過去と未来と貴方と私
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カイドウとの戦いを経て、ワノ国を出発した麦わらの一味。
次の島へと向かう航海の途中、ある海賊船との戦闘になった。
それぞれが船の上で戦闘を繰り広げる。
鳴海はヒトヒトの実(モデル"
自分の能力を解放し、彼女は吸血鬼の体へと姿を変えた。
そして次々と敵を薙ぎ倒して行くと、背中の羽を広げて飛び立つ。
しかしある敵が彼女を狙っていた。
「カコカコカコ! まずはお前だ、女ぁ!」
独特の笑い方をしながら鳴海に狙いを定めるポーズを取ると、その指先から紫の光が伸びて鳴海を襲った。
「ぐっ……!」
サニー号へ真っ逆さまに落ちて行く鳴海。
船にぶつかると思ったその時、彼女を受け止めたのは、ワノ国で仲間となったジンベエだった。
「ジンベエ…、ありがーー」
言い終わる前に、彼女の体が発光し始める。
「む!?……何をした!?」
ジンベエが鳴海を抱えたまま敵に問いかける。
「カコカコカコ! 俺はカコカコの実を食べた過去人間! 誰でも過去へ飛ばす事ができる悪魔の実だ! その女は俺の能力で過去へと行くのさ!」
「何だと!?」
仲間の全員が息を呑む。
「まぁ、安心しろ。帰る方法なら今設定してやる。そうだなぁ……。おぉ、これにしよう。……お前が過去に行き、最初に会った奴と肉体関係を持つこと。これで帰ることができるようにしよう。」
「何!?」
「そんなこと認めるかぁ!! 麗しの鳴海さんがどこぞの馬の骨とも知れねー輩の毒牙に襲われるなんて!!」
ルフィとサンジが言う。
鳴海はジンベエの腕から降りて、敵の男を睨みつける。
「やってやろうじゃん! みんな、安心して。すぐ帰ってくるから!」
眩しい光と共に、彼女は笑顔で消えた。
「鳴海ー!!」
ナミが叫んでも時既に遅し。
鳴海は過去へと飛ばされるのだった。
「くそっ。」
悔しそうにゾロが呟く。
「そう気落ちするな。俺の設定した帰る方法を遂行出来なくても1ヶ月もあれば帰ってくるさ。さぁ、次はどいつを飛ばそうか。」
ニヤリと笑う男に、麦わら海賊団は立ち向かうのだった。
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ドサリとどこかに落ちる感覚がする。
肌に感じる風は潮風だ。
海の匂いもする。
独特の揺れはここが船の上である事を示唆していた。
「いったたた。」
わたしは起き上がり辺りを見渡す。
辺りは夜だ。
よく見えないが、ある1人の人物がいる事に気付いた。
「誰…?」
「それはこっちの台詞じゃ。お前さん、何者だ!?」
ついさっき聞いたばかりの声に驚く。
そして雲の隙間から照らされた月明かりにその人物を捉えることができた。
「ジンベエ!?」
「……!? 人間か、ワシを知っとるのか?」
「え、でも何か、雰囲気変わった? 髪型違うし……。」
と、いうより、そう。
「あ、若いのか!」
「さっきから何を言うとる。お前さん悪魔の実の能力者じゃな? いったいこの船に何のようじゃ。」
ジンベエはそう言って戦闘の構えをとった。
「えっ! 待って待って! 危害を加えるつもりは一切ないの!」
「何?」
「私、未来から来たの! カコカコの実とかいう、ふざけた敵の能力で、過去に飛ばされちゃって。正直困ってるんだよねぇ。しばらくこの船に乗せてくれない?」
そう言って苦笑いすれば、見慣れない若いジンベエはぐっと言葉を詰まらせた。
「お前さん。ワシが怖くないんか。」
「なんで? ジンベエは未来では私達の仲間だったもん。怖くなんかないよ。さっきだって、助けてくれたし。」
「仲間だと!? ワシはタイヨウの海賊団の船長だぞ! 未来では人間を仲間にしとるのか!?」
「あー、っていうより、なんていうか。」
「まさか、乙姫王妃の移住計画が未来では成功しとるのか!?」
「あ、いや、それはまだ……。」
私の言葉に、ジンベエは見るからに気落ちした。
「……そうか。」
その表情に、私まで少し悲しくなる。
しかしそうもしていられない。
ここがいつ頃の過去なのか知らなければ。
ジンベエはさっき自分をタイヨウの海賊団船長だと言った。
と言うことは、魚人島で彼が語った12年前ほど前の過去だろうか。
甲板で2人して黙っていると、ジンベエはハッとして私を見た。
「お前さん、ちょっとワシの部屋へ来い。」
言いながら私の腕を掴むと、ズカズカ進んで行ってしまう。
なんだか私の知るジンベエよりちょっと強引だ。
そしてそのまま私は彼の船長質室に連れて行かれるのだった。