過去と未来と貴方と私
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ある島に着いたとき、ジンベエはサンジに買い出しの手伝いを申し出された。
それを了承し、2人で食糧の調達をしていた時だ。
サンジがジンベエに言う。
「ジンベエお前よぉ、鳴海さんのこと、どう思ってんだ?」
ジンベエはその問いかけにギョッとする。
「どうとは何じゃい。」
「とぼけてんじゃねぇ。最近お前の鳴海さんに対する距離感が近ぇって言ってんだ。俺たちは仲間だ。それ以上の感情抱いてんなら、お前、ちゃんとケジメつけろ。それが男ってもんだろうが。」
「………。どうやら、隠し通せはせんか。」
「だいたい予想はついてる。鳴海さんが過去に行った時からだ。お前が変わったのは。つまりだ。過去でお前ぇ、鳴海さんに手ェだしたろ……!?」
サンジはジンベエを睨む。
ジンベエは少しばかり沈黙した後、サンジをまっすぐ見据えて言う。
「その通りじゃ。」
「っ! テメェ! ジンベエ!」
今にも飛びかかりそうな勢いのサンジ。
「ワシはもう鳴海をただの仲間として見れとりゃあせん。それは認めよう。」
ジンベエは一呼吸おいたと思ったら、サンジを鋭く見据え言葉を続ける。
「ただ! ワシはルフィを海賊王にすると誓った! ルフィのためにこの命を使うと! 男がそう簡単に誓いを破るわけにはいかねぇ! だから、鳴海には待ってもらうことにした!」
「……何?」
「ルフィが海賊王になるまで、この命はルフィのために使う! だがルフィが海賊王になった暁には、この命を鳴海に捧げると誓うとる!!」
「……そういうことか。」
サンジはタバコの煙を吐く。
「ったく。お前ぇ、本当にそれまでちゃんと我慢できんだろうなぁ?」
「男に二言はない!」
「良いだろう。俺たちの冒険が終わったら、お前ぇ、ちゃんと鳴海さんを幸せにしろよ。」
「あぁ。分かっておる。」
「よし。買い出しの続きだ。行くぞ。」
「うむ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから数年後。
ルフィは海賊王になった。
今は麦わら大船団の皆で宴の最中だ。
私は1人、喧騒から少し離れ夜風に当たっていた。
「ようやくここまで来たのう。」
背後からジンベエの声がした。
「うん!」
私は笑顔で頷く。
「お前さん、ワシに対する気持ちの変化はあったか?」
ジンベエはいきなり本題をぶち込んできた。
そのストレートさに思わず笑う。
「ふふ。ジンベエは?」
「む?」
「ジンベエはどうなの?」
彼は手に持ってきた盃を置くと、私の方を向き跪いた。
大きな彼は、跪いても私とそう視線が変わらない。
「鳴海。お前さんさえ良ければ、ワシと結婚してくれはせんか?」
その言葉に、思わず目を見開く。
え、結婚?
「ルフィは海賊王になった。この先のワシの命はお前さんに捧げる。」
私の瞳には涙が浮かぶ。
「……ジンベエ。大好き!」
私は彼に抱きついた。
ジンベエは私を優しく受け止める。
「でも、まずはお付き合いからで!」
「む? どうせ結婚するなら、変わらんじゃろがい! このまま結婚じゃ!」
「あっははは! なんでそんなに結婚にこだわるの?」
「ワシが、もう、お前さんを離したくないからじゃ。」
ジンベエはそう言って私を抱きしめる力を強める。
私は言葉を失った。
そんなに想ってくれてたんだ。
私もギューっと抱きしめ返す。
少し離れ、私たちはキスをした。
その数ヶ月後、私たちの結婚式が行われた。
私たちはたくさんの仲間に囲まれて祝福されるのだった。
完