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グランドラインの旅を経て、イーストブルーまできた私たち。
色々な島を巡っていれば、トラブルも起きる。
まさに今そのトラブルに見舞われていた。
「くそー! 大砲打ってきやがった!」
「やり返すか!?」
「この距離じゃ俺らの船の大砲は届かねーよ!」
「どうしますかドレーク船長!」
そう、名もない海賊船に襲われているのだ。
「ドレークさん、僕が剃で行ってきましょうか?」
そう言うコビー君に私は待ったをかける。
「待ってコビー君。ドレーク、ここは私に行かせて。この船にお世話になってるから、少しでも恩返しさせて欲しいの。」
私の言葉にドレークは額に皺を増やした。
「ダメだ! 危険な奴らなのは目に見えている!」
「大丈夫! 私が結構強いの、知ってるでしょ?」
そう言って笑って見せるも、彼は首を縦に振らない。
しかし私はそれを分かった上で船から海へ飛び降りた。
ドレークの仲間達が私の名前を焦ったように呼ぶ。
しかしその後すぐ感心したような声が上がる。
「海の上を……立ってる!?」
「す、すげぇ!」
「どうなってんだ!? 能力者だったのか!?」
私は船から少し離れて敵船に手を振る。
「おーい! こっちだよー!」
大砲の照準を私に合わさせるためだ。
私のその行動に焦るドレークと、その仲間達。
「何してる、鳴海!!」
「お、おい! そんなことしちゃあ当たっちまうぞ!」
「鳴海さん! 避けて! 大砲がきます!」
思惑通り大砲の球が私を狙って飛んでくる。
それが当たる前に私は瞬身ですぐさま前方へ移動する。
走りながら瞬身を使い、照準を合わさせないよう敵船へ近づく。
ドレークや仲間達が、私の動きに驚いていることも知らずに。
ーーーーーーーーーーーーーーー
鳴海が麦わらの一味の中でも強い方であることは知っていたが、あそこまで素早く動けることは知らなかった。
ーーよくよく考えれば、俺は彼女と戦ったことがあるわけでも、彼女の戦いを間近で観察したことがあるわけでもない。ーー
まるで瞬間移動でもしているかのように、海の上を右へ左へと素早く駆け抜ける。
そして遂に大砲を避けきり船に辿り着いたかと思えば、船に乗り込む気配も見せずに、大きく右手の拳を振りかぶる。
「(まさか……、いや、そんなこと可能なのか?)」
そして彼女は俺の予想通り、そのまま船へと拳をぶつけた。
するとどうだろう。
鳴海の一撃で、敵船はまるでクッキーのようにバラバラと崩れ出す。
そのまま船が沈むのには数分とかからなかった。
「す、すごい……。」
コビーが隣で感嘆の声を出している。
「なんて怪力だ……。」
「さすが海賊王のクルーだな……。」
「女なのに強ぇ……。」
他の仲間達も同じように感心していた。
そんな事を知らない彼女は、涼しい顔でこちらに向かって海の上を歩いてくる。
これも忍術の一種なのだろうか。
鳴海は俺たちの船に到着すると、船の側面を地面を走るかのように上がり、そのまま甲板へと降り立った。
「お待たせ!」
笑顔でそう言う彼女に、仲間達が寄ってたかって褒める。
「おぉー! すげぇぜ鳴海さん!」
「一発で撃沈!」
「どうやって海の上を立ったんだ!?」
笑顔でそれらをかわし、鳴海は俺の前に来る。
「どうだった?」
悪戯っ子のような笑みでそう聞く彼女に、俺はため息をついた。
「どうもこうも……1人でやる必要は無かっただろう。」
そう言えば少しだけ不満そうな顔をする鳴海。
そんな彼女を見て、俺は彼女の頬に傷がついていることに気づく。
思わずそこに手を伸ばした。
「怪我をしている。」
船の瓦礫の破片で切ったのだろうか。
「ん? あれ、気付かなかったな。でも大丈夫!」
そう言うと、彼女は自身の額の"ひし形"を指差し言う。
「私にはこれがあるから。」
そして両手で印を結ぶ。
すると"ひし形"が形を変えて彼女の顔に模様を伸ばし、頬の傷があっという間になくなった。
「!?」
俺は驚いて傷のあった箇所を何度も確認する。
が、そこには何も無かったかのように綺麗な肌があるだけだった。
まるで超回復。
これも忍術か?
しかし、これだけの能力にリスクがないとは思えない。
「船長室でゆっくり話を聞かせてもらおうか。」
自分で思ったよりも低い声が出たが、仕方ないだろう。
彼女が無茶ばかりするのが悪い。
「えっ、何で怒ってるの……!?」
彼女のその問いには答えず俺は船長室へ向かう。
後ろから戸惑いがちに俺の後を追う鳴海の気配を感じ取りながら。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「それで? 海の上を走るのも、超回復も、全て忍術か?」
私は今ドレークの部屋に来ていた。
小さな丸テーブルに2人で向かい合って座る。
しかし彼はなんだか不機嫌で、まるでお説教をされる気分だ。
「そうです。」
思わず敬語で返事をしてしまった。
「どういう原理なんだ?」
グッと眉を寄せて聞くドレークに、私はできるだけ分かりやすく説明を試みる。
「チャクラっていう、身体エネルギーと精神エネルギーを混ぜて出来るエネルギーを使うの。それを足の裏に流して水の上や船の側面を走ったり……。私の怪力もそれと基本は同じ。拳にチャクラを溜めて、一気に放つ。だから、純粋な腕力ではないの。」
「超回復の方はどう説明できる。」
またもや不機嫌そうに問われたことに、どう答えようか考える。
「んー……、この額のマークには、チャクラが溜まってるの。その溜めたチャクラを使って細胞分裂を促進させて傷を治す感じ。」
私の言葉に、ドレークは額の皺をグッと増やした。
そしてやや怒り気味に言う。
「人の細胞分裂の回数は決まっていると聞くが。」
ドレークの言いたい事はなんとなく分かった。
この術のリスクについて言っているのだ。
「……まぁ、ドレークの予想通り、深手を治そうとすると、寿命は縮む……かな。」
「もう二度とその術は使うな!」
彼は声を荒げて言う。
私は顔の前で手を振りながら言う。
「で、でも今日くらいのかすり傷なら別に大して寿命もーー」
私の言葉を遮り彼は私の手を掴んだ。
「分からないか? たとえ数秒だろうと、君に命を削って欲しくないんだ。」
ドレークは私の腕を掴んだ手を緩め、私の両手を優しく包んだ。
「頼むから、もうそれは使わないでくれ。君と出来るだけ長く一緒に居たいんだ。」
そしてその手を自分の額に当てて、懇願するように言う。
私は彼のその様に驚いた。
前の世界では、使えるものは全て使って戦うのが当たり前だった。
こんな風に心配されたことなんてなかった。
それに彼の言い方では、まるでこれから一生一緒に居るかのような言い方に聞こえる。
私としては素直に嬉しいが、そこまで考えてくれていることに驚きも覚えた。
「……心配、してくれて……ありがとう。」
私が何とか絞り出した言葉に、彼は顔を上げる。
そしてムッとした顔で問う。
「返事は?」
「えっ、あぁ。うん、分かった。出来るだけ使わない。」
「ダメだ。絶対に、だ。」
そのまっすぐな青い瞳に見つめられ、私は根負けした。
「……分かったよ。絶対に使わない。」
ヘラリと笑って言えば、ドレークは目に見えて安心した様子を見せた。
私は彼の優しさに心が温まるのを感じるのだった。
色々な島を巡っていれば、トラブルも起きる。
まさに今そのトラブルに見舞われていた。
「くそー! 大砲打ってきやがった!」
「やり返すか!?」
「この距離じゃ俺らの船の大砲は届かねーよ!」
「どうしますかドレーク船長!」
そう、名もない海賊船に襲われているのだ。
「ドレークさん、僕が剃で行ってきましょうか?」
そう言うコビー君に私は待ったをかける。
「待ってコビー君。ドレーク、ここは私に行かせて。この船にお世話になってるから、少しでも恩返しさせて欲しいの。」
私の言葉にドレークは額に皺を増やした。
「ダメだ! 危険な奴らなのは目に見えている!」
「大丈夫! 私が結構強いの、知ってるでしょ?」
そう言って笑って見せるも、彼は首を縦に振らない。
しかし私はそれを分かった上で船から海へ飛び降りた。
ドレークの仲間達が私の名前を焦ったように呼ぶ。
しかしその後すぐ感心したような声が上がる。
「海の上を……立ってる!?」
「す、すげぇ!」
「どうなってんだ!? 能力者だったのか!?」
私は船から少し離れて敵船に手を振る。
「おーい! こっちだよー!」
大砲の照準を私に合わさせるためだ。
私のその行動に焦るドレークと、その仲間達。
「何してる、鳴海!!」
「お、おい! そんなことしちゃあ当たっちまうぞ!」
「鳴海さん! 避けて! 大砲がきます!」
思惑通り大砲の球が私を狙って飛んでくる。
それが当たる前に私は瞬身ですぐさま前方へ移動する。
走りながら瞬身を使い、照準を合わさせないよう敵船へ近づく。
ドレークや仲間達が、私の動きに驚いていることも知らずに。
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鳴海が麦わらの一味の中でも強い方であることは知っていたが、あそこまで素早く動けることは知らなかった。
ーーよくよく考えれば、俺は彼女と戦ったことがあるわけでも、彼女の戦いを間近で観察したことがあるわけでもない。ーー
まるで瞬間移動でもしているかのように、海の上を右へ左へと素早く駆け抜ける。
そして遂に大砲を避けきり船に辿り着いたかと思えば、船に乗り込む気配も見せずに、大きく右手の拳を振りかぶる。
「(まさか……、いや、そんなこと可能なのか?)」
そして彼女は俺の予想通り、そのまま船へと拳をぶつけた。
するとどうだろう。
鳴海の一撃で、敵船はまるでクッキーのようにバラバラと崩れ出す。
そのまま船が沈むのには数分とかからなかった。
「す、すごい……。」
コビーが隣で感嘆の声を出している。
「なんて怪力だ……。」
「さすが海賊王のクルーだな……。」
「女なのに強ぇ……。」
他の仲間達も同じように感心していた。
そんな事を知らない彼女は、涼しい顔でこちらに向かって海の上を歩いてくる。
これも忍術の一種なのだろうか。
鳴海は俺たちの船に到着すると、船の側面を地面を走るかのように上がり、そのまま甲板へと降り立った。
「お待たせ!」
笑顔でそう言う彼女に、仲間達が寄ってたかって褒める。
「おぉー! すげぇぜ鳴海さん!」
「一発で撃沈!」
「どうやって海の上を立ったんだ!?」
笑顔でそれらをかわし、鳴海は俺の前に来る。
「どうだった?」
悪戯っ子のような笑みでそう聞く彼女に、俺はため息をついた。
「どうもこうも……1人でやる必要は無かっただろう。」
そう言えば少しだけ不満そうな顔をする鳴海。
そんな彼女を見て、俺は彼女の頬に傷がついていることに気づく。
思わずそこに手を伸ばした。
「怪我をしている。」
船の瓦礫の破片で切ったのだろうか。
「ん? あれ、気付かなかったな。でも大丈夫!」
そう言うと、彼女は自身の額の"ひし形"を指差し言う。
「私にはこれがあるから。」
そして両手で印を結ぶ。
すると"ひし形"が形を変えて彼女の顔に模様を伸ばし、頬の傷があっという間になくなった。
「!?」
俺は驚いて傷のあった箇所を何度も確認する。
が、そこには何も無かったかのように綺麗な肌があるだけだった。
まるで超回復。
これも忍術か?
しかし、これだけの能力にリスクがないとは思えない。
「船長室でゆっくり話を聞かせてもらおうか。」
自分で思ったよりも低い声が出たが、仕方ないだろう。
彼女が無茶ばかりするのが悪い。
「えっ、何で怒ってるの……!?」
彼女のその問いには答えず俺は船長室へ向かう。
後ろから戸惑いがちに俺の後を追う鳴海の気配を感じ取りながら。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「それで? 海の上を走るのも、超回復も、全て忍術か?」
私は今ドレークの部屋に来ていた。
小さな丸テーブルに2人で向かい合って座る。
しかし彼はなんだか不機嫌で、まるでお説教をされる気分だ。
「そうです。」
思わず敬語で返事をしてしまった。
「どういう原理なんだ?」
グッと眉を寄せて聞くドレークに、私はできるだけ分かりやすく説明を試みる。
「チャクラっていう、身体エネルギーと精神エネルギーを混ぜて出来るエネルギーを使うの。それを足の裏に流して水の上や船の側面を走ったり……。私の怪力もそれと基本は同じ。拳にチャクラを溜めて、一気に放つ。だから、純粋な腕力ではないの。」
「超回復の方はどう説明できる。」
またもや不機嫌そうに問われたことに、どう答えようか考える。
「んー……、この額のマークには、チャクラが溜まってるの。その溜めたチャクラを使って細胞分裂を促進させて傷を治す感じ。」
私の言葉に、ドレークは額の皺をグッと増やした。
そしてやや怒り気味に言う。
「人の細胞分裂の回数は決まっていると聞くが。」
ドレークの言いたい事はなんとなく分かった。
この術のリスクについて言っているのだ。
「……まぁ、ドレークの予想通り、深手を治そうとすると、寿命は縮む……かな。」
「もう二度とその術は使うな!」
彼は声を荒げて言う。
私は顔の前で手を振りながら言う。
「で、でも今日くらいのかすり傷なら別に大して寿命もーー」
私の言葉を遮り彼は私の手を掴んだ。
「分からないか? たとえ数秒だろうと、君に命を削って欲しくないんだ。」
ドレークは私の腕を掴んだ手を緩め、私の両手を優しく包んだ。
「頼むから、もうそれは使わないでくれ。君と出来るだけ長く一緒に居たいんだ。」
そしてその手を自分の額に当てて、懇願するように言う。
私は彼のその様に驚いた。
前の世界では、使えるものは全て使って戦うのが当たり前だった。
こんな風に心配されたことなんてなかった。
それに彼の言い方では、まるでこれから一生一緒に居るかのような言い方に聞こえる。
私としては素直に嬉しいが、そこまで考えてくれていることに驚きも覚えた。
「……心配、してくれて……ありがとう。」
私が何とか絞り出した言葉に、彼は顔を上げる。
そしてムッとした顔で問う。
「返事は?」
「えっ、あぁ。うん、分かった。出来るだけ使わない。」
「ダメだ。絶対に、だ。」
そのまっすぐな青い瞳に見つめられ、私は根負けした。
「……分かったよ。絶対に使わない。」
ヘラリと笑って言えば、ドレークは目に見えて安心した様子を見せた。
私は彼の優しさに心が温まるのを感じるのだった。