生き残りの私達
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アルベルと別れた次の日、私は何故か太陽を克服していた。
何日も空を飛び続けて辿り着いたのはドラム王国。
そこで出会ったドクターくれはに用心棒として拾われてから、色々なことがあった。なんだかんだで、今は城でドクトリーヌとチョッパーと3人暮らしをしている。
この国にもたくさんの困難があったけど、結局居心地の良さに負けて30年もここに居座ってしまった。
そろそろ、探しに行きたいな。アルベルを。
そんな事を思いながら自室で新聞を読んでいると、外が騒がしい事に気づく。
気配からして3人お客が来ているようだ。
昨日ドクトリーヌとチョッパーが忙しそうにしてたのは彼らの治療か何かだろう。
先ほどまでのどんちゃん騒ぎは少しだけ静まったようで、ドクトリーヌの部屋に行ってみる。
扉を開ければ、ベッドに可愛いお嬢さんとその横にグル眉が特徴的な青年。
ドクトリーヌは椅子に座っていつものように酒をラッパ飲みしている。
「初めまして、お客さん達。」
私の言葉に、青年は目をハートにして近寄ってくる。
「んメロリ〜ン♡ この城にこんなビッグな美女がいたなんて♡」
私は椅子に座りドクトリーヌにたずねる。
「ドクトリーヌ、この人たちは?」
「私の患者だよ。こいつらに今、チョッパーの昔話をしてやろうと思ってたところさ。」
「……へぇ。随分とお客さんに気に入られたみたいね、チョッパー。」
「ヒーヒッヒッ。本当だよ。聞けば、こいつら海賊だって言うじゃないか。良い機会かと思ったのさ。チョッパーにも、アンタにもね。」
「あら、私以外に誰がここの用心棒するの?」
「なめんじゃないよ。わたしゃ1人でだってやっていける。アンタみたいな小娘の力がなくてもね。」
「そ。じゃあそろそろ、チョッパーの話をしてあげたら?」
「そうさね。」
ドクトリーヌは話し出した。チョッパーの過去を。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「それから6年……。トニー君はあなたのもとで……。」
オレンジ色の髪が特徴的な彼女が、呟くように言う。
「あぁ。あたしの全てを叩き込んでやったよ。」
「あなたは? トニー君とは付き合い長いの?」
彼女は私を見て問いかける。
「チョッパーよりドクトリーヌとの方が付き合いは長いの。あ、でも私は医学はからっきし。チョッパーは、そうね……私にとって、同居人であり、友達であり……バケモノ仲間ってとこね。」
そう言って笑ってみれば、2人は不思議そうな顔をする。
ドクトリーヌをチラリとみれば、複雑そうな顔をしていた。
ふと、チョッパーの蹄の足音がすると思ったら、バタンと扉が勢いよく開いた。
「ドクトリーヌ! ワポルが、戻ってきた!!」
チョッパーの言葉に私たちの空気が変わる。
「私の出番ね。」
私はそう言って立ちあがる。
「鳴海もいたのか! 頼む! あいつら追い払わなきゃ!」
チョッパーの言葉に頷く。
「分かってる。」
言いながら、私達は歩き出した。
そのまま城の外に出てワポルとその部下達と応戦しようとすれば、グル眉の青年が私の前に出る。
「待ってくれ。レディは俺の後ろに。」
「あら、守ってくれるのは嬉しいけれど、私結構強いの。言ったでしょ、ここの用心棒だって。」
私がそういえば、ドクトリーヌが彼にキックをかます。
青年は声にならない悲鳴をあげて雪まみれになっている。
「まぁ見てな。鳴海の戦い。」
麦わら帽子の男の子は何故か服を探しに城に戻った。
私は数歩踏み出し、本来の姿に戻る。
蝙蝠のような大きな羽に、尖った牙、鋭い爪。
これが私の本当の姿。
私は大地を蹴って低空飛行をし、そのスピードのままワポルをぶん殴る。
今度は上空に上がって勢いをつけてワポルの脳天めがけてキックをお見舞いする。
「雨ノ沙霧 !」
奴は数秒意識を飛ばしたようだった。
が、部下達が奴を起こして目覚めさせる。
「頑丈な頭ね。」
「すげぇ、何だあの羽…!」
後ろでグル眉の青年が驚いているらしい。
ドクトリーヌは独特の笑い方でこちらを見ている。
まだ力の半分も出してない私が、今度こそ奴らを仕留めようとした、その時だった。
「待ってくれ!そいつ、俺にやらせてくれ!」
「……麦わら帽子くん。」
そう言ってワポルに向かって行く彼。
グル眉の青年いわく、何か因縁のようなものがあるらしい。
そういうことならと、私は潔く身を引く。
そうして彼らの戦闘が始まりチョッパーも加勢した。
しかし、ワポルは城に立っているヒルルクの旗を狙って砲撃したのだ。
それを見上げる私達。
「なんてことを……。」
私は思わず呆然と見上げてしまう。
その旗の意味も、チョッパーにとってどんな旗かも、全て知ってしまっているから。
チョッパーは怒ってワポルに殴りかかろうとする。
しかし彼は優しいから、結局説得で解決しようとして砲撃をモロに喰らう。
「チョッパー!」
ドクトリーヌの叫び声が響き渡る。
我慢できずに私が奴らに攻撃をしようとした、その時。
「おい邪魔口!!」
麦わら帽子の男の子が城のてっぺんで折れた旗を掲げている。
「お前は嘘っぱちで海賊やってたんだろ? 命も賭けずに海賊やってたお前らは、この海賊旗の意味を知らねぇんだ!」
彼はあの旗の意味など知らなかったはず。
それなのに、麦わら帽子君の言っていることはストンと心に落ちてくる。
その旗と意味だと?
と喚いているワポルに、彼が再び話出す。
「これは! お前なんかが冗談で振りかざしていい旗じゃないんだ!」
「カバめ! 冗談でなきゃ王様のこの俺が海賊旗などかがげるかぁ!」
いちいち立て直すなと言いながら、ワポルは再び砲弾を彼に向ける。
「危ない! 避けろ!」
そう言うチョッパーを無視して、なおもそこに佇み続ける麦わら帽子。
「この旗が、お前に折れるもんか!」
ーードォンーー
「ルフィ!」
「直撃だ!」
砲弾は彼に命中しただろう。おそらく無事ではないはず。ワポルは笑っている。
しかし私には分かる。
煙で今は見えないが、ちゃんと気配があそこからする。
そうして煙がはれると、彼はやはりさっきの体制のまま立っていた。
「ほらな。折れねぇ。」
私は思った。彼はきっと、本物の海賊になる。
「一体どこの誰の海賊旗なんだか俺は知らねぇけどな、これは、命を違う旗だから。冗談で立ってるわけじゃねぇんだぞ。お前なんかが、ヘラヘラ笑ってへし折って良い旗じゃないんだぞ!!」
その圧に、ワポルらは圧倒されている。
私は思わず涙が出そうになった。
その姿が、あまりに眩しかったから。
チラリとチョッパーを見れば、彼も圧倒されているようだった。
「(よかったね、チョッパー。)」
そうしてワポル対麦わら帽子、部下対チョッパーとの戦いが始まった。
ワポルが途中で城の中に入って行こうとしたところを私が阻止する。
そしてそのまま麦わら帽子の彼との戦いになった。
勝負はあっという間。
麦わら帽子とチョッパーの、勝利だ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「うるせぇ! 行こうー!!」
外に出てみれば、麦わら帽子の彼がチョッパーを勧誘しているところだった。
門にもたれかかって、泣いているチョッパーを見ながら彼らに話しかけた。
「ふふ、ねぇ。私も連れってくれない?」
海賊達がこちらを見る。
「お前もか! 良いぞ! お前も今日から俺たちの仲間だ!!」
麦わら帽子は簡単に私を仲間だと認めた。
思わずクスリと笑う。
「おいおい! 誰だこのデカい女!」
緑頭の青年の方を向いて、私は挨拶する。
「私は鳴海。ここで用心棒やってたから戦闘なら役に立つと思うよ?」
「こいつすっげー強いんだ! 良いだろゾロ〜!」
麦わら帽子の言葉に緑頭の彼は顔を顰める。
「でも良いの? ドクトリーヌ、1人になっちゃうわよ?」
オレンジ色の髪の女の子が私に言う。
「良いのよ。彼女、そんなにヤワじゃないもの。私はもうドクトリーヌと話をつけてきたしね。」
「そうなのか!? 俺も言ってくる!!」
チョッパーはそう言い城の中に入って行った。
「テメェの目的は何だ。」
緑の頭の彼が鋭い目つきで私に問う。
私は彼の目をまっすぐ見て言った。
「探したい人がいる。この世界のどこにいるかも分からないのだけど。……ある研究所で、生き別れた親友にね。」
「ある研究所?」
長っ鼻の男の子が私に問う。
「私、30年前までモルモットだの。私はドラキュラ族の生き残り。希少な種族だから、8歳の時海軍に親を殺されて研究施設に入れられた。」
海賊の皆が息を呑むのが分かった。
「それから10年。惨い人体実験の毎日。でもそんな中、出会ったの。ある男の子に。私と同じ希少な種族の子。」
「ちょ、ちょっと待って! 研究所にいたのが30年前で、実験されてたのが10年って、あなた一体何歳なの!?」
水色の髪の毛の美人さんが驚いたように私に問いかける。
「あぁ、今は48歳。ドラキュラ族は20歳で体の老化が止まるの。」
「「「48歳〜〜〜!?」」」
皆が驚いてこちらを見る。
「ふふふ。その研究施設で生き別れた親友と会いたいの。ドクトリーヌもずっとこのことを知ってたから、私のことはすんなり手放してくれたわ。チョッパーはどうか分からないけれど。」
そう言うと、彼らは頭に疑問符を浮かべた。
しかしすぐにその意味を知ることになる。
城から走って出てきたチョッパーの後を追いかけてきたのは、武器を持ったドクトリーヌ。
私達は急いでソリに乗り、山を降りる。
途中で大砲の音が聞こえたと思いソリを止めると、山に大きなサクラが咲いていた。
これが、Dr.ヒルルクの研究結果。
チョッパーは泣いていたけど、私は笑った。
だって、こんなの最高の船出じゃない。
そうして、私達はドラム島を出るのだった。
何日も空を飛び続けて辿り着いたのはドラム王国。
そこで出会ったドクターくれはに用心棒として拾われてから、色々なことがあった。なんだかんだで、今は城でドクトリーヌとチョッパーと3人暮らしをしている。
この国にもたくさんの困難があったけど、結局居心地の良さに負けて30年もここに居座ってしまった。
そろそろ、探しに行きたいな。アルベルを。
そんな事を思いながら自室で新聞を読んでいると、外が騒がしい事に気づく。
気配からして3人お客が来ているようだ。
昨日ドクトリーヌとチョッパーが忙しそうにしてたのは彼らの治療か何かだろう。
先ほどまでのどんちゃん騒ぎは少しだけ静まったようで、ドクトリーヌの部屋に行ってみる。
扉を開ければ、ベッドに可愛いお嬢さんとその横にグル眉が特徴的な青年。
ドクトリーヌは椅子に座っていつものように酒をラッパ飲みしている。
「初めまして、お客さん達。」
私の言葉に、青年は目をハートにして近寄ってくる。
「んメロリ〜ン♡ この城にこんなビッグな美女がいたなんて♡」
私は椅子に座りドクトリーヌにたずねる。
「ドクトリーヌ、この人たちは?」
「私の患者だよ。こいつらに今、チョッパーの昔話をしてやろうと思ってたところさ。」
「……へぇ。随分とお客さんに気に入られたみたいね、チョッパー。」
「ヒーヒッヒッ。本当だよ。聞けば、こいつら海賊だって言うじゃないか。良い機会かと思ったのさ。チョッパーにも、アンタにもね。」
「あら、私以外に誰がここの用心棒するの?」
「なめんじゃないよ。わたしゃ1人でだってやっていける。アンタみたいな小娘の力がなくてもね。」
「そ。じゃあそろそろ、チョッパーの話をしてあげたら?」
「そうさね。」
ドクトリーヌは話し出した。チョッパーの過去を。
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「それから6年……。トニー君はあなたのもとで……。」
オレンジ色の髪が特徴的な彼女が、呟くように言う。
「あぁ。あたしの全てを叩き込んでやったよ。」
「あなたは? トニー君とは付き合い長いの?」
彼女は私を見て問いかける。
「チョッパーよりドクトリーヌとの方が付き合いは長いの。あ、でも私は医学はからっきし。チョッパーは、そうね……私にとって、同居人であり、友達であり……バケモノ仲間ってとこね。」
そう言って笑ってみれば、2人は不思議そうな顔をする。
ドクトリーヌをチラリとみれば、複雑そうな顔をしていた。
ふと、チョッパーの蹄の足音がすると思ったら、バタンと扉が勢いよく開いた。
「ドクトリーヌ! ワポルが、戻ってきた!!」
チョッパーの言葉に私たちの空気が変わる。
「私の出番ね。」
私はそう言って立ちあがる。
「鳴海もいたのか! 頼む! あいつら追い払わなきゃ!」
チョッパーの言葉に頷く。
「分かってる。」
言いながら、私達は歩き出した。
そのまま城の外に出てワポルとその部下達と応戦しようとすれば、グル眉の青年が私の前に出る。
「待ってくれ。レディは俺の後ろに。」
「あら、守ってくれるのは嬉しいけれど、私結構強いの。言ったでしょ、ここの用心棒だって。」
私がそういえば、ドクトリーヌが彼にキックをかます。
青年は声にならない悲鳴をあげて雪まみれになっている。
「まぁ見てな。鳴海の戦い。」
麦わら帽子の男の子は何故か服を探しに城に戻った。
私は数歩踏み出し、本来の姿に戻る。
蝙蝠のような大きな羽に、尖った牙、鋭い爪。
これが私の本当の姿。
私は大地を蹴って低空飛行をし、そのスピードのままワポルをぶん殴る。
今度は上空に上がって勢いをつけてワポルの脳天めがけてキックをお見舞いする。
「
奴は数秒意識を飛ばしたようだった。
が、部下達が奴を起こして目覚めさせる。
「頑丈な頭ね。」
「すげぇ、何だあの羽…!」
後ろでグル眉の青年が驚いているらしい。
ドクトリーヌは独特の笑い方でこちらを見ている。
まだ力の半分も出してない私が、今度こそ奴らを仕留めようとした、その時だった。
「待ってくれ!そいつ、俺にやらせてくれ!」
「……麦わら帽子くん。」
そう言ってワポルに向かって行く彼。
グル眉の青年いわく、何か因縁のようなものがあるらしい。
そういうことならと、私は潔く身を引く。
そうして彼らの戦闘が始まりチョッパーも加勢した。
しかし、ワポルは城に立っているヒルルクの旗を狙って砲撃したのだ。
それを見上げる私達。
「なんてことを……。」
私は思わず呆然と見上げてしまう。
その旗の意味も、チョッパーにとってどんな旗かも、全て知ってしまっているから。
チョッパーは怒ってワポルに殴りかかろうとする。
しかし彼は優しいから、結局説得で解決しようとして砲撃をモロに喰らう。
「チョッパー!」
ドクトリーヌの叫び声が響き渡る。
我慢できずに私が奴らに攻撃をしようとした、その時。
「おい邪魔口!!」
麦わら帽子の男の子が城のてっぺんで折れた旗を掲げている。
「お前は嘘っぱちで海賊やってたんだろ? 命も賭けずに海賊やってたお前らは、この海賊旗の意味を知らねぇんだ!」
彼はあの旗の意味など知らなかったはず。
それなのに、麦わら帽子君の言っていることはストンと心に落ちてくる。
その旗と意味だと?
と喚いているワポルに、彼が再び話出す。
「これは! お前なんかが冗談で振りかざしていい旗じゃないんだ!」
「カバめ! 冗談でなきゃ王様のこの俺が海賊旗などかがげるかぁ!」
いちいち立て直すなと言いながら、ワポルは再び砲弾を彼に向ける。
「危ない! 避けろ!」
そう言うチョッパーを無視して、なおもそこに佇み続ける麦わら帽子。
「この旗が、お前に折れるもんか!」
ーードォンーー
「ルフィ!」
「直撃だ!」
砲弾は彼に命中しただろう。おそらく無事ではないはず。ワポルは笑っている。
しかし私には分かる。
煙で今は見えないが、ちゃんと気配があそこからする。
そうして煙がはれると、彼はやはりさっきの体制のまま立っていた。
「ほらな。折れねぇ。」
私は思った。彼はきっと、本物の海賊になる。
「一体どこの誰の海賊旗なんだか俺は知らねぇけどな、これは、命を違う旗だから。冗談で立ってるわけじゃねぇんだぞ。お前なんかが、ヘラヘラ笑ってへし折って良い旗じゃないんだぞ!!」
その圧に、ワポルらは圧倒されている。
私は思わず涙が出そうになった。
その姿が、あまりに眩しかったから。
チラリとチョッパーを見れば、彼も圧倒されているようだった。
「(よかったね、チョッパー。)」
そうしてワポル対麦わら帽子、部下対チョッパーとの戦いが始まった。
ワポルが途中で城の中に入って行こうとしたところを私が阻止する。
そしてそのまま麦わら帽子の彼との戦いになった。
勝負はあっという間。
麦わら帽子とチョッパーの、勝利だ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「うるせぇ! 行こうー!!」
外に出てみれば、麦わら帽子の彼がチョッパーを勧誘しているところだった。
門にもたれかかって、泣いているチョッパーを見ながら彼らに話しかけた。
「ふふ、ねぇ。私も連れってくれない?」
海賊達がこちらを見る。
「お前もか! 良いぞ! お前も今日から俺たちの仲間だ!!」
麦わら帽子は簡単に私を仲間だと認めた。
思わずクスリと笑う。
「おいおい! 誰だこのデカい女!」
緑頭の青年の方を向いて、私は挨拶する。
「私は鳴海。ここで用心棒やってたから戦闘なら役に立つと思うよ?」
「こいつすっげー強いんだ! 良いだろゾロ〜!」
麦わら帽子の言葉に緑頭の彼は顔を顰める。
「でも良いの? ドクトリーヌ、1人になっちゃうわよ?」
オレンジ色の髪の女の子が私に言う。
「良いのよ。彼女、そんなにヤワじゃないもの。私はもうドクトリーヌと話をつけてきたしね。」
「そうなのか!? 俺も言ってくる!!」
チョッパーはそう言い城の中に入って行った。
「テメェの目的は何だ。」
緑の頭の彼が鋭い目つきで私に問う。
私は彼の目をまっすぐ見て言った。
「探したい人がいる。この世界のどこにいるかも分からないのだけど。……ある研究所で、生き別れた親友にね。」
「ある研究所?」
長っ鼻の男の子が私に問う。
「私、30年前までモルモットだの。私はドラキュラ族の生き残り。希少な種族だから、8歳の時海軍に親を殺されて研究施設に入れられた。」
海賊の皆が息を呑むのが分かった。
「それから10年。惨い人体実験の毎日。でもそんな中、出会ったの。ある男の子に。私と同じ希少な種族の子。」
「ちょ、ちょっと待って! 研究所にいたのが30年前で、実験されてたのが10年って、あなた一体何歳なの!?」
水色の髪の毛の美人さんが驚いたように私に問いかける。
「あぁ、今は48歳。ドラキュラ族は20歳で体の老化が止まるの。」
「「「48歳〜〜〜!?」」」
皆が驚いてこちらを見る。
「ふふふ。その研究施設で生き別れた親友と会いたいの。ドクトリーヌもずっとこのことを知ってたから、私のことはすんなり手放してくれたわ。チョッパーはどうか分からないけれど。」
そう言うと、彼らは頭に疑問符を浮かべた。
しかしすぐにその意味を知ることになる。
城から走って出てきたチョッパーの後を追いかけてきたのは、武器を持ったドクトリーヌ。
私達は急いでソリに乗り、山を降りる。
途中で大砲の音が聞こえたと思いソリを止めると、山に大きなサクラが咲いていた。
これが、Dr.ヒルルクの研究結果。
チョッパーは泣いていたけど、私は笑った。
だって、こんなの最高の船出じゃない。
そうして、私達はドラム島を出るのだった。