わかった!」
「うむ、よい返事だ!」
途中、あれはなんのお店?これはなぁに?と聞く澪に
あれは海苔屋だ!とか、これは紅だ、おば上や母上が付けているだろう?だとか
一つずつ説明をしてやりながら、
ようやく目当ての茶店に到着した。
「こんにちは!!」
「こんにちわー!」
「…おぅ、何だい。煉獄さんとこの坊ちゃんじゃないか。今日は別嬪さんを連れてるねぇ~。」
「「…べっぴんさん…?」」
聞きなれない言葉に澪と二人、首をかしげる。
「おじさま、澪のおなまえはべっぴんさんじゃなくて澪っていうのよ!」
「っ!はははははっ!(笑)そうかぃ、そうかぃ。お嬢ちゃんは澪ちゃんって言うのかぃ。それはすまなかったね!」
「ううん、おぼえてくださればいいのよ。」
「ははっ!あぁ、もうちゃんと覚えたよ!澪ちゃんは小さいのに賢い子だねぇ…さすが煉獄さんとこの坊ちゃんが連れている子だよ。」
「澪は俺の従兄妹なのです!」
「ん?従兄妹ってこたぁ…、あぁ瑠火さんの方の。ということは●●町の瀬尾の家の嬢ちゃんかい。」
「!おじさま、澪のことしってるの?」
「あぁいや、澪ちゃんのお父さんのことを知ってるんだ。お仕事でね。そうか、瀬尾さんところのお嬢さんじゃ、しっかりしているはずだな。…で、今日は二人でお遣いかぃ?」
「はい!母上に言われて、来客用の茶を買いに来ました!」
「あぁ、来客用の茶だったら…いつも瑠火さんが買っていくのはこれだね。」
「ありがとうございます!…ん、…澪、澪!少しだけ手を離してくれないか!」
茶を買うための代金を払おうと、母上からあずかった巾着を懐から取り出したが
片方の手を澪が握っているため、巾着の口を広げられない。
そのため一度手を離してくれと澪に言う。
「…だめ!るかさまとお約束したもの!兄さまの手をはなしちゃだめって!」
「…いや、しかし…」
「あっはっは!(笑)澪ちゃんは瑠火さんの言い付けもちゃんと守って良い子だなぁ。どれ、手を離さなくていいようおじさんが出してあげよう。」
母上との約束だから離さない!と主張する澪に、
それだと金子が出せない…と困っていると店の主人が俺から巾着を受け取り
俺たちの見えるところに巾着の中身を広げた上で、そこから必要な分だけを取ってくれた。
「はい、これだけもらうね。残りは巾着にしまって…ほらよ、煉獄の坊ちゃん。」
「ありがとうございますっ!!」
少しだけ軽くなった巾着を返してもらい、再び懐にしまいながら、
お礼を言って、深々とお辞儀をする。
「…ありがとうございますっ」
すると、それを見た澪が真似をして俺の隣で同じようにお辞儀をしている。
何に対して礼を言っているか分かっていないだろうに、
とにかく俺の真似をして礼とお辞儀をしている素直で愛らしい澪の姿に
店主と二人「はははっ!」と笑うと、澪はふしぎそうに俺を見返した。
「では、頼みましたよ。杏寿郎。」
「はいっ!お任せください、母上!」
「…くれぐれも杏寿郎の手を離してはなりませんよ、澪。」
「はいっ」
「それでは行って参ります!!」
「まいります!!」
今日はおば上と共に、澪が遊びに来ていた。
この後、おば上と母上の友人がたずねてくるらしいのだが、
うっかり来客用の茶を切らしてしまったらしい。
母上にはめずしいことだ!
そこで、俺と澪とで、遣いに出ることになった。
澪の家は大きな商店であるので、ほとんどの物が自分の家にあり
遣いに出たことがないらしい。
子どもだけで買い物に出る遣いが初めてだと
おおいに興奮していて、澪は先ほどから俺とつないだ手をぶんぶんと大きく振っている。
「はははっ!楽しそうなのは何よりだが、澪!そんなに大きく手をふって歩くと転んでしまうぞ!」
「だいじょうぶよ!澪がころんでもきょうじゅろう兄さまが助けて下さるもの!」
「それはそうだが、まずは転ばぬように気を付けねばな!」
「うん、わかった!」
「うむ、よい返事だ!」
途中、あれはなんのお店?これはなぁに?と聞く澪に
あれは海苔屋だ!とか、これは紅だ、おば上や母上が付けているだろう?だとか
一つずつ説明をしてやりながら、
ようやく目当ての茶店に到着した。
「こんにちは!!」
「こんにちわー!」
「…おぅ、何だい。煉獄さんとこの坊ちゃんじゃないか。今日は別嬪さんを連れてるねぇ~。」
「「…べっぴんさん…?」」
聞きなれない言葉に澪と二人、首をかしげる。
「おじさま、澪のおなまえはべっぴんさんじゃなくて澪っていうのよ!」
「っ!はははははっ!(笑)そうかぃ、そうかぃ。お嬢ちゃんは澪ちゃんって言うのかぃ。それはすまなかったね!」
「ううん、おぼえてくださればいいのよ。」
「ははっ!あぁ、もうちゃんと覚えたよ!澪ちゃんは小さいのに賢い子だねぇ…さすが煉獄さんとこの坊ちゃんが連れている子だよ。」
「澪は俺の従兄妹なのです!」
「ん?従兄妹ってこたぁ…、あぁ瑠火さんの方の。ということは●●町の瀬尾の家の嬢ちゃんかい。」
「!おじさま、澪のことしってるの?」
「あぁいや、澪ちゃんのお父さんのことを知ってるんだ。お仕事でね。そうか、瀬尾さんところのお嬢さんじゃ、しっかりしているはずだな。…で、今日は二人でお遣いかぃ?」
「はい!母上に言われて、来客用の茶を買いに来ました!」
「あぁ、来客用の茶だったら…いつも瑠火さんが買っていくのはこれだね。」
「ありがとうございます!…ん、…澪、澪!少しだけ手を離してくれないか!」
茶を買うための代金を払おうと、母上からあずかった巾着を懐から取り出したが
片方の手を澪が握っているため、巾着の口を広げられない。
そのため一度手を離してくれと澪に言う。
「…だめ!るかさまとお約束したもの!兄さまの手をはなしちゃだめって!」
「…いや、しかし…」
「あっはっは!(笑)澪ちゃんは瑠火さんの言い付けもちゃんと守って良い子だなぁ。どれ、手を離さなくていいようおじさんが出してあげよう。」
母上との約束だから離さない!と主張する澪に、
それだと金子が出せない…と困っていると店の主人が俺から巾着を受け取り
俺たちの見えるところに巾着の中身を広げた上で、そこから必要な分だけを取ってくれた。
「はい、これだけもらうね。残りは巾着にしまって…ほらよ、煉獄の坊ちゃん。」
「ありがとうございますっ!!」
少しだけ軽くなった巾着を返してもらい、再び懐にしまいながら、
お礼を言って、深々とお辞儀をする。
「…ありがとうございますっ」
すると、それを見た澪が真似をして俺の隣で同じようにお辞儀をしている。
何に対して礼を言っているか分かっていないだろうに、
とにかく俺の真似をして礼とお辞儀をしている素直で愛らしい澪の姿に
店主と二人「はははっ!」と笑うと、澪はふしぎそうに俺を見返した。