③
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ネジとのぎこちない朝を迎え、森で2人で修行をしていた時だった。
急に目の前に暗部の人が現れた。
「火影様がお呼びだ。」
そう言うと、その人は光の速さで消えていなくなる。
私たちは目を見合わせた。
「何だろう?」
「さぁな。行ってみるか。」
その言葉に頷き、森の木々を忍流の移動の仕方で駆け抜ける。
「だいぶ早く動けるようになってきたな。」
「うん、ネジの教え方が良いからだね。」
彼はふっと笑ってスピードを上げる。
それに続いていれば、市街地が目に入ってくる。
森の木々から、今度は建物の屋根の上を駆け抜ける。
火影室に着く頃、私の息は少し乱れる程度だった。
だいぶ体力が付いたと思う。
ネジが火影室をノックする。
「入れ!」
中からの声に、彼は扉を開ける。
私もそれに続いて中に入った。
入って早々、白い髪の大柄な中年男性が私を見て言う。
「ほう! このお嬢ちゃんが異世界から来たという高槻の末裔か!」
「鳴海。コイツは自来也といって、私の同期にあたる忍だ。今日はお前をコイツに紹介しておきたくてな。突然呼んで悪かった。」
綱手さんが私に説明した。
「自来也様。」
ネジが呟く。
どうやら、偉い人らしい。
「はじめまして。高槻鳴海です。」
私は自来也と呼ばれた男に挨拶する。
「しかしお主、本当に三十路か?」
いきなりストレートに聞く彼に、私は苦笑いする。
「あはは、術の副作用で10歳若返りまして。」
「ほぉ。どうやらずいぶんの大技を発動したらしいの。」
「はい。当時の私は無意識でしたが。」
「なるほどのぉ。」
そう言いながら彼は私を上から下まで眺める。
「それで、飛眼の方はどの程度コントロールできておる。」
自来也さんは真面目な眼で問う。
私はそれに答える。
「人を含む物体を飛ばす"飛飛万象"と、物体の時間を戻す"時戻し"はほぼ完璧に習得しました。飛飛万象の方は、着地地点が同じなら今は一度に5人ほど飛ばせます。飛ばせる最長距離は分かりません。」
「ほぉ! なかなかやるのぉ!」
「しかし、過去や未来を見る"時渡り"という能力は未だコントロール出来ていません。予知夢や、人に触れた時に事故的に過去を見てしまった程度です。」
「なるほどのぉ。こりゃなかなかの逸材を手に入れたの。綱手。」
「鳴海のことを他里に知られる訳にはいかん。が、それも時間の問題だろう。」
厳しい顔つきで言う彼女に、自来也さんは頷く。
「そうだのぉ。だが、日向の天才が教育係となれば、そうそう簡単にやられはせんだろうのう。はっはっはっ!」
「自来也、お前は楽観的すぎる!」
綱手さんが自来也さんを嗜める。
私が他里の忍に狙われる危険性があるという話をしているのだろうか。
なぜ?
わたしは2人に問いかける。
「あの……私は誰かに狙われるような覚えは……。」
「何を言うか! お前はあの高槻一族の末裔で、強力な瞳術使いだ! 今まで何のためにネジを護衛に付けていたと思ってる!」
「は、はぁ。」
「お前の瞳術は、いずれあのうちはイタチと並ぶようになるだろう。そうなる前に、お前を消そうとする連中が現れてもおかしくはない。」
「うちは……イタチ、ですか?」
「かつて木の葉の里の忍だった男で、今は暁に属している。」
「暁……!」
私は思わず呟く。ザワリと心が逆撫でられる気がした。
「とにかく! 鳴海、お前はもう少し自分に対して危機感を持て。周りのことばかりではなくな。」
彼女の言葉に、素直に頷く。
「……はい、分かりました。」
確かに私は周りの人の事ばかり考えていたかもしれない。
戦いになれば、1番に守らなければならないのはまず自分。
私が生きていなきゃ、変えられる未来も変えられないかもしれないんだから。
「お前達、自来也への紹介は済んだし、もう帰って良いぞ。」
綱手さんの言葉に、私たちは頭を下げてから部屋を出た。