夢でも貴方と
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私の元彼事件が起きてから1か月が経った。
あの日から私はジンベエに恋をした。
彼の前では普通に振る舞っているが、内心は彼のことを考えて一喜一憂している。
他にも変わったことが一つ。
それは仕事の時間を減らしたことだ。減らしたと言っても、残業をできるだけしないよう周りの人に助けてもらうようになったのだ。
それの甲斐もあって、ジンベエとの時間も少しだけ増えた。
それがとても嬉しい。
よくよく考えれば、彼は突然この世界に来たのだから、突然元の世界に帰ってたって何ら不思議はない。
だからこそ、2人の時間をできるだけ大切にしたいのだ。
しかし最近の私は焦っている。
彼がもし明日帰ってしまったら、どうしよう。
そんな気持ちになるのだ。
でも私の思いを告げたところで両思いになるとは限らない。
ジンベエが私のことを嫌いじゃないのはわかる。
でも、そもそも彼の恋愛対象は人間なのか。
まず話はそこからなのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1か月前、鳴海の昔の男と対面した時、ワシの中に言い様のない感情が込み上げた。
あれは嫉妬だったのだと気づいたのはそれから数日経った時だった。
そしてそれと同時に気付いてしもうた。
なぜ嫉妬をしたのかを。
そう、ワシはもう鳴海のことをただの恩人とは思えておらんかったんじゃ。
いつからかは分からん。
分からんが、ワシはとうの前から彼女を好いておったのだ。
鳴海はあの事件の夜からいっそう明るくなったが、それと"ワシをどう思っとるか"はあまり関係ないじゃろう。
彼女が魚人のワシを相手にするのかも分からん。
ただでさえ、いつ元の世界へ戻るかも分からん身。
そんな身でこの思いを伝えるのはあまりに無責任というもの。
この思いには当分蓋をしておこう。
そう思ったのも束の間。
いつもの晩酌で、鳴海の様子が普段と違う。そういえば、いつもより飲むペースが早かったような気もするのう。
彼女は随分と甘えた様子でワシにしなだれかかる。
いかん、これは勘違いしてしまいそうじゃ。
「これ鳴海。そうくっ付くな。」
「え〜、いいじゃんジンベエ〜。」
「良くない。ワシだから良いものの、他の奴にこんな事したら勘違いされても文句は言えんぞ。」
ボソリと鳴海が何かを呟くが、ワシの耳には聞き取れん。
「ん?何じゃ?」
「ジンベエは、勘違い……してくれないの?」
雷に打たれるような感覚とはこういうことなのだろう。
紅潮した頬に上目遣いでそんな事を言われたらたまったもんじゃないわい。
できる限り平静を装って彼女に言う。
「お前さん、酔いすぎじゃ。」
「酔ってない。」
鳴海はそう言ってワシの手を握る。
これはいかん。
流されてしまいそうじゃ。
「ジンベエ。私、ジンベエのことがーー」
「鳴海。」
ワシは彼女の手をしっかりと握り返し、その目を真っ直ぐに見ながら言う。
「ワシはいつこの世界から消えるかも分からん身。」
その言葉に、彼女はハッとした表情をしたと思ったら、すぐさま泣きそうな顔をする。
その表情で彼女の気持ちはしっかりワシに伝わった。
きっと、同じ気持ちなのだ。
「故に無責任なことは言えん。言えば、今度はワシがお前さんを縛る鎖になってしまうだろう。だが、もしお前さんがワシに何かを望むのなら、お前さんのために何でもしよう。」
せっかく身も心も自由になったばかりの鳴海を、ワシが縛りたくはない。
「……何でも?」
「あぁ。何でもじゃ。」
ワシは紅潮した鳴海の頬を指で撫でる。
彼女はそれに擦り寄る。
「じゃあ、私のこと抱いてくれる?」
「お安いご用じゃ。」
ワシは体制を低くして彼女に口づける。
その日、ワシらは体を重ね合った。
あの日から私はジンベエに恋をした。
彼の前では普通に振る舞っているが、内心は彼のことを考えて一喜一憂している。
他にも変わったことが一つ。
それは仕事の時間を減らしたことだ。減らしたと言っても、残業をできるだけしないよう周りの人に助けてもらうようになったのだ。
それの甲斐もあって、ジンベエとの時間も少しだけ増えた。
それがとても嬉しい。
よくよく考えれば、彼は突然この世界に来たのだから、突然元の世界に帰ってたって何ら不思議はない。
だからこそ、2人の時間をできるだけ大切にしたいのだ。
しかし最近の私は焦っている。
彼がもし明日帰ってしまったら、どうしよう。
そんな気持ちになるのだ。
でも私の思いを告げたところで両思いになるとは限らない。
ジンベエが私のことを嫌いじゃないのはわかる。
でも、そもそも彼の恋愛対象は人間なのか。
まず話はそこからなのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1か月前、鳴海の昔の男と対面した時、ワシの中に言い様のない感情が込み上げた。
あれは嫉妬だったのだと気づいたのはそれから数日経った時だった。
そしてそれと同時に気付いてしもうた。
なぜ嫉妬をしたのかを。
そう、ワシはもう鳴海のことをただの恩人とは思えておらんかったんじゃ。
いつからかは分からん。
分からんが、ワシはとうの前から彼女を好いておったのだ。
鳴海はあの事件の夜からいっそう明るくなったが、それと"ワシをどう思っとるか"はあまり関係ないじゃろう。
彼女が魚人のワシを相手にするのかも分からん。
ただでさえ、いつ元の世界へ戻るかも分からん身。
そんな身でこの思いを伝えるのはあまりに無責任というもの。
この思いには当分蓋をしておこう。
そう思ったのも束の間。
いつもの晩酌で、鳴海の様子が普段と違う。そういえば、いつもより飲むペースが早かったような気もするのう。
彼女は随分と甘えた様子でワシにしなだれかかる。
いかん、これは勘違いしてしまいそうじゃ。
「これ鳴海。そうくっ付くな。」
「え〜、いいじゃんジンベエ〜。」
「良くない。ワシだから良いものの、他の奴にこんな事したら勘違いされても文句は言えんぞ。」
ボソリと鳴海が何かを呟くが、ワシの耳には聞き取れん。
「ん?何じゃ?」
「ジンベエは、勘違い……してくれないの?」
雷に打たれるような感覚とはこういうことなのだろう。
紅潮した頬に上目遣いでそんな事を言われたらたまったもんじゃないわい。
できる限り平静を装って彼女に言う。
「お前さん、酔いすぎじゃ。」
「酔ってない。」
鳴海はそう言ってワシの手を握る。
これはいかん。
流されてしまいそうじゃ。
「ジンベエ。私、ジンベエのことがーー」
「鳴海。」
ワシは彼女の手をしっかりと握り返し、その目を真っ直ぐに見ながら言う。
「ワシはいつこの世界から消えるかも分からん身。」
その言葉に、彼女はハッとした表情をしたと思ったら、すぐさま泣きそうな顔をする。
その表情で彼女の気持ちはしっかりワシに伝わった。
きっと、同じ気持ちなのだ。
「故に無責任なことは言えん。言えば、今度はワシがお前さんを縛る鎖になってしまうだろう。だが、もしお前さんがワシに何かを望むのなら、お前さんのために何でもしよう。」
せっかく身も心も自由になったばかりの鳴海を、ワシが縛りたくはない。
「……何でも?」
「あぁ。何でもじゃ。」
ワシは紅潮した鳴海の頬を指で撫でる。
彼女はそれに擦り寄る。
「じゃあ、私のこと抱いてくれる?」
「お安いご用じゃ。」
ワシは体制を低くして彼女に口づける。
その日、ワシらは体を重ね合った。