一年生
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轟々と音を立て燃え盛る炎
私の涙に濡れた頰を焼く赤い悪魔は
一生出ることの叶わないと思っていた檻を
いとも簡単に崩していった
ひどく耳鳴りがする
建物が崩れ落ちる音、悲痛な叫び声。
私はこの光景を知っている…?
私の名前を誰かが呼んだ気がした。
誰が呼んだのか、はたまた頭の中に響いた声か。
檻という名の建物が壊れていく様は、私の怒りが全てを燃やし尽くしていくようで清々しく、出来る事なら地面に身を投げ出して大声で笑いたいほど嬉しい反面、
ぽっかり穴が空いたような寂しさと何かを無くしたみたいな悲しさが押し寄せ、感情がぐちゃぐちゃで、はち切れそうだ
遠くでサイレンの音が聞こえる
騒ぎに気づいた誰かが呼んだのだろうか
人の気配が集まりだしてきているのを感じる
早くここから去らないと…、どこか遠くへ…
体が重い。全身に鉛を流し込まれたように、体が重くて立てない。
あぁ、どうしてこんなに眠たい…
その時、誰かが私に近づく気配がしたかと思うと、動かせずにいる私の腕を掴んだ。
やめて…、触らないで…近寄らないで…!!
最後の力を振り絞り、掴まれた腕を振り払った。
すると、私の感情に呼応するかのように炎がゴォォと音を立てて、一層燃え盛ったのを見たが、それを最後に、私の意識も闇夜に溶けていった。
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